「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「ついぞ触れぬ世界に」

2010年03月15日 | つれづれ噺
思いもかけぬ形で、気持ちを豊かにしてくれる春の温もりにも似た出会いがあった。
犬も歩けば棒に当たるといった具合の、偶然の産物ではあったが、受付をしておられた懇意なご夫婦のお勧めもあって、じっくり会場を見学させて頂いた。

「源氏物語筆写展」
単に他人のご趣味を、かいま見せて頂くというにはちょっと出来すぎの感がある高尚なものであった。

「桐壺」に始まって「若紫」「賢木(さかき)」「朝顔」と続き全54帖に及ぶ膨大な物語りの現代語訳を、毛筆のたおやかな筆致で巻紙に書き写す。それはそれは精巧な出来映えであり、遠い存在であった源氏物語の世界が、急に身近に思えるから不思議だ。

今回の展示は「真木柱」までの31帖で、後半部については、数年先、80才を目標に完全仕上げをしたいとのご意向。驚くべきパワーを感じる。

源氏物語もそうであるが、毛筆を使いこなして、柔らかなひらがなを駆使する筆写。
やはり私などには遠い世界である。
しかし、現実にこうして素敵に出来上がった筆写を見せられると、まねごとさえ出来はしないが、翻訳書を手にとって読むくらいなことはしてみたいと思わされる。

素敵な趣味の世界で、楽しみながらこの世を生きる。人生の参考にまでなる素敵な出会いとなった。

     ( 写真: 人物が小さく見えるほどの会場いっぱいに広げられた、筆写 )
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横幅を広げる

一行の文字数を増やしたい