「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「もうひとつの黄金色」

2009年10月27日 | つれづれ噺
秋の「黄金色」といえば、“実るほど 頭を垂れる 稲穂かな” 豊かに実った「稲穂」を言う場合が多い。
ほとんどの田で取り入れが終わり、収穫の秋も終わりを告げる頃、もうひとつの黄金色に出会う。その名はツワブキ。それはそれは見事に輝く黄金色。石蕗と書く。

葉は蕗(ふき)に似ている。その葉っぱには“つや”があることから“つやぶき”と呼ばれるようになり、それが変化して「つわぶき」といわれている。10月下旬から11月の終わり頃まで咲く秋の花である。
        「石蕗(つわぶき)の 日陰は寒し 猫の鼻」  (酒井抱一)

似たような感じの名前に“山吹の花”がある。こちらも金色といわれるほどの鮮やかな黄色で、山吹色ともいわれている。             
時代劇などで “山吹色の…” と言えば、悪代官に捧げる賄賂の小判が詰まった菓子箱の代名詞となって、不名誉をこうむっている。

山吹には一重と八重がある。 “七重八重 花は咲けども 山吹の……”と詠われた太田道灌にまつわる話はご存じの通り。 一重には実がなるが、八重には実がならない。 これは春に咲く花であり、山吹は春の季語ともなっている。(余談)

                
              山吹の花         ツワブキの花

いつ頃だったか、どこからだったか定かでないが、ツワブキを引っこ抜いて我が家の庭の片隅に植えたのは覚えている。
毎年この時期になるとホンのひとかたまりではあるが見事に咲いて、楽しませてくれる。折り重なるように咲くとこの黄色も間違いなく山吹色に負けず、大判小判を思い出す。 
そして場所を選ばずどこにでも咲く逞しさが好ましい。

「謙譲」「困難に傷つけられない」…こんな花言葉を添えて、どなたかに贈りたくなる。

      ( 写真: 庭の片隅に逞しく咲く“ツワブキの花” )



コメント (15)
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