「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「カモメの晩餐」

2009年10月18日 | つれづれ噺
  ♪♪ いつも群れ飛ぶ かもめさえ とうに忘れた 恋なのに…… ♪

全く何の脈略もないのに、夕焼け空のカモメの乱舞を見ていたら、つい口をつく演歌節。困ったもんだ。

瀬戸の海の浅瀬、海岸近くに湧き上がるように群れる小イワシ。
太刀魚はもとより、カモメにとっても大切な夕餉のメインディッシュなのだろう。

何10羽という集団が海面から20~30㍍の高さで乱舞する。あの狭い範囲で交錯しなくても空は無限なのに…と飽きずに眺める。上手に飛び交う。誰かが交通整理でもしなければぶつかりそうなものを…とカモメの心理が読めない人間の浅はかさをあざけるように、縦横無尽に、まさしく乱舞。

そして時折、海面目がけて急降下。あの鋭い足の爪で小イワシを掴み上げる。くちばしで突っ込むことはないようだ。2羽3羽続いて数10羽が一斉に舞い降りる。一瞬のうちに上空へ舞い上がる。見事な早業、見事な手練手管である。
                 

気の毒なのは小イワシだ。水の中ではあの獰猛なくちばしを持つ太刀魚に追われ、やっと逃れて海面近くに群れをなせば、今度は空からカモメの爪だ。それもこれも逃れてやっと大きく育ったら、今度は人間様の網にかかって煮られたり焼かれたり…。

それが持って生まれた宿命とはいえ、哀れではある。
金子みすずならずともイワシに同情したくなる。

見方を変えれば、人間もこれと似たような生涯なのかも知れない。
生きている間に、如何に多くの楽しみや満足出来るものをを自分で見つけ、人より少しでも多く笑える生き方をしなければ損だな…などと、カモメの晩餐を横目にくしゃみをひとつ…。

        ( 写真: 狭い空中で乱舞するカモメ )
コメント (16)
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