中央分水嶺・淀川水源の森 余呉トレイル

奥琵琶湖の豊かな自然と歴史に親しみ地域活性化を願う余呉トレイルクラブが、余呉トレイルについて情報を発信します。

栃ノ木峠から半明まで歩き通す

2010-05-31 09:13:25 | トレイル日記

とうとうこの日がやってきた。
ピーク879まで前日に歩けるようにしておき、栃ノ木峠から入り音波山を経て下谷山へ立ち、南尾根を下って879ヘ抜け出て半明へ下山する。
このブナ林で覆われた淀川水源の森をめぐるコースを一日で歩き通すことができたのだ。
この区間が中央分水嶺・余呉トレイルの核心部であり、これによって余呉湖・行市山からこのブナ原生林までか細いながらもひとすじの道としてつながった。


今回歩き通した区間は、中河内で聞く山の暮らしの舞台のひとつである大音波谷の流域にあたり、南尾根のブナ林にはケモノ道があって思いのほかスムーズに通り抜けることができた。
ピーク971下谷山の先の上谷山から三国岳への中央分水嶺は、戦後の伐採、拡大造林によって猛烈な藪に覆われた尾根となり、湖北に伝えられる夜叉ケ池信仰の舞台へは奥川並から奥美濃への古道をたどって左千方鳥首峠から進むが、これらは登山のエキスパートの領域であり慎重に入山する必要がある。
人ひとりが通ることができる必要最小限の道の整備により流域に住むだれもが改めてその素晴らしさを知ることができ、人任せではなく地元の手で次の世代や下流域の人へ山に生きた先人のことや残してくれた自然を伝えてゆくことが可能となる、と余呉トレイルクラブは考えている。
出会いのトレイルに興味のある方はぜひご連絡を、一緒に歩きましょう。
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雨の中河内塩買い道

2010-05-26 21:39:43 | トレイル日記

寒気を伴う日本海の低気圧の影響で、どんよりとした雲空のウッディパル余呉を出発し北上すると、やはり中河内ではしぐれていた。
予想していたので雨具を着て網谷に入る。
新緑がしっとりと濡れて美しい森の風景を喜ぶとともに、本降りにならないよう祈った。
この間が支流の黄金清水の谷からであったので今日は本流を行き、栃ノ木峠と庄野嶺越の中間点の送電線鉄塔へ出て中央分水嶺へ。

ここから塩買い道の峠まで南下しながらひと汗流した後で、塩買い道を下る。
今日こそは千人屋敷跡まで行こうと皆で話あっていたこともあって、本降りになっても足取りは変わらず快調。
ササや張り出す枝を前回片付けているので歩きやすい。
尾根道が次第に急になって道形が大きく蛇行し、杉林となってケヤキの根本から枝分かれした巨樹の残されたいい雰囲気の小さな台地へ降り立つ。
石積みがあって、ここが千人神社があったところのようだ。

その下には緩斜面が広がり千人屋敷跡ということになる。
沢へ道が続くことを確認してから中央分水嶺の峠へ戻り、峠下の黄金清水の池までのササに埋まったままの区間をかたづける。
ベンチに腰を下ろし幻想的な小池を眺めながらひと息いれ、谷を下る。

道はかつては渓流脇にあったであろうが断片的に残るだけであり、大半は流れの井なかを歩く。
雨は本降りとなり疲れた体には厳しい下りだが、中央分水嶺の峠道が再び歩くことができるようになった喜びに浸りながらで心地いい。
豪雪の山村から日本海までの塩買い道を、この夏に多くの地元の人に歩いてもらう機会を作りたいと思っている。

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中河内塩買い道から栃ノ木峠、さらに大音波へ

2010-05-19 20:46:06 | トレイル日記

網谷から黄金清水(こがねしょうず)の谷へ入る。
炭焼き窯跡がいくつもあって谷ぞいによく歩かれた道があったことがわかるが、車の普及で通る人もいなくなって道普請もしなくなり、大雨ごとに増水し道は流されてしまったのだろう。
中央分水嶺トレイルのアプローチルートとして整備が進み、古道は復活だ。
峠の手前には池があって道開きで畔がすっきり、黄金清水の池にふさわしいたたずまい。
塩買い道の峠から栃ノ木峠までの分水嶺トレイルは荒刈りは昨秋にほぼ終わっている。
とはいえちょうど中間点付近は北から南から整備を進めたのだが、いずれもそのあたりで日没となり藪が残っている。
今回は少人数の為にテープ付けと倒木をかたづけるのがやっとであり、慣れない人には道を追うのはまだつらいかも。
ともあれ確実にけもの道トレイルらしくなってきた。
さらにその中間点あたりにササや枝をはらって敦賀の展望がすばらしい憩いの広場が誕生した。

椿井嶺と庄野嶺の間のものも敦賀を望み、この街には砂漠のなかのオアシスのごとくでだれもが好印象を持つだろう。
森の小道をひたすら歩く区間であり、こうした憩い場は不可欠となる。
余呉高原スキー場の上へ出て、音波山から下谷山の雄大なブナ林の山並みを眺めながら下る。
珍しく予告した通りの時間に国道へ出ることができたが、スムーズに歩けるようになり所要時間もだんだんと読めるようになってきた。



さらに中河内の山の整備は続く。
下谷山南尾根は、中河内・半明の人達がかつて炭焼きに入った大音波谷の左岸にあたる。
琵琶湖集水域では抜きん出たスケールを誇るブナ林が続くが、山に生きた人たちの歴史が残る自然境である。
生態系を壊すことなく山の暮らしが営まれ、そして今に伝えられる森の存在は素晴らしいことであり、トレイルクラブとしても地域の人たちとともに次の世代に伝えられるように力を尽くしたいものだ。
22日は点標大音波から先の840峰まで、かつての山仕事の道を歩けるように整備した。
貴重な自然や歴史を伝えるという作業は歩いて知るということから始まることであり、トレイルと同じように果てしなく続く道を一歩一歩進むしかないが、多くの賛同をいただきやりがいがある。

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横山岳余呉ルートを案内

2010-05-16 21:06:12 | トレイル日記

昨日は大阪のトラベルギャラリーの横山岳ツアー一行を迎え、快晴のなか西尾根を案内する。
白谷コースからのパーティもあり、網谷登山口で合流するという欲張り?なツアーであったが、西尾根パーティの方が参加者が多く、うれしいかぎり。
4月21日の新ハイキング関西の大勢の人達を案内した時にはイカリソウ、カタクリ、トクワカソウが一面に咲いていたが、今回はブナ新緑。
とはいえヒトリシズカ、ヤマシャクヤク、イチリンソウなど花も何かと多く大いに盛り上がる。
とはいえ余呉頂上は雪が融けたばかりで藪が行く手をはばみ、大パノラマも三角点山頂までおあずけとなってしまい、整備が間に合わなかったことがくやまれた。
2パーティは5分たらずの差で山頂で出会い、東尾根と三高尾根に下山路を変えて下るも網谷登山口でまたしても同様に到着するという、健脚向けのコースにしてツアー進行の素晴らしさに驚く。
もちろん先陣をきったのはいずれも西尾根パーティであったが。




ウッディパル余呉では森林交流センターでの入浴とくるみ谷の名水コーヒーと余呉の胡桃を使ったケーキを味わってもらう。名物のよもぎ餅も好評であった。
余呉トレイル番外編として昨年秋にも来てもらっていて、横山岳の人気が知れるが、トレイルも先月に余呉湖から行市山まで歩いてもらっていて、こちらも手ごたえは十分という。
季節の余呉の食材を使ったトレイル弁当も好評であり、案内する側としては多くの出会いが今後増えそうで楽しみとなってきた。
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椿井嶺から庄野嶺へ

2010-05-14 09:22:29 | トレイル日記

整備は続く。
今日は椿坂峠から大黒山を望みながら別荘地を抜け、中央分水嶺へ出て北上する。
峠をめぐる山を含めた古称が椿井嶺であるが、その中心は大黒山。
点標津谷のピークがあるものの目立った存在ではなく、ひたすら茫洋とした樹林の尾根を進む。
これがまた余呉トレイルの魅力であって、他ではなかなか体験できないような静かな樹林の山歩きを楽しむことができる。
途中には大きな木の下に素晴らしい休憩場所があって、敦賀湾と西方さざえの山並み、手前に池河内湿原を望むことができる。
倒木に腰掛けて眺めていると遠くへ来たようで旅情を誘う。

樹林の分水嶺ではミツバツツジが満開で目を楽しませてくれる。
アップダウンを繰り返し点標津谷へ到着し昼食とするが、5月としては異例の寒さで早々に出発し、北へ向かう。
ここから庄野嶺までは整備不十分区間であり、しっかり仕事をしながら進む。
今日のコースは幾度も分水嶺が敦賀側へ膨らみ、北へ向かう時は左側へ急角度で曲がることになり、赤テープが若葉に隠れて見えにくく地図をよく見て進む必要がある。
そして整備の疲れが出る頃に庄野嶺の中河内と池河内をつなぐ峠道へ飛び出す。
なんだか別世界から現実に引き戻されたようなメルヘンな気分であり、なんとも心地よい。

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ここぞ淀川水源の森

2010-05-10 11:36:00 | トレイル日記

行市山から三国岳への余呉の中央分水嶺のなかでもっともブナ林が見事なのがこの下谷山であり、高さこそ奥山の上谷山や三国岳に譲るものの抜きん出た存在。ここから奥は熟練登山者の領域であり、分水嶺の頂きへの日帰りでの往復登山が可能な東端のピークといえるだろう。音波山と下谷山の中間点の木立越しに北の山並みが望める地点で昼食。

とはいえ先は長く名水コーヒーを入れる時間もないのは残念。
山頂手前の原生林まで順調に進むことができ、余裕で山頂へ。
お立ち台にふさわしい変形したブナの木の下で憩う。
木立ごしに上谷山、横山岳、安蔵山、妙理山、大黒山という余呉の山が望め、お立ち台に登れば大パノラマが楽しめるという贅沢さ。

往路を戻るが、整備したてとは思えない歩きやすさに感動。
さりげなく藪を刈って作る道づくりに一同納得で、腕前が随分上がったものだ。
この頂きから南尾根を経て半明への南尾根ルートの整備は5/22に予定していて、半明から南尾根先端の点標大音波までは刈り払いがすでにできていて、第一期トレイルの全通は近い。
いっしょにできたてのトレイルを歩いてみませんか。
モニターツアーとして行っていますので、元気な方であればどなたでも参加できます。

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左千方・鳥首峠へ

2010-05-06 09:40:08 | トレイル日記

奥川並から点標谷山を経て古道を歩けるようにしてきたが、昨日とうとう左千方・鳥首峠まで登ることができた。
5月連休にしては猛烈な暑さで、ササと低木の猛烈な藪を掻き分けて山頂へ立つのがやっとで、とてもトレイル整備まで手がまわらなかったが、テープを附けることができた。
三国岳と高低差のない南峰で三角点があり、展望がすぐれていることから余呉ピークにふさわしい。
鳥首峠へのルートに見通しが立ったことで余呉の中央分水嶺の全容がはっきりと見えてきた。
余呉の淀川水源の全貌と夜叉ヶ池周辺の山々の山岳景観は迫力があり、貴重な自然の確かな力を感じながら至福の時を過ごすが、時間はすでに午後2時半をまわっている。
暑さと重労働で皆バテバテだが、励ましあいながら往路を戻り日暮れ前に奥川並へ。
写真は谷山の全容、山頂、左千方の全容、山頂から三国岳、そして今回のトレイルクラブの面々だが、二人は近くの木陰でお休み中。
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