網谷から黄金清水(こがねしょうず)の谷へ入る。
炭焼き窯跡がいくつもあって谷ぞいによく歩かれた道があったことがわかるが、車の普及で通る人もいなくなって道普請もしなくなり、大雨ごとに増水し道は流されてしまったのだろう。
中央分水嶺トレイルのアプローチルートとして整備が進み、古道は復活だ。
峠の手前には池があって道開きで畔がすっきり、黄金清水の池にふさわしいたたずまい。
塩買い道の峠から栃ノ木峠までの分水嶺トレイルは荒刈りは昨秋にほぼ終わっている。
とはいえちょうど中間点付近は北から南から整備を進めたのだが、いずれもそのあたりで日没となり藪が残っている。
今回は少人数の為にテープ付けと倒木をかたづけるのがやっとであり、慣れない人には道を追うのはまだつらいかも。
ともあれ確実にけもの道トレイルらしくなってきた。
さらにその中間点あたりにササや枝をはらって敦賀の展望がすばらしい憩いの広場が誕生した。
椿井嶺と庄野嶺の間のものも敦賀を望み、この街には砂漠のなかのオアシスのごとくでだれもが好印象を持つだろう。
森の小道をひたすら歩く区間であり、こうした憩い場は不可欠となる。
余呉高原スキー場の上へ出て、音波山から下谷山の雄大なブナ林の山並みを眺めながら下る。
珍しく予告した通りの時間に国道へ出ることができたが、スムーズに歩けるようになり所要時間もだんだんと読めるようになってきた。
さらに中河内の山の整備は続く。
下谷山南尾根は、中河内・半明の人達がかつて炭焼きに入った大音波谷の左岸にあたる。
琵琶湖集水域では抜きん出たスケールを誇るブナ林が続くが、山に生きた人たちの歴史が残る自然境である。
生態系を壊すことなく山の暮らしが営まれ、そして今に伝えられる森の存在は素晴らしいことであり、トレイルクラブとしても地域の人たちとともに次の世代に伝えられるように力を尽くしたいものだ。
22日は点標大音波から先の840峰まで、かつての山仕事の道を歩けるように整備した。
貴重な自然や歴史を伝えるという作業は歩いて知るということから始まることであり、トレイルと同じように果てしなく続く道を一歩一歩進むしかないが、多くの賛同をいただきやりがいがある。
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