ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

休日当番

2011年01月02日 | 医療
暮れの31日に産まれた赤ちゃんが、どうも具合が悪い。
いや、元気はいいのだけれど、ちょっと微熱がある。
という報告が、昨夜来ました。
赤ちゃんは単に温めすぎても体温が上昇するのだけれど、
どうもそれだけじゃないみたい。
うちの看護師・助産師の観察眼はなかなか鋭いのです。
お母さんからの、なんか気になるんです、という申し出も無視できません。
結局、夜中から朝方にかけて、検査したり点滴したりで、
久しぶりのお正月の休日当番は、ほぼ完徹状態で臨みました。

おいでになった患者さんは約200人ぐらいだったでしょうか。
約3分の1は下痢・嘔吐。
次の3分の1は発熱(インフルエンザも数名)
残る3分の1は、おたふくかぜと水痘(水ぼうそう)でした。

わたしの外来は、設計の都合で、感染症の方にお待ちいただくスペースが狭いのです。
(これは大失敗だったのですが、今となっては仕方ありません)
なので、今日のような時は、保護者の方の携帯番号をお聞きして、
順番が来るまで、車の中などで待機していただくことにしていました。

ひとり、こんな親御さんがいました。
お子さんは水痘でしたが、丁度感染症の方のスペースには他の患者さんがいました。
受付では携帯アドレスを教えていただき、他の方々にご説明するのと同じように、
申し訳ありませんが車の中でお待ち下さい、順番が近づいたらお知らせします、
と説明したそうです。
そのお子さんの順番になったので携帯に電話したところ、出たのはお父さん。
順番なのでおいで下さいとお伝えしたところ、かなり立腹している様子。
受付でも訳がわからず詳しく訊いたところ、

 車でお待ち下さいと言われて駐車場に戻ったところ、駐車場が一杯だった。
 止めておける場所がないので、奥さんと子どもをクリニックの玄関先に降ろして、
 自分は車で出かけてきた。(何か用事があったのでしょうか?)
 この寒い時に、水ぼうそうで熱が出ている子どもを外に待たせて置くとは何事だ!

というのが、お父さんの怒りの原因だったようでした。
しかし、こちらでは、そこまでの様子というか事情は把握不可能です。
もし駐車場が一杯だったなら、車を止めておけないのだがどうすればいいか、
とひと言、問い合わせて下さればよかったのです。
実は駐車場はほかにも2カ所あり、止めることは可能でした。
でなければ、車を走らせて時間つぶしをしていてもよかったのに。>
こういう時のために、携帯でも待ち時間をチェックできるシステムにしてあるのに。

受付ではほかの患者さんの応対もあり、らちがあかないので、
事務長と院長が戻って来たお父さんに応対しましたが、
そこでも罵詈雑言だったようでした。
あまりのことに、近くを通りかかった男性の方までがお父さんに苦言を呈したそうですが、
今度はその男性と口論になる始末だったそうな。>

さて、そのお子さんの診察の順番になって・・・。
診察室に入ってきたのは、お子さんとお母さんだけ。
わたしからもお母さんに謝罪しましたが、
お母さんはばつが悪そうでした。
「言うだけ言うと怒りはおさまるんです。」とご主人のことをおっしゃってました。

確かに、休日当番、しかも正月の2日です。
小児科外来はものすごく混雑します。その上、殆どが初対面の患者さんです。
いつものかかりつけの方々の時よりも、ある意味、時間がかかります。
これはもう、お互いさまとして我慢していただくほかはないんです。
不満はいっぱいあるでしょう。でも仕方ないんです。

そのお子さんは、2日も前から水疱が出来ていて、
おいでになった時は全身に水疱が拡がっていて、40℃もの高熱でした。
水痘は、水疱が出始めた最初の頃に受診して治療を開始した方が、軽くて済むんです。
今回は年末年始だったから、受診のタイミングが遅れたのは仕方ないとして、
「この寒空に」と文句をわたしたちに言うのなら、
「この寒空に」玄関先に奥さんと子どもを降ろして行ってしまえるお父さんの感覚、
わたしは、そちらの方が心配になってしまいました。

そうそう、夜中に点滴した赤ちゃんは、今のところ元気です。
熱も下がりました。よかった
患者さんが元気になるなら、
徹夜しようが、クレーマーに遭おうが、なんちゅうことはない、です。


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