仙台フィルのニューイヤーコンサート・福島公演を聴きに行った。
このコンサートの福島公演は毎年1月の第1か第2日曜に開催される。
団員にご近所の方がいらっしゃるので、毎年お知らせをいただくのだが、
ここ数年、ほかの用事と重なって聴きに行けず残念だった。
今年は幸いにも何の用事がなく、楽しみに出かけた。
(夫は残念ながらお産が重なったのでわたしひとりで・・・)
開演前の福島市音楽堂大ホール。
(ホントは撮影しちゃいけなかったかな。開演前だからかんべんしてください。)
開演前のこの時間が、わたしは結構好き。
といっても大抵の場合は、
行けることがある演奏会でも開演ギリギリか間に合わず一曲目をロビーで聴いてから、
ということが多いので、今回はとてもラッキーだった。
開始のブザーが鳴り、団員の方々が次々とステージにはいり、自席に着く。
オーボエの A (ラ) の音が響き、各楽器がその音程に合わせてA を一斉に奏でる。
指揮者が拍手とともにステージに現れ、いよいよ演奏開始。
この一連の時間が一番わくわくする。
仙台フィルのニューイヤーコンサートは、指揮者の方が曲紹介などの司会をする。
通常のクラシックコンサートと違って、これがなかなか面白くて次も聴きたくなる。
プログラムも1部・2部のどちらかに シュトラウスの曲を入れ、
ほかの曲も耳になじみのあるものがほとんどという構成だ。
今年は1部がシュトラウス、2部はチャイコフスキーの交響曲5番(いわゆるチャイ5)。
チャイ5はあまりに有名で大好きな曲のひとつなのだけれど、
実は生で聴くのはこれが初めてだった。
やっぱり生演奏はいいなぁ。
プログラム1部の「鍛冶屋のポルカ」を演奏前に、指揮者の方からあるエピソードの紹介があった。
「鍛冶屋のポルカ」は、1863年のヨーゼフ・シュトラウスの曲で(江戸時代末期ですなぁ)、
ある金庫メーカーが耐火金庫2万個の製造を記念し、
舞踏会と花火大会開を催するために作曲を依頼されたものだそう。
ヨーゼフは金庫を製造した鍛冶職人を称える目的で、
作曲したポルカに鍛冶に使う金床を打楽器として用いたのだそうだ。
「鍛冶屋のポルカ」(ウィーンフィルのニューイヤーコンサート)
https://www.youtube.com/watch?v=_lz36BZkTBM
今回の「鍛冶屋のポルカ」では、その「金床」の代わりに、
東日本大震災で被災した三陸鉄道のレールを用いたのだそう。
詳細は以下で。
2011年8月、東日本大震災で甚大な被害受けた岩手県三陸鉄道は、
早期復旧に向けた資金集めのために被災したレールを一般発売をはじめました。
それを報道で知った、仙台フィル元副指揮者:松元宏康氏は、
オーケストラで度々演奏されるシュトラウスII世の楽曲「鍛冶屋のポルカ」で
そのレールを楽器としてコンサートなどで活用することを三陸鉄道に提案しました。
それに応えて三陸鉄道は、音程にあわせたレールを特別仕様で製作し、松元氏に譲渡しました。
松元氏は度々指揮をするコンサートでこの曲を演奏する機会がありましたが、
昨年夏に「東北で活躍する仙台フィルにぜひ活用してもらいたい」と、
仙台フィルにこのレールを貸与することを決め、バトンが仙台フィルに引き継がれました。
(仙台フィルFBより)
https://bskplanning.jp/miyagi.archives/archives/8484
https://twstat.org/kojiro_yasushi/
「あの日」からの、色々な、様々なことがらが次々と思い出され、
明るく軽快なポルカを聴きながら目頭が熱くなってしまった。