中村紘子デビュー50周年リサイタルを聴いてきました。
スカルラッティ、ベートーヴェン、シューマン、フォーレ、ラフマニノフ、ショパン、等々、
古典派からロマン派までの聴き応えのあるプログラムでした。
プログラムは、デビュー当時のままの曲で構成されたのだそうです。
彼女の演奏については、音楽評論家の方々からはこれまでも賛否両論あるらしい。
でもね、わたしは素直に感動しましたよ。
ユンディ・リやブーニンやダン・タイソンやツィメルマンや辻井伸行氏とも違う、 彼女独特のオーラを感じました。
16歳でデビューして、日本が高度経済成長にある中で、
16歳でデビューして、日本が高度経済成長にある中で、
日本のクラシック音楽界に大きな影響を及ぼした一人であることは、間違いないと思います。
サービス精神が旺盛というのでしょうか、
アンコールに5曲も演奏なさったのにもびっくりです。
アンコールの確か3曲目、ラフマニノフの前奏曲を演奏されました。
演奏前に、「うふふ・・♪」と笑みを浮かべ、
「これは、浅田真央さんが演技なさった『鐘』なんですけどね、
原曲とあまりにイメージが違ってて、アタクシはびっくりしたんですよ♪」
とおっしゃって、弾き始めました。
う~ん、たしかに違うイメージ。 わたしはこっちの原曲のほうが好きかな~。
前列の方の観客からは、よく聞き取れなかったのだけれど、
何かのピアノコンチェルトの一部分をリクエスト!
なんて声がかかったりして、
まぁ、なんてことを・・ ・
と聞いている他の聴衆も感じたかも知れないのですが、
それに対しても、にっこり笑って
「じゃあ、あなたが指揮して下さる?」とおっしゃり、
リクエストしたお客さんはさすがにいえいえいと手をふり、
紘子さんはまたにっこり笑って、さりげに他の曲を演奏なさいました。
彼女の手はピアニストとして実は小さい方なのだとか。
でも、迫力のある演奏でした。
子どもの頃にも彼女の「展覧会の絵」の演奏を聴いたことがあります。
その時も、あんな難しい楽譜を、女の人がこんな迫力で弾くなんてすごいなぁ、
とひたすら感動した覚えがあります。
ナマの中村紘子さん、相変わらず魅力的でした。