ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

記憶のかけら

2016年03月11日 | 東日本大震災





5年前の今日はどんな朝だったか、よく覚えていない

グラグラッときたあの瞬間を境に
「あの日」の前、「あの日」のあと、
そう記憶をたどるクセがついてしまった

5年がたった
悲しみも 悔しさも 喜びも あった

空を見上げて深呼吸してみる
今年はいつもより早く庭の梅が咲いた
人の心がどんなふうでも
季節は変わらずめぐり
朝はかならずやってくる

今日もいちにち、感謝して過ごそう





たいせつなともだち

2016年03月03日 | 子どもたち
先日、月1回の赤ちゃんクラスの健診のためにある保育園に行った。
健診が終わって帰る時に、ホールでは年長さんたちが並んで歌を歌っていた。
卒園式の練習らしい。
観客は、先生方と年中・年少のこどもたち。
わたしも一緒に聴かせていただいた。

卒園ソングのようだけど、わたしは初めて聴く曲。
なかなかむずかしそうなメロディーなのに、みんな上手だなぁ。

 だいすきなほいくえんとも もうおわかれ
 ほいくえんのこと わすれないよ
 うんどうかいの かけっこでころんだ
 みんなが おうえんしてくれた
 ともだちと けんかして なかなおりした
 せんせい ありがとう
 おとうさん おかあさん ありがとう
 すてきな一年生に なるよ
  ・・・・・・・

といった内容の歌詞だった。

子ども達はからだでリズムをとりながら、一生懸命歌っている。

 あの子も。

 あの子も。

 あの子も。

みんな、赤ちゃんクラスの時から毎月健診させていただいたお子さんたちだ。
わたしの外来に来てくれているお子さんたちもいる。

5年前のあの日。
この子たちはまだ1歳だった。
あんな事故さえなければ、
葉っぱや泥んこや水に触れ、風の音や雨の音、などを全身で感じ取りながら、
これから、からだも心も作られていく年齢だった。

窓を開けることもできず、園庭にも出られない日々があった。
ここでこの子たちをしっかり育てていくために、
親御さんたちも先生たちも、みんな一生懸命だった。

食べ物のこと。
外遊びのこと。
心やからだの発達のこと。
これからのからだへの影響のこと。

いろいろな情報に押しつぶされそうになりながら、
毎日毎日を精一杯暮らしてきたお父さん・お母さん・先生たちの姿を、
この5年間、ずっと見てきた。

あんなこと・こんなこと・がぐるぐると走馬燈のように浮かんで、
子どもたちの歌を聴きながら目頭が熱くなった。

みんな、人生これから、まだまだ楽しいことがたくさん待ってるよ。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 歌の動画か音声を載せようと試みたけどうまくいきませんでした。
 どんな歌かご興味のある方は
 「たいせつなともだち」で検索してみてください。
 もともとはベネッセのオリジナルCM?の歌だったそうです。