漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第4章 その25

2006年11月22日 22時27分48秒 | 漫画家志望
 ( この写真は、Jプロの先輩アシスタントであるマツさんが結婚した当時まで住んでいた東京
  豊島区の要町界隈である。25年前には商店さえほとんど無かったさびしい通りでしたが・・・・
  ・・・。《 2006年11月、撮影 》 )
 
 
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】 
 
 
 
              その25
 
 
漫画家志望といっても、毎日毎日、背景しか描けない悲哀と焦燥が、素
直に自分の漫画制作の原動力につながれば問題はないのですが・・・・ 

歪んだストレスとして人間関係に影響すると、その結果はマイナス効果
しかもたらしません・・・・・・。
 
私の場合、ハングリー精神が漫画ではなく、自分と同じ様な状態にある
周りの人( 同僚や友人 )に向かってしまいました・・・・・。 「 同
情や理解 」ではなく、「 苛立ちや詰問 」となって・・・・・・・
 
アシスタント同士がライバル関係にあると考える事は、間違っていない
と思うのですが・・・ しかし、「 おまえ、今月全然描いてないのか
よ! 」とか、「 まだ次の作品を考えてないのかよ! 」などと、創作活
動についてお互いに責め合う様になると、これはもう、まったく陰険こ
の上ないわけです・・・・・・・・。
 
ところが、暗い私にとってこの「 陰険さ 」が嫌いではありませんでした。
一つの「 刺激 」としてとらえていたからかもしれませんが・・・・。 
たとえ、お互いにキズつけ合う結果になっても、それが新たな創作への
肥やしになると漠然と信じていたのです・・・・・・・・。
 
 
1983年( 昭和58年 )1月、Jプロの先輩アシスタント、マツさん( 仮名
:松村 祐樹、広島出身、29歳 )が前年につき合っていた女性と結婚しま
した。半年後に長男が生まれます・・・・。
 
この当時の事を振り返ってマツさんは・・・・・
 
「 あの頃が、女に一番モテたなァ・・・・。ピークじゃったのォ・・・・。 」
 
確かにマツさんは飲み屋のお姉ちゃんによくモテました。そして、少しつ
き合うと逃げられていました。
 
マツさんの顔つきは「 仁義なき戦い、広島編 」といった感じ。髪はショ
ートカットで、ヒゲをはやしていました。声は森進一によく似たハスキ
ーボイス・・・・・。
 
「 わしゃ~、今でもモテるでェ・・・。最近の若い奴らにゃ~、わしの
 様なタイプはおらんけェ~のォ~ 」
 
若い頃とは違い今では、しおれたナスの様なマツさんですが・・・漫画
ではなく女の話で盛り上がる姿だけは、20年前と変わりません。
 
夫となり、父となるマツさんが、7年間( 21歳でJプロに入ってから )の
沈黙を破り、突然創作欲を爆発させるお話は次回に・・・・・・
   
   
   
          「 漫画家アシスタント 第4章 その26 」 へつづく・・・
 


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コメント (3)
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