漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第4章 その23

2006年11月09日 02時20分07秒 | 漫画
 ( この写真は、東京の西武池袋線の江古田駅である。私が25年ほど前に住んでいた瓜田さん
  の下宿は駅から徒歩10分ほどの所にありました。《 2006年10月、撮影 》 )
 
 
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 

               その23
 
 
漫画制作をたった一回「 ボツ 」になったからと言って止めてしまう人は
少ないかもしれません。 しかし、三回、四回と「 ボツ 」が続けば、た
いていの人は漫画家志望をあきらめてしまう様です・・・が・・・・・・
 
私もリョウさん( 仮名:内海遼一、岡山出身、27歳 )も、J先生に一回酷
評された位の事では、まだまだ諦めきれずに新たな創作活動に入ってい
きます・・・・
 
リョウさんは、幕末と「 坂本龍馬 」の資料に埋もれて、こだわりの「 坂
本龍馬 」伝、200ページの長編へ、そしてさらに「 坂本龍馬 」の少年期を
描いた短編へ。
 
私はそれまでと同じ様に映画館通い、読書三昧、クロッキーの練習など、
基礎固めをしながら、新作の構想をねりはじめたのです。
 
しかし、二人にとってのこの時代は・・・ボツ、ボツ、またボツのボツ人
生のほんの序章に過ぎませんでした・・・・・・。
 
 
ところで・・・・・
リョウさんは、7年後( 1988年、昭和63年 )にJ先生の下を離れますが、
今年( 2006年 )の秋、K談社に52歳という体にムチ打つように自爆テロ
・・・・・ではなく、「 持ち込み 」に出撃!もちろんテーマは「 坂本龍
馬 」!
 
そして、その結果は・・・・・・残念ながら・・・・・・・・・
 
「 持ち込み 」をした経験のない方は、これを笑い話ととらえるかもしれま
せんが、私たちの様に何度もボツの体験がある者にとっては、こらはもう
鬼気迫る「 悲愴 」なのです・・・・・。
 
パワーがいまいちなリョウさんの「 坂本龍馬 」と私の陰気な「 MASK BO
Y 」。この2本の作品が、この時代( 81年 )の中でどの様な位置にあるの
かを明らかにする事は、「 ウケない作品 」が消えていく事の( 当たり前
の )メカニズムを明らかにする一つの参考になるかもしれません・・・・。
 
1981年頃に流行った漫画といえば・・・・ 「 翔んだカップル 」「 Dr
スランプ 」。音楽では近藤真彦、田原俊彦、松田聖子にテクノポップ。映
画では「 影武者 」「 ブルースブラザーズ 」。そして巷では「 ノーパン喫
茶 」「 ジャズダンス」「 漫才ブーム 」。 欧米の景気停滞の中で日本だ
けがバブルに走り始めたまさに「 ギンギラギン 」の時代・・・・。
 
その時代とまったくズレいてる二人の作品・・・・・。
 
しかし、今だからこそ、その「 ズレ 」がよく見えるのであって、当時は二
人ともただ昨日の延長の今日を生き、今日の延長の明日を目指していただけ
だったのです・・・・・。
 
今でも、たいして変わってはいない様ですが・・・・・・・・・
   
   
   
          「 漫画家アシスタント 第4章 その24 」 へつづく・・・
 


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コメント (6)
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