漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 諦めま章 その36

2013年07月08日 13時40分01秒 | 漫画家志望

 ( この写真は、最近の仕事場を撮影したものです。 私の使っているデスクのすぐ横の風景です。 中央
  の人形は、J先生の有名な漫画作品のキャラクターグッズです。 携帯写真で撮影しました・・・・・
  《 2013年、7月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】


 

                   その36


    《 漫画家アシスタントが・・・キャラクターに同情する・・・!? 》


今回のブログのアップがすっかり遅くなってしまったのは・・・・・・最近のネタ不足が原因で
して・・・・・・・・・・・( ホントに申し訳ありませんです! )

通常、ブログというものは・・・・・皆さん、日記の様に日々起きた出来事を書きつづっている
様ですが・・・・・・( または、社会記事の感想など )

私は、どうも・・・・・・今日、何を食べたとか、どんな映画を見たとか、誰に会ったとか、そ
うした日常を日記風に書く事が出来ないというか・・・・・・・・・・書く気が起きないという
か・・・・・・・・

何故なら・・・・・・

私自身は、人の書いたブログのそうした「 日記的 」な文章を読むのが苦手ですし、大抵は斜め
読みするか、スルーしてしまう事が多いからです。

ちなみに・・・・・・

私はいつも、ブログに何を書くのかで追い詰められている様な気分で過ごしているのですが・・
・・・・・・・・・

過去の印象深い思い出も尽きてしまい・・・・・・・せめて月に一回あるかないかの面白い出来
事でも書きたいものと思っていたのですが・・・・・・・・・

その「 面白い出来事 」自体が年に何回も起きはしないし、また、仮に起こっても人様のプライ
バシーの問題やら何やら面倒が多くアップ出来ない事が多いのです。

例えば・・・・・・

学校( ※参照 )での出来事など・・・・・・ユニークな学生の話や、他の先生方の話など、書きた
くても書けない・・・・・・・・・・・もし、ブログに書こうものならただで済む訳もなく・・
・・・・・・・・

せいぜい、アシスタントの仕事( ※参照 )の話などをクビになるのを覚悟でチョコチョコと書くの
がやっと・・・・・・といった有様です。

いかに私の生活がマンネリ化した退屈な日常であるかをお察しいただけたらありがたいのですが
・・・・・・・・

・・・・・この様な言い訳で・・・・・・いつまで誤魔化せるものでもありませんので・・・・
・・・そろそろ本題に・・・・・・
 
 
今回も・・・・・・・・・極々最近の話題を・・・・・・・・・
 
でも、これ書いたら・・・・・・・・・・・・来週はどうなるんだろう( ネタが何にもない!
)・・・・・・・財布が空ッポになった時の気分に似ている・・・・・・でも書くしかない・・
・・・・・・・
 
 
ここ数年のアシスタントの仕事といえば、○学館の「 ○ッグコミック・○リジナル 」という雑誌
に連載する「 H雲 」しかありません。

それを、私ともう一人の先輩アシスタントの二人で仕上げているわけです。

先日、仕上げた「 H雲 」には、二人の中年男( 江戸の町人 )が登場しました。

その一見、風采の上がらない( バカそうな )男がなんだか私と先輩の事の様に思われたのです
が・・・・・・・

J先生( ※参照 )の漫画の背景を描いていると、時々、この登場人物は実在の誰々さんではないか・
・・・・・・とか、私の事を描いているのではないか・・・・・・・とか、考えてしまうのです
が・・・・・・・・・・

ほとんど、単なる「 憶測 」に過ぎず、作者の意図とはまったく違うものなのですが。

その日も、登場人物である二人のパッとしな男が、私と先輩アシスタントのイメージと重なった
りしました・・・・・・

漫画の中で、この二人( アゴのデカイ男と出っ歯の男 )が酒を飲みながら話し合っています・・
・・・・・・・
 
 アゴ 「 おめェカカアとやってのか? 」
 
 出っ歯「 月に2、3回な 」
 
 アゴ 「 月に2、3回もかよ 」
 
 出っ歯「 酒を飲むか、カカアとやるか、他にやることなかんべ 」
 
私がこの原稿の背景を描くわけですが・・・・・・・
 
この二人がいったいどんな場所で酒を飲んでいるのか分からないのです・・・・・・
 
 『 たぶん・・・どちらかの男の自宅だと思うけど・・・どんな家だろう・・・・・ 』

私は、原稿を持ってJ先生の個室へ向かいます・・・・・・・・・

例の如く窓に向かってデスクを置く先生に、背後から緊張しつつ声をかけます・・・・・・・・

それにしても、私は、いつも( 35年間! )先生に声をかける時に、まるで虎の尾を踏む様な緊
張を強いられるのです。
 
・・・・・・ただの一度だって気軽に声をかけた事がありません!
 
 「 ・・・・センセ・・・・・・ 」
 
虎の尾をなでる様にしながら・・・・・・

 「 ・・・・二人がいる・・・・・この部屋は・・・・・・長屋で良いのでしょうか? 」

虎は、ムックリと私にその浅黒い横顔を見せながら・・・・・・

 「 ・・・・・・う・・・・・・長屋だな 」

静かに・・・・・・聞き取りにく低音が聞こえる・・・・・・とりあえず噛み殺されなかった事
を喜びつつ・・・・・・・・・

 「 キレイな長屋ですか、それともボロ長屋ですか? 」

 「 ・・・・・・ン? 」

虎は、臭いゲップでも吐き出すように・・・・・・

 「 こりゃ・・・・・・ボロ 」

 「 はい 」

 「 こいつらなんかボロ長屋だよ! 」

「 ボロ長屋 」を予想はしていたのですが・・・・・・・・・「 こいつらなんか 」という言い方
に・・・・・・・・・・

私は何故か・・・・・・・・この二人の登場人物が他人には思えない様な・・・・・・・・・・
なんだか二人がとても気の毒な様な・・・・・・・・・・・複雑な心境になったものです・・・
・・・・・・・・・

天才的な作家にとっては、沢山の作品を量産することや、人気を取る事がそれほど難しい事だと
は思っていない様子です。( ホームラン王がホームランを打つのや、首位打者がヒットを打つの
と同じ様なものかも知れません )

面白い作品を作れるのが当たり前だと思っている。 そのため、作れない人間( 私は、極々普
通の人々だと思うが )は「 牛 」「 バカ 」「 根性なし 」「 腐れ外道 」「こいつら」などと侮
蔑されるわけです。
 
さて・・・・・・・・
 
今回の結論は・・・・・・・・・・
 
天才とは・・・・・・・・・・・・人権侵害である!
 
 
 
 
        「 漫画家アシスタント 諦めま章 風邪休養 」( 7月10日以降公開 ) へつづく・・・・


             ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント諦めま章 その35」へ戻る 】

 
 
 
  【 ※参照 】
  ・学校・・・・・・・・・私が非常勤講師として漫画背景を教えている東京某所、繁華街に
   ある美術系大学。一見すると10階ほどの商業ビルにしか見えませんが、内部は、全階、教
   室や演習室、事務室などになっています。教授として漫画家松本零士先生が教えています。
  ・仕事・・・・・・・・1978年から続けているJプロでのアシスタント業。仕事場は東京目白
   にあり、スタッフは私を含めて現在2人。連載漫画は1誌のみ。
  ・J先生・・・・・・・・有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊連載
   6誌という逸話もある。現在は1誌に連載中。13年現在、70歳。
 
 
 
 
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