漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第8章 その44

2011年06月06日 01時47分20秒 | アシスタント

 ( この写真は、東京新宿区目白にある西武池袋線の踏切です。 近くに私が若いころにクロッキーの
  勉強に通ったS美術学院があります。 正面、奥に見えるのが池袋のメトロポリタンホテル。《 2011年
  5月、撮影 》 )
  
  
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                  その44  
  
    《 漫画家アシスタントが・・・ヨダレをこらえる・・・!? 》
 
 
私が下した「 決断 」とは、借金( ※参照 )を整理する事でした。

しかし、その話の前に、同じ頃に起こったもう一つの重要な出来事について書いておきた
いと思います・・・・・・・

それは、一通のメールから始まりました・・・・・
 

「 『 漫画家アシスタント物語 』を出版しませんか 」

そんな事が簡潔に記されたメールをもらったのは、2006年の12月のはじめでした。

見知らぬ出版社からこの短いメールをもらった時は、「 出版詐欺 」か何かかと疑ったも
のでした。

 『 どうせ、本にしてやるから印刷代を出せ・・・・って事だろうな・・・・ 』

結局、高い自費出版と同じ事じゃないか・・・・と、期待感や嬉しさよりも不安を感じた
ものでした。

しかし、何度かメールをもらううちに「 詐欺 」や「 自費出版 」ではなさそうだと分かる
と夢でも見ている様な気分になったものです。

 『 オレにこんな運のイイ話が舞い込んでくるものなのか・・・・ 』

ホントになかなか信じられない様な・・・・何だか頼りない様な・・・・そんな気分でし
た。

それでもお店( ※参照 )の経営の悪化やスタッフ同士のトラブル( ※参照 )、そして借金地獄
の暗い日々の中で、突然スポットライトに照らされた様な気分でした。

この出版社( S出版 )に私のブログを推薦してくれたのがO氏ですので、彼のお陰でこのブ
ログが書籍化されたと言えるでしょう。

しかし、そのO氏( ※参照 )がこのブログを知る契機になったのが漫画編集家竹熊健太郎氏
( ※参照 )のブログ「 たけくまメモ 」の記事だったのです。( 読者の中にはここから飛んで
来られた方も多いかと思います )

その記事のタイトルが「 全マンガ家志望者必見。 」というすごいタイトルの記事で拙ブロ
グが紹介されていたのです。( もたいない話です、いやホントに )

それまでは、ブログのアクセス数が一日で300~500ほどだったのが・・・・「 たけくまメ
モ 」で紹介されるや一挙に18800!

そして「 漫画家アシスタント物語 第1章 」( URLは別 )は一日に73100! これは、gooブ
ログ全58万サイト中の第4位に駈け上りました。( 2ヶ月後には1日1000アクセスほどに定着
して現在に至る )

この頃にO氏が「 たけくまメモ 」を読んで、そこでこの無名の「 アシスタント物語 」を知
ることになるわけです。

この事がなかったら、お店の経営難と借金で完全に自信を失ってどうなっていたか分かりま
せん・・・・・・。


2006年12月23日、東京池袋東口にある喫茶店「 耕路 」でS出版の編集局長、担当編集員、
そしてO氏と初めて面談・・・・・

 「 Yさんがお金を払う必要は一切ありません、こちらで印税を払わせていただく
  んです! 」

ハッキリと直接言われた事で、ジワ~リ、ジワ~リと歓喜が沸き上がる・・・・・・・・・
・・・のを必死で抑制する。

こんなところでニタニタとヨダレを垂らすわけにはいかない・・・・・。

イ・ン・ゼ・ェ~・・・・・

印税である・・・・・・印税が入るのである! 

何も仕事をしていないのに、勝手に印税の方が降って来るのである! 

これは・・・・・「 棚からボタ餅 」どころではない、「 棚から札束 」である!


 「 ですが・・・・ちょっと足らないんです・・・いや、かなり足らないんです・・・ 」

編集局長と担当編集員氏が困った表情を浮かべている・・・・・・・

 「 ブログの今の文章量では、単行本に出来ないんです・・・もっと量が必要なんです 」

私は「 足らない 」と言われて、恐る恐る質問しました・・・・

 「 どのくらい足らないんで・・・・・・? 」

編集局長と担当編集員氏が顔を見合せながら・・・・・・・・

 「 半分くらい・・・・ 」

私は、一瞬、2004年11月からこれまでの3年間、書き続けたブログの文章が大学ノートの束
の様になってズッシリとのしかかって来る・・・・そんなイメージに吐き気を感じながら・
・・・・・

 「 つまり・・・・まだ・・・・・・半分足らないと・・・・・・・・? 」

 
 
           「 漫画家アシスタント 第8章 その45」 へつづく・・・・ 


               ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第8章 その43」へ戻る 】





 【 ※参照 】
 ・借金・・・・・20年以上のサラ金人生のツケ・・・・サラ金、信販系、銀行系など大ざっぱ
  に500万円。
 ・お店・・・・・・池袋北口に開いたタイ式マッサージ店(04~09年)。2000年頃からのエス
  ニックブームで、新宿、新橋、池袋などを中心にポツリポツリと開店し始めた施術院。
  (風俗店ではありませんが、盛り場辺りには、怪しげなお店も・・・)
 ・トラブル・・・・・・お店で仕事をするのは、3~5人のタイ人マッサージ師。皆、真面目
  によく働くのですが、ライバル意識が強くケンカや噂話が多くて、いつも緊張感が絶
  えない。
 ・O氏・・・・・・漫画や映画の評論やインタビュー取材から本のプロデュースなど幅広く
  活躍するライター。
 ・竹熊健太郎氏・・・1960年生まれ、東京世田谷出身。編集家。著書「マンガ原稿料は
  なぜ安いのか?」「ゴルゴ13はいつ終わるのか?」など多数。現在、京都精華大学
  プロデュース学科教授、多摩美術大学非常勤講師などを務める。
 
 
 
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コメント (14)
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