漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第4章 その35

2007年02月01日 23時07分01秒 | 漫画
( この写真は、東京豊島区椎名町の飲み屋街である。このあたりの赤提灯やスナックでガンさん
 やJプロスタッフがよくハシゴ酒をしていたのです。《 2007年1月、撮影 》 )
 
 
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
                その35
 
 
漫画雑誌の人気投票は、テレビの視聴率とよく似ている。 人気作品の延
長と不人気作品の打ち切りがその数字で決まるのだ・・・・。
 
 「 Yさん(私)、読者投票はあくまで参考程度のもんですからァ・・・ 」

と、軽く笑う編集員もその目は笑っていないのである。
 
3週間下位に甘んじつづければ、ヒモにぶら下がる使い捨てのティーバッグ
の様に、そのままつまんでゴミ箱行きである。
 
ソープランドの漫画「 ○不孝通り 」が連載されていた頃( 1984年 )のガン
さん( 仮名:羽賀 司郎、東京出身、34歳 )は、いつもこの数字に一喜一憂し
ていたのです・・・・・
 
最初の危機は、連載してから3ヶ月ほどでやって来ました・・・・・・。
 
ガンさんの顔を見ないで、うつむいたまま担当の編集員は申し訳なさそうに
・・・・・・・
 
 「 一応・・・・・今月いっぱいという事で・・・・・・ 」
 
そう、言われてもガンさんは・・・・・
 
 「 は・・・・・ は・・・い・・・・・・ 」
 
と、答える。
 
 『 5年前と同じ・・・・やっぱりダメか・・・・・ 』 ( 5年前の「 少
   年○ング 」の連載打ち切りと同じ様に・・・・・ )

ガンさんがあきらめの心境にあったとしても、仕方なかったのではないでし
ょうか・・・・・
 
覚悟を決め、最後のつもりで描いた一筆入魂の作品・・・・・・ その作品
が人気投票で上位に入って来たのです!
 
 「 終わったな・・・・・・ 」
 
と、あきらめていたガンさんには、飛び上がるほどの朗報でした!
 
こうして連載の延長が決定する・・・・・。 しばらくするとまた低迷・・
・・・・。そして、打ち切りの話が出て来ると・・・・・また作品に輝きが
戻る・・・・・。

これを繰り返すうちに半年以上の時間があっという間に過ぎて行きました。
 
いつしか連載が終わりに近づいて、ガンさんはあわてる事もなく、季節が変
わるのを眺める様に最終回のラストページにペンを入れたのです・・・・・。 
 
たぶん・・・・・ 自分の漫画を読んでくれた全ての読者へ感謝を込めて・・・・

 
ガンさんの頭にあったのは次の作品! 次のテーマ! 次の世界!・・・・・
・・・・・・でした。 もう、ソープランドの漫画には未練が無いかの様で
した・・・・・・。
 
人ずてに、それを知ったJ先生は・・・・・
 
 「 あァ~? 新しいテーマだァ~? 羽賀君にはソープランドしか無ェ
   ~だろォ! 何んでィ? 何んでィそこで、ねばらねィ~んだよォオ
  オッ! 」
 
 
 
          「 漫画家アシスタント 第4章 その36 」 へつづく・・・
 
 
 
  後記 : ガンさんのこの作品「 ○不孝通り 」が単行本化された
       のは、連載が終わるのとほぼ同時でした。この作品はす
       でに絶版しいますが、今回、特別にその中の1篇を公開
       できることになりました。 以下のURLよりどうぞ!

       「親不孝通り 第40話」
       




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コメント (17)
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