漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第4章 その4

2006年06月10日 22時25分51秒 | 漫画家アシスタント
 ( この写真は、東京の目白通り下落合あたりです。この先にJ・AプロのあるMマンションや
  M学園クロッキー教室などがあります。《 2006年5月、撮影 》 )
    
 
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
  
               その4
 
 
クロッキー教室と言っても、別にクロッキー技術の指導を受けるわけでは
ありませんでした。 たまに管理者の先生に、できたクロッキーについて
感想を聞いたりする位でした。 私は見よう見真似、自己流でやっていま
した。

周りにいる参加者( 生徒さん? )の顔ぶれは、学生風の若者が3,4人、私
の様に得体の知れない男が2,3人。そして中年サラリーマンや主婦。老人
が2.3人といった感じでした。

ここで一人の老人について書いておこうと思います。 いつも女性を連れ
てやって来るその老人は、その画材のグレードや物腰から、明らかにプロ
の画家もしくは元美術の先生といった人物らしく思われました。

ちょっと陰険で、とっつき難い老人なのにいつも中年の美しい女性を連れ
ているので結構目立っていました。
 
1980年( 昭和55年 )、初夏・・・・。 クロッキー教室にもかなり慣れてき
た頃でした。 モデルさんが来るのをみんなが待っている時です・・・。

この画家風老人が、自分の前の席にかける若者に突然声をかけました・・・。

 画伯翁 「 君は健康だろう!? 」

 若者   「 ・・・は・・・はぁ・・・? 」

 画伯翁 「 いい背中をしている。 健康なのは背中を見ればわかる!
       君は何をやっているんだ? 何かやっとるだろ? 」

 若者   「 はぁ・・・・・ 別に・・・・・・・・ 」

 画伯翁 「 いい体だ。 健康だろ。 何をやっとるんだ? 」

 若者   「 別に・・・・ ただ・・・・・ 何かって言われれば・・
       ・・・断食道場に通ってるくらいですが・・・・・・ 」

画伯翁の連れの女性は黙って微笑んでいる・・・・。

 画伯翁 「 ん・・・・ そうか・・・ 背中を見れば健康なのは判るん
       だ・・・とても、いい背中をしているぞ! 」
 
 若者   「 はぁ・・・・・・・・・ 」

画伯翁の連れの女性は黙って微笑んでいる。 まるでこわれた能面の様に・・
・・・・・・・・。

この画伯翁が後日、このクロッキー教室でケンカ騒ぎを起こし、激怒して出
て行く事になります・・・・。

老人といえばもう一人、人懐っこい明るく気さくな老人がいました。画伯翁
とは正反対の性格といった感じでした。 この人のクロッキーはイマイチで
したが、人柄はとても温厚で、若い人からも信頼されていました。

老人は、ハゲ上がった頭をテカテカさせ、いつもニコニコ教室の「 主 」とい
った感じでした。

さて、ケンカ騒ぎの原因は一人のモデルさんです。 クロッキー教室では毎
回、違うモデルさんが来るのですが、その日のモデルさんは、とても明るく
ユニークでした。 しかし・・・ それが・・・・ 画伯翁の逆鱗に触れよう
とは・・・・・・・・・・。
 
 
 
          「 漫画家アシスタント 第4章 その5 」 へつづく・・・
 

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