by 道哲士さん
昨年7月の『鑑賞教室』以来、
おもだか一門若手が揃って出演の『当世流小栗判官』
ややさん提供の資料によると、猿之助さんの初演以来、実に23年。
平成に入ってからは観劇から遠ざかっていたので
『小栗』を最後に観たのは昭和62年。以来19年振りのことになります。
初演以来、拝見した回数はとても数え切れないです。
しかし、初演のときの感動と興奮は僕の脳裏にしっかりと焼きついています。
猿之助さんの多くの『復活通狂言』の中でも
特に心に残っているものの一つです。
今回は一部・二部に分けての上演。
それぞれに『口上』が有り、猿之助さんが『演出台』に座っての直接指導。
猿之助さん自身が客席から、このお芝居をご覧になるのは<はじめて>なんて、
勝手の想像をたくましくしての11日の観劇となりました。
情報によると初日から、芝居として完成度の高い作品と聞いていましたが、
実に素晴らしい出来上がりでした。
僕の観劇感覚が鈍って来たのだと思うけど、
気になるところが無きにしも非ずでした。
先ずは暴れ馬「鬼鹿毛」馬自体が以前より大きく見えました。
「乗り手の安全のために大きく作られたのかな?」と・・・
その所為か小栗がいささか小さく見えてしまった。
爽やかに乗りこなす右近さんが少し気の毒なようにも思えたが、
これ、僕の目の狂いだったら「ご免なさいです」。
猿弥さんの横山大膳・貫禄充分「うーん、上手い」
思わずつぶやいてしまった。
段治郎さんの漁師浪七・「ちょっと綺麗過ぎ?」なんて・・・
猿之助さんの浪七は同じ綺麗でも、なんとなく漁師の匂いがしたかな?
なんて・・・。
後半、猿之助さんの『俊寛』の幕切れが脳裏を過ぎりました。
右近さんの『橋蔵』に大爆笑!。
宗十郎さんを思い出したりして懐かしい場面、
多いに楽しみながらも、過去には小栗役者が橋蔵を兼ねた。
「そうした史実を調べるのが得意な師匠」の科白に
思わず「う~ん・そうそう!」って納得してしまった。
だからこそ、こうしたお芝居の復活が出来るのですよね!
第二部の開幕・初演当時、猿之助さんのお駒、
宗十郎さんのお槙、名場面でしたね。
大好きな猿之助さんのお役なのに、
そのお駒が憎くて々々、照手が可哀想で、でも、
お駒が好きで、お槙の忠義に泣き、恋しい許婚に巡り会いながらも
控えめな照手に泣き、恋に身を焼くお駒に涙を流し・・・と、
一番好きな場面でした。
宗十郎さんの「物真似」が超得意な笑三郎さん。
宗十郎さんのお槙ではなく、笑三郎さんのお槙を観たいと念願していた。
ものの見事に自分の役として(宗十郎さんと比較するには年齢も若いし、
完璧とはいえないものの)演じられていて、見応えがあり素晴らしかった。
春猿さんのお駒も(猿之助さんのそれにはまだまだの感はあるが)
惚れた男を一途に恋い慕う気持ちが伝わってきて良かったですね。
予期していなかった『葵太夫』さんのご出演に、物凄く「得をした感じ」
久しぶりに聞く葵太夫さんに聞きほれるうち、
舞台は早や『大詰・大団円』惜しみない拍手のうちに、
何故か、涙が頬を濡らしてきました。
師匠不在の舞台、師匠の財産演目の一つでもある『小栗判官』。
よくぞここまで・・・ 感動の涙でした。
もう一度でも二度でも観たい!。が、残念ながら時間が許さない。
しかしこれをきっかけに、
きっと、「機会あるごとにこうした企画はある」と信じ、願っております。
『信ずれば夢は必ずかなう』ですね。
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昨年7月の『鑑賞教室』以来、
おもだか一門若手が揃って出演の『当世流小栗判官』
ややさん提供の資料によると、猿之助さんの初演以来、実に23年。
平成に入ってからは観劇から遠ざかっていたので
『小栗』を最後に観たのは昭和62年。以来19年振りのことになります。
初演以来、拝見した回数はとても数え切れないです。
しかし、初演のときの感動と興奮は僕の脳裏にしっかりと焼きついています。
猿之助さんの多くの『復活通狂言』の中でも
特に心に残っているものの一つです。
今回は一部・二部に分けての上演。
それぞれに『口上』が有り、猿之助さんが『演出台』に座っての直接指導。
猿之助さん自身が客席から、このお芝居をご覧になるのは<はじめて>なんて、
勝手の想像をたくましくしての11日の観劇となりました。
情報によると初日から、芝居として完成度の高い作品と聞いていましたが、
実に素晴らしい出来上がりでした。
僕の観劇感覚が鈍って来たのだと思うけど、
気になるところが無きにしも非ずでした。
先ずは暴れ馬「鬼鹿毛」馬自体が以前より大きく見えました。
「乗り手の安全のために大きく作られたのかな?」と・・・
その所為か小栗がいささか小さく見えてしまった。
爽やかに乗りこなす右近さんが少し気の毒なようにも思えたが、
これ、僕の目の狂いだったら「ご免なさいです」。
猿弥さんの横山大膳・貫禄充分「うーん、上手い」
思わずつぶやいてしまった。
段治郎さんの漁師浪七・「ちょっと綺麗過ぎ?」なんて・・・
猿之助さんの浪七は同じ綺麗でも、なんとなく漁師の匂いがしたかな?
なんて・・・。
後半、猿之助さんの『俊寛』の幕切れが脳裏を過ぎりました。
右近さんの『橋蔵』に大爆笑!。
宗十郎さんを思い出したりして懐かしい場面、
多いに楽しみながらも、過去には小栗役者が橋蔵を兼ねた。
「そうした史実を調べるのが得意な師匠」の科白に
思わず「う~ん・そうそう!」って納得してしまった。
だからこそ、こうしたお芝居の復活が出来るのですよね!
第二部の開幕・初演当時、猿之助さんのお駒、
宗十郎さんのお槙、名場面でしたね。
大好きな猿之助さんのお役なのに、
そのお駒が憎くて々々、照手が可哀想で、でも、
お駒が好きで、お槙の忠義に泣き、恋しい許婚に巡り会いながらも
控えめな照手に泣き、恋に身を焼くお駒に涙を流し・・・と、
一番好きな場面でした。
宗十郎さんの「物真似」が超得意な笑三郎さん。
宗十郎さんのお槙ではなく、笑三郎さんのお槙を観たいと念願していた。
ものの見事に自分の役として(宗十郎さんと比較するには年齢も若いし、
完璧とはいえないものの)演じられていて、見応えがあり素晴らしかった。
春猿さんのお駒も(猿之助さんのそれにはまだまだの感はあるが)
惚れた男を一途に恋い慕う気持ちが伝わってきて良かったですね。
予期していなかった『葵太夫』さんのご出演に、物凄く「得をした感じ」
久しぶりに聞く葵太夫さんに聞きほれるうち、
舞台は早や『大詰・大団円』惜しみない拍手のうちに、
何故か、涙が頬を濡らしてきました。
師匠不在の舞台、師匠の財産演目の一つでもある『小栗判官』。
よくぞここまで・・・ 感動の涙でした。
もう一度でも二度でも観たい!。が、残念ながら時間が許さない。
しかしこれをきっかけに、
きっと、「機会あるごとにこうした企画はある」と信じ、願っております。
『信ずれば夢は必ずかなう』ですね。
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二演目と記述しましたが、今日おもだかニュースを読み、
今回で「八演目」と書いてありました。
とすると、劇場の上演ごとにカウントしているようです。
私は、S58~60(歌舞伎座ー南座ー中日ー新歌舞伎座)までを
『一演目』(初演を各劇場持ちまわるということで)
と考えたので、自分の初見は二演目と記載したのですが、
S62年は5演目となるようです。
まあ、ちょうど8上演の半分を観ることになるワケですね。
う~ん、いずれにしても、
あともうちょっとだけ早く出会っていれば
猿之助さんのお駒が観れたのだった。
笑也さんはこの時馬の足。
今、馬の足をされている方が将来、
照手姫を演じることがあるのかしら?と
考えてみると、ある意味、笑也さんの軌跡は
「偉業」と言っても良いかもしれません。
もちろん、猿之助さんの思いきった決定があってのこと。
「猿之助さんの相手役」として輝いてきた
笑也さんは今、難しい岐路にあると思いますが、
みやずで(テクニカルな部分はともかく)
なんとか抜擢に応え、その後が続いてきたからこそ
研修所出身の役者さんたちの道も
拓けた部分もあるかな~なんて思ったりします。
私が観た最初の小栗判官は二演目になるわけですね。
う~ん残念!もう、少し早く観ていれば
「馬の足」の笑也さんと、今は亡き猿十郎さんの作り出した
「襖越え」の初演も見れたのに!!
猿之助さんのお駒怖そう~~!!
岩藤みたいなことになっていそう(爆)
あ、そうそう、馬に戻りますが、
以前を観ている友人も馬が大きく見えた!!
と言っておりました。
私も、どうも碁盤乗り(に至るまで)が
もたれるな~と思ってしまったのですが、
ここは、実は馬を見せているのではなく
「役者」を見せているのだ、という話を聞きナットク!!
猿之助さんの「どうだ~!!」といわんばかりの魅せ方、
碁盤に乗ったときの、得意満面の表情!
あの愛嬌と、スターの持つ煌きとで客席を引き付けていた。
残念ながら、右近さんではもたない
(今の尺では)かな~と感じたのです。
だから、今回の国立は、あの場面
もうちょっとテンポ上げられた方がいいかなと思います。
逆に、二部って、意外と道行と大詰めが
あっさり終わってしまうんですよね~。