燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

救急車を呼ぶということ

2015-09-11 | 徳田語録

入院された患者さんのご家族からこんな話を聞いたことがあります。

 

「救急車で病院に運ばれて、心臓マッサージなど救急処置を受け、命はとりとめたが意識は回復せず植物状態になってしまった。高齢で、もうずっと寝たきりだったから、最後はやすらかに逝って欲しかったと思う。命を助けてもらったことには感謝しているが、こんなはずではなかったという想いがぬぐいきれない」。

 

救急車を呼ぶと、救急隊や病院などの医療側は「ご家族は救命/延命をして欲しいという意思表示をした」という前提で動きます。事態が切迫していることが多いため、ゆっくりと意志を確認していては、救命しなければならない場合に手遅れになってしまうためです。

 

実際には、そこまではっきりした考えはなかった、ただ、慌てて気が動転したので救急車を呼んだというケースは多いと思われます。

 

こんな行き違いを少しでも少なくするために、自分や家族がもしもの場合にどうするかを話し合って文書に残しておくとよいでしょう。欧米では、そのような文書(事前指示書)は冷蔵庫に張っていることが多いです。またこんなことも話し合える「かかりつけ医」を持つと相談できて安心と思います。

 

今回はここまでです、しかしこの大雨、各地に甚大な被害をもたらしますね、油断はできません、これから、北海道なども大雨に警戒が必要だそうです、とにかく自分の命は自分で守ろうぐらいの気持ちでいてほしいものです、では次回に。

 

こんなとき、フィジカル: 超実践的! 身体診察のアプローチ
徳田安春
金原出版

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 健康教室 in 南城津波古 | トップ | 腰痛は腰の病気のみならず »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

徳田語録」カテゴリの最新記事