今回も徳田語録の続きです、どうぞ
検査の有害性
検査そのものが害になりうるという発想が、余り医師のあいだで強調されていなかったし、医学教育でも、卒前・卒後にわたってあまりそこは教えられいなかった側面があると思います。また、国民のあいだにも、検査をやると逆に害なこともあるという認識があまりない、むしろ大好きですよね。
私は、聖路加にいましたので人間ドックの話をよく聞きましたが、もともと人間ドックというのは、プロ野球の選手がオフシーズンに全身のチェックをしたのが始まりです。最初は巨人の王選手がキャンプ前に全身を調べたということで、そういう特別なスポーツ選手がやっていたことを、「人間ドック」という名前をつけて始めました。王選手や長嶋選手が毎年受けるものだから、自分たちもうけたほうがいいんじゃないかということで、ワーッと広まりました。
それもここ30年ぐらいですけど、人間ドックの話しを欧米人にすると、ものすごく驚かれます。「そういうことやってるんだ!」って。人間ドックも、最近はスペシャルメニューの脳ドックというのがあって、無症候性の脳梗塞もたくさん見つかっていますし、未破裂の動脈瘤も見つかっています。
イスラエルの面白いスタディがあって、10年くらい前の BMJ に載ったんですが、イスラエルで医者のストライキというのがあるみたいなんですよ。で、医者がストライキをして、病院の診療が一定期間休みになったときに、国民の死亡率が減ったみたいなんです(笑)。
そこでいろいろなディスカッションがあって、病院での診療というのが健康脅威になることもあるという。イワン・イリッチが60年代に示唆していたことが、実際にあるのではないかと言われています。
今回はここまでです、しかし、最近異物混入が多いですね、SNS が発達したので、すぐに広まりますね、専門家の話ですと、大体、異物混入というのは昔からあったそうですね、まあでも、虫やビニールは無理ですけど、金属の針とかはどうかと思いますね、では次回に。