燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

パラダイムシフト3

2015-01-15 | 徳田語録

前回の続きです、どうぞ

なぜ、新しいOSに変わるべきか

 とても時間がかかる診療スタイルというのは、OSがそういうOSなので、最初からショットガン・アプローチによるものになります。弾がどこに飛んだかというのを1つひとつ拾い集めながら診療するので時間がかかる。その膨大な時間は無駄です。

 もう1つ、検査と画像そのものにコストがかかっていますので、この経済状況で、それが今後も継続できるかというところが問題ですね。しかも、高齢化は世界一の勢いで進んでいますから、1人の患者さんがいくつもの病気をもっていて、人間ドックに入れば必ずどこかが引っかかり、「精密検査をしてください」と書かれて検査結果が返って来る。そのような状況ですから、医療の持続可能性がまず問われます。日本の経済が今後どうなるかというのも、大きなファクターとして関与してきます。

 また、先の大震災の影響がありますけども、被爆の問題というのは無視できないファクターになっていると思います。いま日本はCT大国と言われていて、コンビニエンスストアよりCTが多いし、CTを発明したイギリス人がビックリするほど日本はCTを保有しています。イギリスのGP(General Practitioner) なんかは、胸部X線さえ診療所にないという診療プラクティスです。一方、日本ではほとんどのクリニックにCTが置いてある。以前、放射線関連の癌が、日本は世界一多いというのが Lancet に載っていました。今後は、やはりそういう検査重視なOSでは、厳しいんじゃないかという流れが出ないといけませんね。

今回は短めに以上です、しかし寒いですね、関東でも雪になるそうです、皆さん寒さ対策を万全にして、風邪などひかれないように、ヒートショックにも気を付けて下さい、脱衣所も暖めて、では、次回に。

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