燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

妊娠中にがんに罹ったとき、また妊娠中の薬の使用を考えたとき

2015-08-26 | 徳田語録

最近の研究結果では、妊娠中の乳がんや婦人科がんは妊娠のため治療を遅らせる必要はないということが勧められています。また、分娩を挟む時期に母体が抗がん剤などの化学治療を受けた場合の胎児の発育状況の研究結果が出ました。心配された脳の発達や臓器の障害は、未熟児で生まれればそれなりの影響は起こるのですが、そうでなければはっきりとした遅れは見られないという結果でした。

 

妊娠しているからといって化学療法を遅らせるべきではないとの見解が支持されてきています。妊婦と胎児をずっと経過観察している研究で、分娩後数年フォローした研究からの推奨です。このような研究は今後も継続されることになっています。

 

一方で、妊娠・授乳中の薬剤の安全性は不確かなところもあります。治療効果が期待できるがんの治療薬は絶対的に必要な治療です。しかしながら、その使用について慎重に考えたほうがよいという薬もあります。

 

例として、SSRIという抗うつ剤と胎児のリスクについて、そのリスクは少なからずあるということが判明してきています。個々の薬の安全性については、「妊娠と薬情報センター」に相談することができます。

(http://www.ncchd.go.jp/kusuri/)

 

今回はここまでです、しかし台風15号はすごかったですね、石垣市登野城では、最大瞬間風速が歴代三位の秒速71mだそうです、時速にすると約255kmです、新幹線のような風が吹いたらたまったものではないでしょうね、 では次回に。

ドクター徳田安春の養生訓―元気な100歳をめざせ
徳田安春
西村書店

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