燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

特殊な心疾患のフィジカル

2019-07-02 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
今回は心疾患のうち特殊なタイプについてみてみましょう。
 


肺性心

右室前方拍動の触知と右室性ギャロップの聴診、下腿浮腫、肝腫大、座位または立位での外頸静脈の怒張、肝頸静脈逆流所見など

胸部X線側面では胸骨後腔の閉塞像

心電図では肺性P(Ⅱ,Ⅲ,aVFにおけるP>3mm)

心エコーや心臓カテーテル所見(平均肺動脈圧>22mmHg)なども有用



感染性心内膜炎

弁膜症などの心臓疾患を有する患者において、一過性菌血症が起こる際に、菌が弁に付着して疣贅を形成し、ついにはその部分から菌血症を起こすもの

逆流性心雑音(新しい、または変化する雑音)の聴取に加えて、粘膜・皮膚の点状出血、爪の線状出血、オスラー結節、ジェネウェイ紅斑、眼底のロス斑、脾腫、血尿、脳塞栓、感染性動脈瘤の破裂による脳血管障害などに注意

緑色連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、腸球菌などによることが多い

緑色連鎖球菌はS. sanguis、S. mutans、S. milleriなどの口腔内常在菌であり、これらによる心内膜炎はう歯、歯肉炎、抜歯などが契機となりうる。

黄色ブドウ球菌による心内膜炎は急性に経過し、弁の破壊、心筋内膿瘍、心不全、房室伝導障害、遠隔転移を起こしやすい

静注薬物依存者では三尖弁が侵される

表皮ブドウ球菌は人工弁心内膜炎の、特に術後2カ月以内に起こる場合の一般的起炎菌で、術中・術直後の汚染に起因すると考えられる



膠原病疑いでの心臓所見

膠原病では心外膜炎、心内膜炎(感染性または非感染性)、肺高血圧症などを合併することあり

膠原病疑いでは、これらの疾患を念頭におき頸静脈波を観察し、注意深く聴診する




写真 勉強会のお知らせです

 

 

僕たちが医者になるまえに
 
カイ書林

 

徳田安春・公式ツイッター

https://mobile.twitter.com/yasuharutokuda

健康や医学についてのファクトと徳田安春の個人的意見をお伝えします。

 

マンガ「群星沖縄臨床研修センターとは?」が出ました。これで群星沖縄のすべてがわかる。毎月更新されますので、是非ご覧下さい。

 

好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2019」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。

 

健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。☆まぐまぐ大賞2018のジャンル別賞の健康部門5位に決定しました。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 心臓聴診のピットフォール | トップ | 気胸のフィジカル »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

勉強会」カテゴリの最新記事