燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

けいれん6 連載 その74

2014-09-03 | 症例集

 今回は痙攣について、「診察と検査の注意点」について考えていきましょう。

 診察ではまず、バイタルサインのチェックが重要。 明らかにショックが原因で脳血流の低下による二次的な痙攣を生じている患者に対しては、あくまでもショックへの評価と対応を優先する。 頭部CT撮影や抗痙攣薬の投与などを優先させてはならない。 最悪の場合、CT室内で心肺停止をきたすおそれがあり、狭いCT室のスペースでは緊急の対応が十分に実施できない。

 血圧低下があればまず、ショックの鑑別診断を優先させる。 血圧低下のない場合、全身の身体診察と神経学的な診察を行う。 痙攣発作後には、嗜眠・易刺激性などの痙攣後状態(postical state)を呈することがあり、このときに瞳孔左右不同をみることがあるので注意する。

 新規の痙攣患者をみたら、できるだけ迅速血糖チェックと電解質値の測定を行うようにする。 髄膜炎や脳炎疑い患者では、血液培養2セット、髄液培養、髄液中ヘルペスウイルスDNA-PCR検査を提出する。

 意識障害や神経症状を伴う場合には、腰椎穿刺を施行前に頭部CTを撮影し、頭蓋内占拠性病変の有無を確認しておく、再発性のてんかん症例では、のちに内服薬投与量の調整を必要とする場合が多いので、服用中の抗痙攣薬の血中濃度を提出しておく。

 今回は以上です、次回は痙攣の処置について考えていきましょう。

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