ふぇみにすとの雑感

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フリント、そしてマイケル・ムーア

2004-07-27 12:40:34 | ニュース、時事ネタ
今朝、再び歯医者に行ってきました。今はまだ麻酔が効いているが、後ほど切れた頃に歯茎がかなり痛むと言われ、痛み止めジェルなんぞをいただいて帰ってきました。イヤだなあ。

今まで歯の治療をしてくれたデンタルスクールの学生さんが卒業してしまったので、先週から担当の学生さんが変わりました。彼と世間話をしたついでに「どこ出身なの?」と聞いてみたら、「フリント」とのこと。「フリントといえばマイケル・ムーアだねえ。『華氏911』が世界的ヒットになって、いまや世界的に有名な街じゃない?」なんて言ったら「そうかもねえ」なんて言っていました。

そう、「ロジャー&ミー」「ボーリング・フォー・コロンバイン」そして「華氏911」など、マイケル・ムーアの作品に必ずといっていいほど出てくるのが、ムーア監督自身の出身地、フリントです。フリントというのは、私の現在住むアナーバーから車で約一時間ほど行ったところにある街。GMの工場がつぶれて以来、深刻な不況と貧困にあえいでおり、ミシガン人であるムーアの作品はこのフリントの現状への問題意識が常に反映されています。
フリント、またデトロイトも同じですが、あの不況で荒れ果てた街並が広がる光景というのは独特のものがあります。あの現実を実際に見た上で見るムーア作品は、また違った意味合いをもってくるというか、胸にずしんと来るものがあるのです。

「華氏911」の中でで私が一番ショックだった映像は、実はフリントの貧しい地域のショッピングモールで、せっせと若者をリクルートしているマリーンだかの軍のリクルーターの姿でした。デトロイトなどで盛大にリクルートしているとは聞いていたが、あそこまで騙しているとは知らなかった。あれじゃあまるでキャッチセールスだ。結局、アメリカ人も戦地に送られるのは、貧しく弱い立場の人たちなんだよね。金持ちの利権を守るために。

ムーアは、以前「ボーリング・フォー・コロンバイン」特別上映がアナーバーであった時、挨拶に来て、その後でシアターの2階にある大学院生組合GEOオフィスに立ち寄り、一緒にSolidarity Forever (なぜか「ごんべちゃんの赤ちゃんが風邪引いた」のメロディーで歌う、組合ソング)を合唱していったらしい。その時の写真というのが組合オフィスに貼ってあります。私も行って、一緒に合唱したかったぞ。こういう地味な応援活動もちゃんとしているところは、エラいよなあと思います。

映画としての出来からいえば、私は彼の「ロジャー」や「ボーリング」のほうが好きだけれど、でも「華氏911」はもっともっと大ヒットしてもらいたい。そして何とかブッシュを蹴落としたい!蹴落とさなければ、今後4年間、ますます大変なことになってしまう。アメリカ人、ほんと投票行ってよね。で、今度こそは票もちゃんと数えてね。


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2 コメント

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Unknown (のりさんさん)
2004-07-27 18:12:49
ファレンハイト9・11は、日本の皆さんにも是非観てもらいたい映画です。マイケル・ムーアがDCで議員の子供たちを軍隊にリクルートしようと話しかけた時の議員たちの態度! 自分の子供は戦場にはおくらないけど、戦争賛成なんだよね、あの連中は。
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Unknown (Gadowskyさん)
2004-07-27 18:42:10
この映画のアメリカでの評判は日本でも話題ですもんね。ただ、ブッシュが交代したところで、イラク撤退にはならないだろうし、難しい判断でしょうね。前回の選挙ではフリントのような、産業のすきまになってしまった街の人がブッシュを後押ししたのではないかと思います。大統領という制度では、2者択一しかない本当に無難しい選択ですね。
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