ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

スタッフの視点からみたアメリカのアニメコンベンション(1)

2007-06-03 05:46:42 | マンガ・アニメ
今週の水曜日、ャbプカルチャーの授業の最終回に、先日行ったアニメセントラルコンベンションの、本年度の代表をつとめたベリルさんと、スタッフでアーティストでもある、アディーさんをお招きした。
アメリカのアニメコンベンションの、企画運営側の立場からの状況が聞ける、貴重な機会だった。
この模様については、すでに学生たちの充実した報告が授業ブログにいくつか掲載されているので、ぜひ!(ノートパソコンをスクリーンにつなげる作業に苦労していた間、私は話に集中できていなかったので、その分学生のレメ[トでカバーされている面がたくさんあると思います。)
http://popjapan.wordpress.com/tag/beryl-turner-addie/

今年で10年めというアニメセントラル。98年に始まったわけだが、企画に3年を費やしたという。ほかのアニメコンベンション(otacon, Anime Expo)に参加していた仲間たちが集まって、計画をはじめたらしい。
毎年参加者の数は増え続け、98年の1200人から、去年は11500人へ。今年の正式な参加者数は、参加者登録のデータベースがうまく機能していなかったため、まだ出していないが、少なくとも12000人以上。ベリルさんの見た感じでは、昨年より明らかに会場は混んでおり、おそらく14000~15000人くらいなのではないかということ。オヘア国際空港近隣のホテル7つを占拠したそうだ。
この膨大な数の参加者をまとめるスタッフの数も、総勢400人以上。そしてすごいのが、代表のベリルさんをはじめ、この400人以上のスタッフ全員が、無給ボランティアであること。
アメリカのコンベンションでも、Anime Expoなどは、企業がスャ塔Tーについたコンベンションらしいが、このアニメセントラルの場合は、完全に非営利事業として行っているとのこと。ファンによる、ファンのための、ファンが支持するイベントだと強調していたのは、こういうことだったのだとわかった。利益がでた場合、子ども病院に寄付したり、学生のための奨学金にしたりするらしい。

スタッフは、男性と女性はほぼ半々くらい。年齢的には22~28歳くらいがいちばん多いと思うが、若いスタッフで16歳から、上は50代までいるという。ベリルさんご自身は42歳の、アフリカ系の男性。アディーさんはアジア系男性だ。(ここからも、アメリカのオタク文化がけして「白人文化」ではないことがわかる。
近年は、親子づれの参加者もかなり増えてきたらしい。

ベリルさんご自身は、もともとはSFのファンで、SFのコンベンションなどに行っていたという。そしてアニメやマンガのファンになってから(決定的な転換点は、友達にすすめられた「フルーツバスケット」を読んだときだったとか!)、様々なアニメコンベンションに参加し始めて、アニメセントラルの代表に至ったとのことだ。アディーさんも同様に、様々なアニメコンベンションに参加してきているそうだ。アディーさんはシカゴにおける、マンガやアニメのアーティストのコミュニティでもご活躍らしい。

2000年にシカゴで開かれたSFコンベンション(58年め)の参加者が4800人ほどだったのにくらべ、たった3年めだったアニメセントラルがすでに6000人の参加者だったとか。今や、SFコンベンションより圧涛Iにアニメコンベンションの規模が大きいらしい。当日には、オヘア空港から10分くらいの距離にある、日系スーパーミツワへの往復バスも出していたとのことで、コンベンション期間中にミツワにいった学生によれば、コスプレ姿でミツワのフードコートで食事をするアメリカ人たちがたくさんいたとか。

ベリルさんによれば、SFーとくに小説系のSF≠ノは、以前はエリート主義的なところがあったが、アニメやマンガ系はもともと「子どもの読み物であるマンガ」的に捉えられがちなこともあり、SFファン的なエリート主義がなかったという。この差は、近年には狭まってきたと思うとのこと。

ベリルさんもアディーさんも、シカゴにおけるアニメ・マンガファン文化に関する歴史家といってもいいくらい、詳しかった。ベリルさん曰く、アニメなどの文化が広がって行くには、1)発明、発見、2)アンダーグラウンドでの広がり(シカゴでは70~80年代)、3)主流化(85年からのRobotech放送開始、90年代の宮崎アニメ、ャPモン流行、Cartoon Networkでの導入)4)主流定着化Cartoon Networkで定着、ャPモン、YU-GI-OHなど)という4つのステージがあると思うとのこと。面白かったのは、シカゴという土地は、アメリカの中でも西海岸についで、70年代から80年代初頭にかけて、日本のアニメがかなり放送されていたチャンネルがあったということだ。(今はラテン系チャンネルになっているらしい。)「なぜシカゴだったのか?」という質問には「よくわからない」ということだったが、なぜか日本のプログラムがシカゴ地区に流れてくる傾向があったのだという。そういう意味では、アメリカにおける日本アニメの先進的な土地だったらしい。(このへん、詳しく調べたら面白そうだ。)
そういう背景もあり、80年代には、アンダーグラウンド的なアニメファンのグループなどができていたらしい。

(字数オーバーのため、次エントリに続く)

アニメコンベンション報告のエントリについてコメント書いてくださっている、mimi246さんのブログにトラバしたつもり、、ができてないかな?AOLとはてなの間のトラバが、なんだかうまくいかないような。。


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2 コメント

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Unknown (mimi246)
2007-06-06 22:10:44
遅くなりましたがレメ[トありがとうございます。やっぱりAOLとはてなの間ではトラバうまくいかないみたいですね。
10年近くで参加者が10倍以上ってすごいかもしれません。このまま続けたらコミケの規模をいずれ凌ぐ、かも? 日本の即売会だとほとんどの場合会場外ではコスプレ禁止だと思うんですが、このイベントではOKなんですね。
それにしてもこんな方々が地元にいて、授業にお招きできるっていいなあ……。
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Unknown (ともみ)
2007-06-08 09:30:37
トラバ、やっぱりダメですか。。
コスプレ、イリノイ州法にひっかかるような服装でさえなければ、なん
でもOKという基本線だそうです。会場外でもコスプレ姿の人、たくさ
んいました。日本の即売会だとダメなんですか~。
今回およびした、ベリルさんとアディーさん、シカゴ地区のアニメ&マ
ンガファンコミュニティの歴史をかなり深く把握しているっぽかったの
で、ぜひもっとじっくりお話伺ってみたいなーと思わせるものがありま
した。
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