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ガーゼを血染めにするな『ガザの声を聴け!』

2024年01月25日 | 読書

日々、報道で伝えられるパレスチナ、ガザの極めて悲惨な状況。この書は5年近く前に書かれたものだが今につながるパレスチナ問題の深層をあらためて教えてくれる。筆者は1949年に創設されたUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の保健局長。この機関の目的は前年のイスラエル建国により土地を追われたパレスチナ難民の救済・支援、当初の3年間設定が終えることなく70年以上も続いている。この地(現イスラエルとパレスチナ地方)におけるイスラエルの歴史、その変遷のなかでパレスチナも同様に1300年近く存在していたこと。「2国家共存」のオスロ合意とその後の頓挫なども詳しく知る。もちろん筆者が強調したいのは活動を通して見聞するイスラエルによる経済封鎖や空・海路に陸路も検問所で閉じられたガザ、「天井のない監獄」と言われる社会。加えての度重なる戦火、そこで暮らす人々の生活や健康問題の実情である。「戦争しか知らない子供たち」のメンタルヘルス、何よりも「人間としての尊厳がほしい」と切望する若者たち。その頃をはるかに超えて悪化する一方の今は、もちろん1日も早い「平和」であろう。最近知ったことだが、ガザは「ガーゼ」の発祥地とも。かって綿産地のガザで織り始められたというガーゼ、これ以上この地で血染めを許してはいけない。

        

 



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