晴耕雨読、山

菜園・読書・山・写真…雑記

永遠の空へ『八月の青い蝶』

2014年07月29日 | 読書

80年近い人生を間もなく閉じようとしている父親が大事に隠し持っていた少年時代の想い出。それは終戦近い昭和20年のころの<人生の中でもっとも楽しく、もっとも美しく、もっとも充足した日々>。家の離れに住むことになった八歳年上の女性との昆虫の会話がいつしか初恋に。母に隠れての逢瀬、そして蝶の羽化を見にいく約束をしていたその朝は広島の8月6日。一瞬のうちに<摂氏100万度の火の球に射抜かれた>街や人びとや暮らし、ふたりの未来も。数ページにわたる凄惨な光景描写はあらためて想像を絶する。間もなくの長崎・広島の原爆の日を前に読んでおいてよかった。

                          


百名山完登(その3)~山の想い出―再開編

2014年07月26日 | 

44歳で再開した登山、なぜ山にまた登るようになったのだろう。仕事が量的に落ち着いてきた一方、中身が問われるようになりストレスが溜まっていたのか。一向にうまくならないゴルフのコースを歩いている時、足の感触と遠くの山なみに昔の山登りが懐かしくなった、そんな記憶もある。翌1994年のテレビ番組から始まったと言われる百名山ブームも意識しないうちに体内に入り込んでいたのかもしれない。ともかく、自然の中で過ごす時間は楽しい。晴れた日の青い空と湧き上がる雲、肌で感じる新緑や草花・紅葉などの季節の移ろい。もちろん登る苦しさや下山路の足・膝の痛み、雨・風・雪の厳しさに遭遇する場面もある。でも帰ると、疲労の抜けないうちから次の山プランを考えてしまうのだ。80山を超えた頃ぐらいから百名山踏破を考え始めたので随分と時間がかかってしまった。再開から22年、20代の年数も加えると通算25年くらいでの達成になるだろうか。

最北の百名山 

稚内からのフェリーから利尻岳 

最南の百名山 

屋久島にも霜が降りていた 

*再開後の百名山登頂記録:1993年両神山(8/22)、巻機山(8/29)、奥白根山(10/11)1994年谷川岳(5/7)、至仏山(8/16)、那須岳(9/12)1995年赤城山(4/21)、四阿山(5/6)、浅間山(黒斑山)(5/7)、大菩薩嶺(10/10)、男体山(10/14)、会津駒ヶ岳(10/28)1996年:筑波山(1/13)、火打山(8/8)、妙高山(8/9)大雪山(9/13)1997年:燧ヶ岳(5/2)、武尊山(7/21)、金峰山(8/3)皇海山(11/24)1998年:苗場山( 8/14)、安達太良山(9/5)、磐梯山(9/4)1999年:越後駒ヶ岳(7/31)、草津白根山(8/8)、剣山(9/3)、石鎚山 (9/4)、天城山(9/11)、蓼科山 (10/3)、霧ヶ峰(10/4)2000年:雲取山(2/25)、甲武信ヶ岳(5/5)、瑞牆山( 6/17)、八ヶ岳(赤岳)(8/11)、雨飾山(8/18)2001年:高妻山 (7/1)、美ヶ原(7/8)、羅臼岳(8/12)、斜里岳(8/13)、雌阿寒岳(8/14)2002年:霧島山 (2/22)、開聞岳(2/23)、阿蘇山(6/22)、久重山(6/23)、仙丈ヶ岳(8/13)、丹沢山(8/25)2003年:吾妻山(5/27)、蔵王山(5/28)、岩木山(7/17)、八甲田山(7/18)、乗鞍岳(8/1)、焼岳 (8/2)、常念岳(8/22)、平ヶ岳(10/11)、甲斐駒ヶ岳(10/25)、八幡平(11/1)2004年:利尻山(6/12)、月山(7/9)、鳥海山(7/10)、立山(7/31)、剱岳 (8/1)、トムラウシ山(8/15)、十勝岳(8/16)、後方羊蹄山(9/2)2005年:恵那山、御嶽山、祖母山2006年:伊吹山(4/9)、飯豊山(8/6)、鹿島槍ヶ岳、大山(9/30)、大台ヶ原山(10/12)、大峰山(10/13)、宮之浦岳(12/1)2007年:鷲羽岳(8/16)、荒島岳(9/8)、白山(9/9)、五竜岳(9/22)2008年:塩見岳(8/8)2009年:笠ヶ岳(8/2)、木曽駒ヶ岳(8/9)、岩手山(8/22)、奥穂高岳(9/5)2010年:悪沢岳(東岳)(8/23)、赤石岳(8/24)、富士山(8/30)、早池峰山(9/14)2011年:北岳(8/17)、間ノ岳(8/17)、水晶岳(9/16)2012年:薬師岳(8/2)、黒部五郎岳(8/3)、幌尻岳(8/22)2013年:光岳(8/7)、聖岳(8/9)2014年:大朝日岳(7/22)<鳳凰山、白馬岳、槍ヶ岳、空木岳は20代の記録を百名山に算入/期日不明も一部あり>


百名山完登(その2)~山の想い出―青春篇

2014年07月26日 | 

もう40年以上もの昔、20歳前後から数年間の最初の山登り。その頃に「百名山」なる言葉が山の会話に無かったような気がするが登山ブームは確かにあった。週末の中央線や上越線の夜行列車はザックを背負った若者であふれていた。その中に自分もいた。山仲間や会社の先輩、あるいは単独で登った山々。あとで振り返るといくつかの百名山もあった。通い詰めた谷川岳や北アルプス表銀座縦走の槍ヶ岳、大雪渓と花の白馬岳、木曽殿山荘の冬期小屋で泊った残雪の空木岳、大雨の富士山など、記憶とともに何枚か残っている写真があの頃を想い出させてくれる。

                  

 *その頃に登った百名山:谷川岳、雲取山、両神山、八ヶ岳、槍ヶ岳、白馬岳、木曽駒ヶ岳、空木岳、富士山


百名山完登!大朝日岳のヒメサユリとともに

2014年07月24日 | 

梅雨時の天候とスケジュール、花の時期が合わず先延ばしていた山形県の大朝日岳。あのヒメサユリが一輪でも残っていたらと微かな期待を抱いて百名山最後の山へ。東北道・山形道を経由、埼玉から登山口・駐車場まで398キロもあるため近くの大井沢で前泊。駐車場でお湯を沸かして朝食、ドライフーズの昼飯を準備して出発、さあ今日は長いぞ。鉱泉脇からジグザグの登山道を登りつめ、緩やかなブナの尾根道を快調に歩く。最初の水場・一服清水の冷たい水に感謝、ハナヌキ峰分岐は休まずに通過。次の古寺山はかなりの急登だが、途中にある三沢清水の水場で生き返る。ピーク目前にヒメサユリ!受付嬢のような感じで現れた。以降、咲き残っていたヒメサユリが次から次へと。前方に小朝日岳、だがその先の大朝日岳はじめ朝日連峰は厚い雲の中、背後の月山方面も同じ。小朝日岳から熊越への急下降、ひと登りで大朝日山頂へ続く尾根道に。最後の水場・銀玉水は名水との噂あり、喉に染み渡る。本来なら稜線漫歩だがガスと強風の中を花だけを友に前へ。小さくなった雪渓を越え、あえぎ登ると忽然と大朝日小屋が。小屋から先も花に励まされ、最後の登り。百名山・全山登頂まであと少しと一歩、一歩、噛みしめるように足を進める。そして、深いガスの中から標柱が見えた。やった~、ついに山頂へ。2014年7月22日(火)/(前泊の大井沢より20分/山形自動車道・月山ICからは30分)駐車場05:25~古寺鉱泉(680m )~一服清水6:45~ハナヌキ峰分岐(1130m) 7:00~三沢清水7:30~古寺山(1501m)8:05 ~小朝日岳(1647m)8:55~(熊越)~銀玉水10:15~大朝日小屋10:45~11:00大朝日岳(1870m)11:10~11:20大朝日小屋11:40~熊越分岐12:50~巻道分岐13:10~古寺山13:45~ハナヌキ峰分岐14:45~古寺鉱泉16:05~16:10駐車場<大井沢温泉湯ったり館(300円)こじんまりした温泉施設だが往復11時間の汗と疲れを流してくれた>

最初はブナの林 

一服清水 

古寺山への急登 

待っていてくれたヒメサユリ 

左の小朝日岳を越えて行く右前方・大朝日岳は雲の中 

ガスと強風 

現れる大朝日小屋 

      

下山路は正面の小朝日岳をパス、巻道で 


夏の菜園は今が佳境

2014年07月17日 | 市民農園

GW前から始まった夏の家庭菜園がピークを迎えつつある。一時期たくさん採れたナスの元気が無くなってきた。実がついても大きくならない。そろそろ秋ナスをめざして剪定の時期に入る。キュウリは3回に分けて植え付けを行なって正解だった。切れ目なく食卓に上がる。2回目のものも今日の収穫で終わり、最後に植えたのがもう少したつと採れそうだ。これからはオクラやジャガイモ収穫後に蒔いたインゲンの出番になる。今夏の総括にはまだ早いが、虫に食われた小松菜以外は順調と言えそうだ。

その① 

その② 

ネットで覆っても虫に、無農薬は難しい 

三番手のキュウリ 

ひらさやインゲン 


方丈記とともに『雨の名前』

2014年07月16日 | 読書

列島に大雨をもたらした今年の梅雨も間もなく開けそうだ。そんな矢先に通称「けんかつ」の埼玉県民活動総合センターの人気講座『方丈記を読む』で川上講師より紹介を受けたのがこの本。鴨長明が庵での方丈の日々をどのように書いているか。「大自然の文芸」として杜甫や白楽天の漢詩とともに<古来、人々は「大自然」の中で「命と生活」を交流してきた>と解説し、雨もこれだけ詠まれてきたと。本を開いて先ず「婆威し」をチエック、「瞑怒雨」を「冥土雨」と勘違いしたり時節柄の「女梅雨」「蝦夷梅雨」などに納得。やはり好きな雨の名前は一般的な「桜雨」に落ち着く。著者は詩人だけに各章の“雨の物語”はもちろん、写真もいい。この雨意外に風・花・月の本があり、今度は『水のなまえ』が出たという。ともかく乾ききった灼熱の季節の前に雨の一日あれば、じっくり読んでみたい。

               


初の写真展出品、参加に意義を

2014年07月09日 | 雑記

半年前に入会した地元の写真サークルの写真展が始まった。なにせ初めてのこと、A3ノビという大きなサイズやバックシートなるものの使い方など分からないことばかり。みんなに教えてもらい、何とか出展作品を完成させた。今日、会場へ運んでパネルを組み立て、展示して準備OK.。「水おと風いろ」というテーマの作品群、さすがに先輩会員の皆さんは力作ぞろい。公募写真展の入選作6点もさすがと思わせるものだ。肩身が狭いが今回は参加することに意義ありと自分を納得させ、次回にむけて腕磨きだ。

 

                        

鴻巣市本町コミニティセンターで 


古代蓮の里は花も人も満開

2014年07月08日 | 雑記

新聞やテレビで見頃を迎えていると聞き、行田の古代蓮の里へ。朝の7時、隣町なので車で15分ほどで着いたが駐車場へなかなか入れない。誘導されたところも一杯で結局、路肩に。園内も大勢の見物客にびっくりしたが、久しぶりの古代蓮は花を広げて歓迎してくれた。三つの池の古代蓮以外に世界の花蓮や水生植物もあり、十分に楽しめた。だが帰りの道、反対車線の向かう渋滞の長い車列は何時間ぐらい待つことになるのだろうか、他人事ながら心配。土日や好天の日は避けたほうが無難のようだ。

園内はピンク色に 

忍城にちなんだ甲斐姫 

世界の花蓮も 


花壇の森で小さな冒険

2014年07月04日 | 市民農園

行きつけの市民農園の駐車場の周囲にフラワーガーデンがある。畑のあちらこちらにも花が咲いていて目を楽しませてくれる。数日前の晴れた日、花壇を覗き込んでいると小さな虫が花びらに取り付いて動き回っていた。蜜を吸うわけでもなく、きれいな花に魅せられての冒険だろうか。思わずシャッターを押した数枚。

やっとの思いで花びらの上に 

今度はどこへ  


夢に見たものの『だから荒野』

2014年07月03日 | 読書

昔読んだ本に『青年は荒野をめざす』というのがあった。若者が日本を飛び出してナホトカ航路からモスクワ鉄道経由、ヨーロッパへの冒険旅行の話。自分も含め当時の若者がこぞって読んで夢をふくらませたものだ。そしてこれは、身勝手な家族の中で不満をつのらせていた妻がついに爆発、夫と大学生・高校生の子供を残して家出する。自由、気ままに、まだ見たことのない遠くの世界へ身をおきたい。その冒険旅行は都内で久しぶりの散財、『ボレロ』のCDをかけながら東名を疾走する。しかし、その後の道中は車を盗られるなどトラブルの続発。何とかたどりついた長崎の地、そこで目的を得たかに見えた。だが<本物の荒野で生きる人のそばにいて、気分に浸っていただけ>と自分の甘さを知ることに。荒野を選ぶということは覚悟がいるもの、タイトルに納得の本。

                     


目に支柱!野菜畑に注意

2014年07月02日 | 市民農園

梅雨の晴れ間が続き、熱中症に気を付けていた野菜作り。だが、それ以外で病院に行くはめになってしまった。地面にかがんだ時に野菜の支柱を眼に突いてしまったのだ。シシトウを支えていた低い竹の棒、一瞬の衝撃で激しい痛みに手で押さえたまま、しばらく動けなかった。少したって、手を離してタオルを当てると血がにじんでくる。瞼が切れてないので中に入ったのではと眼科医に行くと思ったとおりだった。だが幸いだったのは眼球に沿って切れ、眼球そのものには傷がついていなかった。時計の1時から10時方向に切れて大きいが、縫合せずに傷口がふさがるのを待ちましょう、とのこと。化膿薬を2種もらい、4日後に経過観察。これで予定していたロングドライブの大朝日岳は延期。畑のほうは1日休み、眼帯にサングラスで作業再開。夏の暑さは注意力も散漫になる、加齢とともに気を付けねば。

(目に当たった支柱、折れてしまった)

小松菜の間引きとネット張り 

第2弾のオクラ 

今年はトマトがいい