まだ暗い2時半に起床、秩父の美の山へ向かう。昨日まで続いた雨がやんで晴れの予報、風も弱い。寒暖の差はあまり無さそうだが、それ以外の条件は揃った。数か月待った濃い霧、雲海を願い、慎重に夜道を走る。4時過ぎの山頂近くは、すでに手前から駐車している。一番奥の駐車場は路肩も一杯で下の駐車場へ戻るところ、幸い帰る車があって滑り込む。皆考えることは一緒と痛感、当然に撮影スペースは三脚が林立。眼下の秩父盆地には念願の雲海が華麗に横たわっている。諦めるわけにはいかない、なんとか間に入り込んで撮り始める。時の経過とともに暗闇がブルー色に変わり、マジックアワー。街灯りの赤、オレンジなどを引き込み、雲は海のごとく滑らかに波打つ。この下に暮らす人々は今、眠りの中でどんな夢を。そんなことさえも思いめぐらすひととき。薄明りから陽が射し込んで、今度は朝の雲海の時間。入れ替わりに展望台に来る大勢の人たちの歓声と満足の笑顔。同様の気持ちと再訪を心の中にしまい込み、濃霧の街中を通って帰った。
眠りの底で
夢の波間
薄明のとき
のぞく斜張橋
雲と光りの共演
フォトムービー『秩父雲海・夢の波間で』http://www.digibook.net/d/5715ebb3b0cf3429ef22dd35e66dce2e/?viewerMode=fullWindow&isAlreadyLimitAlert=true