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晴耕雨読、山

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雑記…

深く、染み入る『水のなまえ』

2014年09月16日 | 読書

水から連想する事象、例えば雨・川・海・涙・しずく。これらの言葉に詩情がただよう。だから多くの歌の中にも取り入れられている。この本はこれまでの写真家との共著『雨の名前』『風の名前など』と異なり、文章だけで<写真の目が届かないところまで>水にもぐり込んで、<心ゆくまで>水を見つめた。水が豊かなこの国では<水入り・水入らず・水をさす・水かけ論・水くさい・水と油>など、<ものごとを水にたとえて条理をわきまえようと…>してきた。砂漠の国ではありえない話だろうと納得。水のことわざにあった「上善は水の若(ごと)し」は新潟の酒「上善如水」よりもっと深い意味があった。他にも教えられたことが多くあったが、著者に親近感を覚えた一文。夏山のうれしさは頂上をきわめること以上に<鮮やかな花や蝶に出合うこと、山の水を飲むこと、麓の温泉に入ること、ビールと地酒を飲むこと>だと。同感なり。