早見俊の『居眠り同心影御用』シリーズの第16作、『悪手斬り』を読んだ。このシリーズは古書店で見つけ、第15作まで古本を買って読んだのだが、その後、新しい作品が出ていないので読めないできた。先日、八戸の全国チェーンの古書店に比較的新しい古書の棚に並んでいるのを見つけ購入しておいた。2015年4月が初版の発行だからだいぶ新しい。こういう発刊してすぐ出る古書は、まめに古本屋にいっていないと手に入らない。私などは、買ってから売り払うまでにはやはり数カ月たってしまう。よほどまめな人がいるのだろう。
北町奉行所の元筆頭同心で今では居眠り番と揶揄される蔵馬源之助の許に、例繰方与力の桃井陣十郎が訪れ、配下の同心が大川で溺死した事件を「事件性なし」とした吟味方の凄腕与力に疑念があるので内密に調査してほしいという。伝馬町の牢屋敷にいる盗賊「風の清次郎」本物かどうかを調べるために、岡っ引きの京次が在任に化けて牢に潜入した。その調査とからみあって、北町奉行所内の様々な問題が明らかになる。とても面白い展開だ。