学年だより「学習力(2)」
学ぼうとする「思い」は、どうやって作っていけばいいのか。
「よし、強い心を持とう!」と思っても、なかなかそうはならない。
「やる気を出そう!」と願っているだけでは、やる気が出ないのと同じだ。
「思い」は抱こうと思ったからといって、実現できるものではない。
逆説的な言い方になるが、マインドをつくるのはフィジカルだ。
運動部の人は、実感できるのではないだろうか。
身体の調子が良いときは、自然と気力も満ちあふれてくるものだし、逆の場合も当然ある。
気持ちを高めようと思ったときは、「よし気持ちを高めよう」と祈るのではなく、声を出したり、からだを動かしたりしなければならない。
学ぶ気持ちを高めるのは、「お願いします」と言う言葉であり、ノートを開き、姿勢を正して先生を見つめるという「振る舞い」だ。
苦手なものは、「好きになろう」と気持ちでがんばろうとしても、状況は変わらない。むしろマイナスにはたらく。
しかし、物理的に繰り返し接し続けると、次第に違和感が消え、いつしか好きになっていく。
それが人間の脳のシステムだ。
人間は気持ちがあるから動くのではない。
具体的な行動をするから気持ちが作られるのだ。
気持ちに支えられた物理的な学習時間が、学習力を形成していく。
そうやって身につけた学習力は、長く将来にわたって自分を支えてくれる。
学習力を身につけた結果として、自然に学校の成績も、模試の成績も上がっていく。
大学で学問をする力、社会に出てからの仕事力の基礎となる。
まずは、明日からの中間考査に真摯に取り組むという行動をとろう。