人気マンガ作品には、魅力的な人物がたくさんいる。
とくに「ジャンプ」の三大原則「努力、友情、勝利」がベースにある少年マンガを読んでると、「こういうヤツかっこいいよな」とか、「くうっ、このセリフ泣かせるぜ」とか思うことがよくある。
自分の学校にこんな生徒がいたら楽しいぜ、あいつなんかこのキャラクターと同じだなどとも思ったりする。
この子はナイスガイだな、勉強はそんなに好きではなさそうだが、この人柄なら、ぜひ指定校推薦でどこかの大学に推薦したいとも思う(無理矢理かな)。
少年マンガの魅力的キャラを文章で説明してみると、実にいい推薦文書ができあがることに気づいた。
「推薦書の書き方」数々あれど、この方法を発表した人はいないんじゃないだろうか。
元ネタのなりそうなマンガといえば、今はなんといっても「ハイキュー」だ。wikiってみた。
~ 日向 翔陽(ひなた しょうよう)。烏野高校1年1組。背番号10。ポジションはミドルブロッカー 。身長162.8cm、体重51.9kg(高校1年4月現在)。6月21日生まれ。好物はたまごかけごはんで、最近の悩みは「ボールが片手で掴めない」小学校時代に偶然テレビで観た、春の高校バレー全国大会の烏野高校の試合をきっかけに「烏野高校のエース・小さな巨人」を目指してバレーを始める。雪ヶ丘中学に入学後バレー部に入部するが、 … ~
なんとくわしく説明してくれてるのだろう。
しかし、雪ヶ丘中のバレー部は部員が日向ひとり。3年かけて助っ人をみつけ、入部した1年生もふくめて出場した初めての公式戦は惨敗。その時こっぴどい目にあわされた相手チームの影山と、高校で出会う。
バレーボール選手でなくても小柄な日向だが、持ち前の高い身体能力と、何事にも物怖じせずに取り組むチャレンジ精神で、高校入学後はめきめきと力をつけ、相手ブロックが反応できない早さで打つスパイクを身につけた。
性格は非常に素直で、何事に対しても一生懸命である。くせのある他校の選手ともすぐにうちとけるコミュニケーション能力があり、他校の部員からも「チビちゃん」とよばれかわいがられている。
日向の魅力はやはり、コミックを読まないとわからない。
本人そのものの魅力にまさる文章を書くには難しいということだ。
少しでも魅力を伝えるためには、いかに具体的に書くかにつきるだろう。
指定校推薦はいわば大学と高校との「出来レース」だから、文章でポイント稼いであげようなどという色気は必要ない(公募も本質は同じだけど)。
いっぽうで、選考や競争のある推薦試験は、少しでも印象に残る文章を書いてあげたいと思うものだ。
どうすればいいか。それは「具体的」に書くことにつきる。
指定校であれば「まじめに努力している、よくがんばっている」と丁寧に書いてあれば、問題ない。
フレーズ集をほどよく使い、日本語としての形が整っていればいい。
面接にたとえるなら、普通にスーツを着てネクタイをしめて、さわやかに自己紹介できればOKということだ。
他の人より気の利いたことを言おう、受け答えでポイントを稼ぎたい、印象をよくしたいなら、中身も必要になる。
「学習面では、すべての教科に努力した」だけでなく、どうがんばったかを書く。
手帳に綿密に計画を立てて、チェックしながらとりくんでいた。わからないときはいつも質問にきた。3年になってからは始業の1時間以上前に登校し、勉強していた。高校に入るまでは英語が苦手だったが、ユメタンのキムタツ先生にあこがれ、セミナーにでかけてサインのもらって以来、勉強全体にやる気がでて東大目指して必死に取り組むようになった … 。
マンガのキャラクターが、どんなエピソードの積み重ねでつくりあげられているかに気が付くと、いいお手本になる。
なんといっても、「努力、友情、勝利」は、学校的価値観においては無条件に賞賛されるものだから。
影山飛雄くん。本作のもう一人の主人公。烏野高校1年。
全ポジションの中で最も多くボールに触れてゲームをコントロールするセッターというポジションに対して、強い誇りを持っている。あまりの能力の高さのせいで、中学校時代は孤立していたが、高校で日向と出会い、懐の大きな先輩達にも支えられて、チームの中心となっていく。
バレー部主将の澤村大地くんについては、wikiの文章がけっこうそのまま使えそうだ。
~ 実直で温和な性格だが、本気で怒ると非常に怖い。部のことをまず第一に考えており、そのためなら無茶ともとれる判断を遠慮なく下すが、本気で部や部員のことを考えていることが伝わっているため、周囲の信頼は厚い。 … 中学時代もバレー部の主将を務めていて、弱小校という自覚を持ちながらも「勝とうとしなきゃ勝てない」と勝利への貪欲さを見せていた。 ~
それにしても、スポーツマンガと言えば、「巨人の星」「明日のジョー」で育った世代だが、今「ハイキュー」を読みながら、マンガもずいぶんと進化をとげたものだと感慨深い。
塚原選手(お父さん)の「月面宙返り」と、内村くんのすごいあれこれとの違いぐらいに発展してる。
一番の違いは、すべての登場人物の作りこみの綿密さだと思う。