水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

朝霞西高校定期演奏会

2019年03月31日 | 演奏会・映画など

 3月30日。トラックから楽器や荷物をおろし一息ついた時、川北先生からのメールに気づく。「逆リハになったので、9:45から3部です、来られないですよね……」。行ってやろうじゃねぇか。中島先生にお願いし、急遽パルシティへ。客席の導線や、スタンドマイクの位置など確認し、一通り歌わせていただく。

  自分のリハのあと時間があいたので、朝霞駅前に向かう。およそ30年ぶりに会う友人が朝霞駅前のホテルに泊まっているとのことで、ほどよい居酒屋などあるかどうか見にいった。有名なチェーン店がそこそこあるから、行き当たりばっかりでいいかと判断したのは、後で考えるとややあさはかだったが。こういうときに、「ここ」という行きつけのお店があればかっこいいのだが、そんな人生は送ってなかったなと思う。

  パルシティにもどる。リハ開始ころの様子を見た時、このペースで本番までに間に合うのかという心配がなかったとは言わない。しかし、天下のエンターテーナー川北栄樹には杞憂だった。

  「富士山(MontFuji)」「マードック」と続く重厚な一部、うちよりもセリフの多い二部の劇、そしてダンスやスペシャルゲストの3部。なんと盛りだくさんの演奏会なのだろう。あ、スペシャルゲストって、昨年に続きボーカリストとしてお招き頂いた私めのことだった。今年は西城秀樹「ブルースカイブルー」「ヤングマン」のメドレーを。紹介されて客席後方のドアから入っていくと、たくさんのお客さんから握手を求められる。まるでホームのあたたかさをだと感じ、バックについてくださったダンサーさんの完璧なふりにのせられ、遠慮なく歌いきった。今年も受け入れていただいたかもしれない。

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ありがとうございました!

2019年03月31日 | 日々のあれこれ

第27回定期演奏会に

ご来場いただきありがとうございました!

一年間、支えてくださったみなさま、ありがとうございました!

みなさま、おからだにおきをつけておすごしください!

新年度もがんばります!!

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第27回定期演奏会

2019年03月29日 | 演奏会・映画など

川越東高校吹奏楽部 第27回定期演奏会

日時 3月29日(金) 17:30開場 18:00開演

会場 ウエスタ川越大ホール(JR・東上線川越駅西口より5分)

演奏予定曲目

1部 五月の風
   インフィニティ
   マードックからの最後の手紙

2部 いきものがかりメドレー
    茜色の空の下、いつだって僕らは飛翔(はばた)こうともがいていた

3部 インディゴ・クラウド
   サウス・ランパート・ストリート・パレード
   映画「タイタニック」メドレー

  ご来場お待ちしてます!!

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世界一悲しいオーディション ~2部によせて~

2019年03月28日 | 日々のあれこれ

 2年前にアイドルユニット「スリー・リーブズ」やおたくを演じたメンバーが卒業を迎え、もう一回彼らを登場させたいと思い、「みきりん、アイドルやめるってよ」というタイトルだけ決めて企画を練りはじめました。ちなみにスリー・リーブズという名前は、一昨年大流行した「君の名は」のヒロイン「三葉」に基づいています。

  1月に「世界一悲しいオーディション」という映画を観て、方向性が決まりました。  アイドルグループBISHやBISを擁するWACKという会社があります。アイドルに憧れる女の子たちが、その会社のオーディションを受ける様子を描いたドキュメンタリーです。合宿形式で行われるオーディションは、まさに苛酷の一言。そこまでやることが本当に必要なのかと見ている方は感じる。しかし、わかっていてそこに飛び込んでいった子たちは、必死に耐える。

  たしかに、守られた環境で、作られた理不尽に耐えられないようでは、現実の芸能界を生きていくのは難しいという、その会社のプロデューサーの考え方には共感もしました。  歌やダンスはもちろんのこと、演劇のワークショップや自己啓発セミナー風のものまで、さまざまなトレーニングを経て、参加者たちは変わっていく。殻を破り、ちがった自分になっていく自覚も生まれる。同時にそれができない子は、途中でリタイアしていくことになる。

  今自分がやっていること、やらされていることの意味を、つきつめて考えてはいけない。目の前の課題に、まずは懸命に取り組んでみることがむしろ重要で、合宿の終わり頃には自然淘汰的にオーディションが終わり、同時にアイドルとして活動していく下地ができあがっていく。  指導するのは、その世界では有名なカリスマプロデューサー。

  カリスマ的な指導者のもとで、圧倒的な努力を積み上げて、常人を超えた力を発揮させるようにするシステム。これって、(一部の)部活動と似ている……。傍からみれば、そこまでやらないといけないのか、ブラック部活ではないかと言われたりもするが、若い生命体の圧倒的な努力は、ときに想像を超えるパーフォーマンスを生むものです。スポーツでも芸術分野でも。

 ということで、はじめてタイムマシンとかレンジャーとか幽霊といった「飛び道具」のない脚本になりました。なので、書いている途中から、共学の学校さんでも使える台本になってるなと思いました(どこかやってくれませんか)。ただし、たくさんの男子が女子高生になるということ自体が飛び道具の極致で、まずはそこを十分に楽しんでもらいたいです。

  部活はアイドル育成と同じ。「旬」は短い、ていうかたった3年。そして次から次へと入れ替わる。アイドル活動を終えて、それぞれの道を進んでいく彼ら、彼女たち。そのままつながっている子もいれば、全く疎遠になる場合もある。かりに何年も会ってなくても、突然再会したならば、昔と同じ感覚で話ができる。時には相談にのったり支えになってあげたりもできるかもしれない。それは、現役時代に、ともに苦しみ、ともに泣き、ともに笑い、ともに悲しみ、ともに支え合うという経験をしているからだ。そんな経験が一緒にできるからこそ仲間だ。

  楽しいこと、簡単にできることをやるためにちょっと集まって、離れていっただけでは、仲間にはなれない。同じ苦労をしている他校の部員も仲間。ときには当人以上にひやひやして見守っている周りの大人達も、広い意味では仲間かもしれない。そして、ほんとうの仲間だったかどうかは、アイドル時代が終わったあとにわかるのかもしれない、などと考えています。

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人生の「攻略」法(2)

2019年03月22日 | 学年だよりなど

  学年だより  人生の「攻略」法(2)


 圧倒的な量のトレーニングをこなすと、脳そのものが変化するという話(学年だより№46)を前に書いた。その臨界点が「1万時間」ということなのだろう。
 量をこなすことによって、特定の技術が身につくだけでなく、その部分を司る脳の領域そのものが変化していくという。これから脳を作り変えていけなら、「無限の可能性がある」という言葉もウソではない。ただし、「何をやっても」とは言えない。
 自分の好きなことでなければ、「1万時間」を費やせないからだ。


 ~ 最近はキャリア教育とかいって、大学生のうちに、あるいは高校生のときに、自分の「スペシャルなもの」を見つけなさいと教えているようだけど、ぼくはこれをあまり信用していない。高校生のときは彼氏/彼女のことで頭がいっぱいなのがふつうだし、大学生は遊びに夢中で、たまに「こんな世の中はまちがってる」とか「この世界をもっとよくしたい」とか議論する方がずっと健全だ。だから、こういう「教育」は話半分に聞き流しておけばいい。
 大学3年生になると就活がはじまって、そのルールをどうするかでもめている。これについてもぼくは、大学を出て(中退でも高卒でもいいけど)どこかの会社で働くことは勧めるけど、就活に必死になることはないと思っている。
 かつての日本は、いったん就職すると、その会社に40年間閉じ込められるのが当たり前だった。就職氷河期の頃は、「就活に失敗すると一生負け組」といわれた。でもこんな異常な制度は崩壊しつつある。いまでは20代なら、あるいは30代前半までは、何度でも転職できるようになった。
 最初から「好き」がわかっていて、夢に向かって一直線に進んでいける幸運なひとを除けば、「好きを仕事にする」方法はたぶんひとつしかない。それはトライ&エラーだ。そのときに大事なのは、会社ではなく仕事を選ぶことだ。
 世の中にはものすごくたくさんの仕事がある。それでもなんとなく、自分に向いているものと、向いてないものはわかるはずだ。なぜなら、君のスピリチュアルが「自分らしくない」ものを拒絶するから。
 こうやって自分に向いていそうなものをある程度絞り込んでも、まだまだたくさん仕事はある。だとしたら、あとは試してみるしかない。
 自分らしいかどうかを基準にして、面白そうな仕事をいろいろ試してみるなかで、なにが「好き」かがわかってくるはずだ。 (橘玲『人生は攻略できる』ポプラ社) ~


 大人がみなさんを見てうらやましく感じるのは、みなさんが持っている時間という資産のあまりの大きさにまぶしくなるからだ。
 好きなことを探す時間があり、一流になるための努力をする時間がある。
 さらに言えば、「人類史上もっともゆたかな日本に生まれた」という幸運を手にし、健康な精神と身体を有している。この資産こそが幸福の土台だ。有効に使ってみませんか。

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人生の「攻略」法

2019年03月22日 | 学年だよりなど

  学年だより 人生の「攻略」法


 日本の社会の高齢化は進む一方であり、経済力は東南アジアの国々にどんどん抜かれていき、国の借金は嵩むばかりで破綻するのも時間の問題であり、この先いろんな仕事はAIにとってかわられ失業率も増えていく……。
 日本の若者の未来は明るいとは言えないという話を耳にしたことはあるだろう。
 しかし見方を変えるならば、そういう社会において、若者の価値は高くなる一方だということでもある。


 ~ 少子高齢化によって、これからの日本は高齢者がものすごく増えて、若者がどんどん少なくなっていく。これはふつう、「高齢者の年金や医療費で国の財政が破綻しそうになって、そのしわ寄せで若者が割を食う」と説明される。たしかにそういうことはあるだろうが、もうひとつ大事なのは、「たくさんあるものは価値が低く、すこししかないものは価値が高い」という市場原理だ。
 この「需要と供給の法則」によって、若い君たちの「市場価値」はこれからどんどん高くなっていく。人手不足が深刻化する日本では、大学を卒業すればほぼ全員が就職できるし、優秀な若者を大企業が奪い合うようになった。いまですらそうなのだから、君が社会に出る頃にはさらに価値が上がって、なんでも好きな仕事を選べるようになるだろう。
 だとしたら、このチャンスを活かさない手はない。
「幸福の土台」を手に入れるために必要なのは、新しい時代のルールを理解して、大事なところで正しい選択をすることだけだ。これで人生は「攻略」できる。 (橘玲『人生は攻略できる』ポプラ社) ~


 人生を「攻略」する手段として、「好きな仕事をする」ことが一番だと橘氏は言う。
 なぜか。好きなことは「圧倒的な努力」ができるからだ。
 好きなこと、得意なことは頑張れる。それによって他人から評価される。
 すると、ますます好きになって夢中になってがんばれる。
 「1万時間の法則」というものがある。
 どんなことでも、一流になるには1万時間の訓練や実践が必要だという法則だ。
 1日10時間やって1000日。1日10時間の練習を3年間続けること。一日5時間なら6年。
 相当の量にも思えるが、スポーツや芸術の分野で一流の人を想定してみれば、ふつうにこなしている量のはずだ。
 3歳から毎日5時間ピアノを練習し続け、小学校高学年でコンテストで上位入賞するというレベルだ。超一流をめざすには十分ではない量だとも言える。
 とはいえ、好きなことでなければ、それだけの努力を積み上げることはできない。
 小さいうちから親がやらせようとしても、その子にあっていなければ続かない。
 逆にたまたま、好きなことにめぐりあえば、一日何時間でもやっていられる。
 1日3時間の努力を10年できれば、一流になれる。
 みなさんは、たいがいのことに、今からチャレンジして一流になれる時間をもっている。

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慶應志木高校器楽部定期演奏会

2019年03月20日 | 演奏会・映画など

 3年生は、3学期の始業式にセンター試験、入試に向けての決起集会を行うのが恒例だ。
 自分の学年では、進路指導部長、学年副主任からの激励の言葉につづき、自分の音頭で「時の声」をあげてしめくくる。
 この役を担うようになって必ず、アントニオ猪木氏の「この道をゆけば」を語り、「1・2・3・ダー!」をみんなで絶叫する。
 前々回からは赤いタオルもかけているのだが、アントニオ猪木といっても通じない生徒さんが増えてきたことも事実だ。
 これからはどうしようか、何かかわるものはないかとも考えていたが、慶應志木さんの音楽劇を見て、再来年の1月も「1・2・3ダー!」でしめようと決断できた。
 慶應志木さんの演奏会は第一部が、お芝居系ステージ。
 アントニオ猪木の後継者であるアントニオ元気。次世代を担う子孫アントニオムジャキ、ゴロツキ、ヒデキカンゲキたちの成長を願い、旅に出すことを決意する。
 とくにもどかしい思いで見ていたのはムジャキだ。その優しい性格は認めているものの、一族の使命を思うならば、一皮むける必要がある。かわいい子には旅をさせろ。元気に願いどおり、旅の途中ででくわした試練を乗り越え、ムジャキは成長する。
 ムジャキを支えたのは仲間であり、音楽の力だった。自らの力に開眼したムジャキは、ついにユウキを名乗ることを許される……。
 冒険と成長。王道のストーリーと、吹奏楽定番のききやすい楽曲。ギャグも基本的だが、お客さんのタイプを計算している。
 そして多少強引にやりきってしまう、メンタルの強さ。うちの部員たちにもいい刺激となったことだろう。
 注文がないではなかった。どうせ森に迷い込み、動物を登場させるならば、タイガージェットシンの息子とか設定してほしかった。旅を邪魔する長州力の子孫とか、実は最後に助けてくれたのはスタンハンセン一族だった……、なんてのは、さすがに今の若者には通用しないか。
 二部はうってかわってまじめな演奏かと思いきや、「星に願いを」で全員がぶりっこダンスしたり、「風になりたい」を歌わされたり、もはや吹奏楽界の古典芸能ともいえる「テキーラ」があったりの、盛りだくさんな内容。完成されたパッケージがある。
 同じ男子校として、負けられない、やらねばとパワーをもらえた2時間強だった。

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「意識高い」系

2019年03月18日 | 学年だよりなど

  学年だより 「意識高い」系


 リア充ぶりを自慢してみたり、人脈をアピールしてみたり、社会や政治に大人っぽい意見を述べてみたり、かるく他人を見下すような発言をしたり……。
 SNS上の発信からは、どれだけすごい人物かと一瞬思わせるものの、実際の本人はたいしたことないという意味まで含めて「意識高い系」とよばれる、こういう人たち。
 みなさんが大学に行けば、現実の存在として、きっと出会うことになるだろう。
 名刺を配りながら、自分が主催するセミナーやイベントに誘ってくるタイプだ。
 就職活動では、「○○人規模のイベントを立ち上げて成功させました」的な発言をし、面接官に「ほお、たいしたものだね(またか…)」と笑顔(苦笑)せしめてしまう。
 そういう人は、就職してからもいつまでも自分探しをしがちだ。


 ~ だから転進する機会を求めて、交流会に足しげく通う。あるいは「自分が本当にやりたいこと」がどこかにないかと、セミナーに参加しまくる。
 とくに、セミナーを開催すれば、少なからずそういう方は参加してくれます。
 もちろん積極性があるぶん、まったく勉強しない人よりは、はるかに将来の可能性はあるでしょう。ただ、残念ながら、勉強の成果を生かすことは難しくなります。
 「時代の最先端の知識」や「人生100年を生きるのに必要な考え方」を学んでも、「いまの仕事」がベースとして確立していないと、そこに新しいものを積み重ねても、飛躍することはできません。
 また、いくら時代の最先端で活躍していると知り合っても、現在の自分の仕事が人から認められるものになっていないと、出会いを新しい仕事の発展に結びつけることはできないのです。
 ですから、「天職」のようなものを見つけたいなら、まずは「いまの目の前にある仕事」を、一度究めなくてはいけません。
 ひょっとしたら、現状の仕事に不満を抱えているかもしれないし、心から楽しむことができないかもしれない。それでも「修業」と思って、そこで納得できる結果を出しておく必要があるのです。
 それをやっておかない限り、望んでいる次のステップには、なかなか進めません。ある意味、ゲームのステージを1つ、クリアするようなものでしょう。 (井上裕之『マルチプル超勉強法』冬至書房) ~


 物事がうまくいかないとき、結果が出ないときに、人はその原因を自分以外に求めがちだ。
 そして目の前の1場面をクリアしないまま、迂回路や裏技を探そうとする。
 勉強でいえば、塾に行ってみようとか、新しい参考書に手を出してみたりするのとメンタル的には近い。目の前にある課題を、地道な作業を、反復練習を、まずクリアしてから先に進もうとしないと、どの局面でも逃げようとしてしまう。
 「意識が高い」風を装っていろんなことに手をそめる前に、一つずつ結果を積み重ねていく習性を身につけていくことが必要だ。

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1.01の法則(2)

2019年03月09日 | 学年だよりなど

    学年だより「1.01の法則(2)」


 「春休みに何をやったらいいですか?」「何から手をつけたらいいでしょうか?」
 こうした質問を受けると、「○○君もやる気になってきたか」と一瞬ほほえましく感じるものの、その真意は別のところにあるのではないかと思えることがある。
 その質問をしている本人もおそらく無自覚なまま。
 なぜなら「やるべきこと」は、私たちはすでに語り尽くしていて、みなさんも確かに聞いているはずだからだ。
 春休みに何をやったらいいか。何をやるべきなのか。
 自分の目標と現状を見比べてみた場合、もしそれが本当にわからないとしたら、そのこと自体が問題だと言えるだろう。
 逆にわかっていながら質問してしまうのは、「少しでもやることを減らせないか」「てっとりばやくクリアする方法はないか」という気持ちが、どこかにあるからではないか。
 もちろん、効率のよさを求める気持ちはあっていい。
 これまで、様々な分野において、少しでも効率のいい方法がないかと多くの人が試行錯誤し、その結果として新しいテキストや参考書も生まれた。
 しかし、何にどう取り組むにせよ、結果が出るかどうかは、やったか、どうかだ。
 どうしようかと考えている時点は、前に進んでいない。
 ベストの方法ではなくても、やりはじめた人は前に進んでいる。
 今日で5回の定期考査が終わり、新共通テストの範囲でいうと約半分までたどりついた。
 中高一貫で勉強をはじめている学校は、すでに全範囲を勉強し終えている。
  部活をやらずに毎日8時間授業をやっている学校さんも、相当進んでいることだろう。
 みんなが行きたいと考えている大学は、そういう人たちがライバルになる。
 みんなも、どこかの段階でそういう学校に行く選択肢はあった。
 しかし、自分の意志でこちらを選んだ。
 受験勉強そのもののスタートは遅くても、人としてのスタートが遅かったわけではない。
 何かを身につけること、そのための体力、精神力の面では、劣っていない面、むしろすぐれている面もある。
 それらをフルに稼働させ、「0.01」ずつ上げていけば、追いつき追い越すことは不可能ではないことは、たくさんの先輩達が証明している。
 ただし、きわめて現実的な例で言うと、定期考査の英語で8割とれない状態のまま、MARCHレベルに合格することはない。これも、今年の先輩達の結果からはあきらかだ。
 電車の中でスマホを出してゲームをするのか、単語を覚えるのかで、人生は変わる。
 効率のいい方法がないかを考えるよりも、「0.01」ずつ進んでいくことだ。
 まず、今日中に、やるべきことをリストアップしてみよう。

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「である」ことと「する」こと(8)

2019年03月08日 | 国語のお勉強(評論)
価値倒錯を再転倒するために
㉗ 現代のような政治化の時代においては、深く〈 内に蓄えられたもの 〉への確信に支えられてこそ、〈 文化の(文化人のではない!) 〉立場からする政治への発言と行動が本当に生きてくるのではないでしょうか。まさに〈 そうした行動 〉によって「である」価値と「する」価値の倒錯――〈 前者の否定しがたい意味を持つ部面に後者が蔓延し 〉、〈 後者によって批判されるべきところに前者が居座っているという倒錯 〉を再転倒する道が開かれるのです。

Q58「内に蓄えられたもの」とは具体的にはどのようなものか。
A58 教養、芸術、学問

Q59「文化の(文化人のではない!)」と断っているのはなぜか。
A59 文化が文化人の専有物ではなく、深く内に蓄えられたものをもつすべての人のものであるということを確認するため。

Q60「そうした行動」とは何か。本文の言葉を用いて30字以内で記せ。
A60 政治に対して文化の立場から発言したり行動したりすること。

Q61「前者の否定しがたい意味を持つ部面に後者が蔓延し」ている状態を、一言でどう表現しているか。8段落から抜き出して答えよ。
A61 過近代的

Q62「後者によって批判されるべきところに前者が居座っている」ている状態を、一言でどう表現しているか。22段落から抜き出して答えよ。
A62 前近代性


現代=政治化の時代においては

深く内に蓄えられたものへの確信
  ↓
文化の立場からの政治への発言と行動
  ↓
「である」価値と「する」価値の倒錯
   ∥
  前者の否定しがたい意味を持つ部面に後者が蔓延 = 過近代的
  後者によって批判されるべきところに前者が居座っている = 前近代性
   ↓
再転倒する道が開かれる
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