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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

なにわ〈オーケストラル〉ウインズ東京公演

2015年05月06日 | 演奏会・映画など

 

  連休は、この演奏会を聴いて終わる。
 今年も、おなか一杯になるほどの吹奏楽の名曲を堪能させていただいた。
 コンクール課題曲の演奏もお目当てだが、普通に一回演奏したあと、恒例の実験コーナーがある。

 Ⅰ「天空の旅」での実験は「いろんな動きをつけてみよう!」。
 スタンドプレーや、メロディーに合わせての踊りのような動きを、プレーヤーたちが極端に行ってみようというのだ。
 いきなりホルンのベルアップではじまると、クラリネットにメロディーがくればセクションみんながベルをお客さんに向ける。トランペットはファンファーレで当然スタンドプレー。鍵盤の方が、長い音符の引き延ばしを全身の動きでアピールする。
 客席が笑いでつつまれてたけど、でもね。笑える人はそんなにいないと思うよ。
 吹奏楽関係じゃない人から見たら、どれだけ変な演奏、不可思議な動きを、われわれはしていることか。
 両足をぴったりくっつけて吹く姿勢なんてのも、普通に考えたら不自然に決まっているのに、上手な学校がやっていると、けっこうな学校がマネをする。
 金管楽器群が、求められる音量によって、ベルの高さをきちっと管理し、ぴたっとそろえるのは、おれもやらせる時があるけど、効果はどんなもんだろ。
 打楽器の体の動きが、コンテンポラリーダンスみたいな学校さんもある。
 コンクールの演奏直前、演奏者が全員まっすぐ前を向いて座っていたり、審査員席をガン見してたり。
 「こんな不自然なのは、まねしちゃいけませんよ」とお話になる丸谷先生だが、淀川工科高校さんも、それなりの様式美をもっている。
 そして全国大会にコマを進めるバンドは、一挙手一投足が「お手本化」するのだ。
 ふだんオーケストラに所属されている皆さんのパフォーマンスは、「吹奏楽ってこんな変なことをやってますよね」という、悪気のない皮肉にみちていて、自分はいい気分はしなかった。

 Ⅳ「プロヴァンスの風」は、「極端に少ない人数でやってみよう!」。たとえばクラリネットは加藤先生お一人で、みたいな編成になる。これはかえってすっきり聞こえてよかった。
 ただし、技術的難しさがより浮き彫りになった感がある。

 Ⅲ「秘儀III 」は、曲そのものが実験みたいなものだからということで、普通に演奏するだけ。
 休憩のあと、酒井格先生の「森の贈り物」はあまりにも美しかった。
 なにわウインズの面目躍如だろう。

 さて、Ⅱ「春の道を歩こう」は、「木管楽器だけで演奏してみよう!」。
 トランペットしか吹かないパーツは、オーボエが代わりに演奏したりする。
 なるほど、こんな響きになるのか。
 それにしても、丸谷先生のマーチはノリがはやすぎて、ちょっと落ち着かない。もっと味わって演奏したいなあ。

 難曲のⅤ「暁闇の宴」は、「コンマスが指揮してみよう!」。
 拍子を、あえて譜面通りきちっと振って合図するような指揮をされていた。
 
 なにわウインズの演奏会は、これで何回目になるのだろう。
 正直言って、実験コーナーはもう数年前からネタ切れで、今回の企画も面白くはあるけど、勉強のつもりで訪れているたくさんの中高生に、何かを与えることができたのかというと疑問だ。
 どうせなら、オーソドックスな編成で、人数少なめと多めで、普通に二回ずつ演奏してくださった方がいいと思うのは自分だけかな。
 あまりにも音が美しすぎるので、余計なことしなくていい、お願いだから普通に聴かせてという気分になった。

 課題曲のあと、アルメニアンダンスパートⅡ、アッペルモントの交響詩「エグモント」とつづき、アンコールでバーンズの交響曲3番。バーンズは抜粋とはいえ20分はあった。
 すきやきとお寿司でお腹いっぱいなのに、ステーキがでてきて、でもおいしそうなので食べざるを得ない。
 しばらく演奏会は行かなくてもいいかなというぐらい、チャージしまくった。

コメント
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