2学年だより「もう少しだけ」
アチーブ38「感性は感動しない」(椹木野衣先生:秩父出身、美術評論の大御所です)の一節。
~ 感性とは「あなたがあなたであること」以外に根拠を置きようのないなにものかだ。一枚の絵の前に立って、いったいあなたがなにを感じるのか。たしかに、その感じ方には、当人が受けて来た教育や慣習といった様々な背景によって色が付いているだろう。しかし、それはそれでよいのである。芸術にはまっさらな気持ちで接するべきだとする、別のかたちの潔癖主義の誘いに乗ることはない。芸術作品とは自分がなにものであるかを映し出す鏡なのであるから、汚れた自分のままがよいのだ。むしろ自分の汚れを絵に映してしっかりと見届け、そこから先へ進んでゆく糧にすればよい。 ~
みなさんは、すでに「汚れ」ている。
この世に生を受けておよそ17年の間に、さまざまなことを学び、身に付け、思考の型もできあがってきている。
生まれたばかりの純粋な脳にもどれることはない。もどってしまったら悲劇でもある。
大事なのはどういう「汚れ」方をしているのかの自覚なのだろう。
たとえば、試験が近づいて「勉強しなければ」と思いながら、気がつくと遊んでいたり寝ていたりする自分がいる。試験が終わるころになると決まって「次こそは早めにちゃんとやろう」と思い始めたりもする。そんな自分に、ときに嫌悪感を抱いたり、こんな自分を変えたい思う。
しかし、人はそうそうは変われない。
うすうす感づいている人もいるかもしれないが、みなさんの数倍生きた経験(自分自身もだし、多くの人を見てきて)からも、それは間違いない。
だから、変えよう = 汚れを落とそう、などと思わなくていいのだ。できないのだから。
~ 「変わる」ためには、自分を「捨てる」必要は全然ありません。「変わる」ためには「増やす」のです。
今までの自分になかった「考え方」を増やすだけで、変わっていけるのです、今までの自分を否定しなくていいのです。
今までの自分を否定すると、自己肯定感が低くなります。
そうなると、新しい考え方を増やすことに抵抗感が生まれます。
変われない人も、新しい考え方には抵抗感がありません。
変われない人にとって、抵抗感があるのは、今までの自分を捨てることなのです。
しかし、そうしなくてもいいのです。
「自分の好きなところ」も、「好きじゃないところ」も宝物です。
とっておいたほうが、むしろいいのです。
心のなかは、家と違って、スペースは無限にあります。
捨てなくていいので、新しい考え方を、どんどん取り込んでいけばいいのです。
(中谷彰宏「幸福感が湧いてくる『育自』の工夫」灯台6月号)~
ちょっとづつ「足し」ていくことなのだろう。
急に変わろうとしたり一気にやろうとしたりせず、「もう少しだけがんばってみよう」を繰り返していけばいい。
明日からの健闘を祈る。
アチーブ38「感性は感動しない」(椹木野衣先生:秩父出身、美術評論の大御所です)の一節。
~ 感性とは「あなたがあなたであること」以外に根拠を置きようのないなにものかだ。一枚の絵の前に立って、いったいあなたがなにを感じるのか。たしかに、その感じ方には、当人が受けて来た教育や慣習といった様々な背景によって色が付いているだろう。しかし、それはそれでよいのである。芸術にはまっさらな気持ちで接するべきだとする、別のかたちの潔癖主義の誘いに乗ることはない。芸術作品とは自分がなにものであるかを映し出す鏡なのであるから、汚れた自分のままがよいのだ。むしろ自分の汚れを絵に映してしっかりと見届け、そこから先へ進んでゆく糧にすればよい。 ~
みなさんは、すでに「汚れ」ている。
この世に生を受けておよそ17年の間に、さまざまなことを学び、身に付け、思考の型もできあがってきている。
生まれたばかりの純粋な脳にもどれることはない。もどってしまったら悲劇でもある。
大事なのはどういう「汚れ」方をしているのかの自覚なのだろう。
たとえば、試験が近づいて「勉強しなければ」と思いながら、気がつくと遊んでいたり寝ていたりする自分がいる。試験が終わるころになると決まって「次こそは早めにちゃんとやろう」と思い始めたりもする。そんな自分に、ときに嫌悪感を抱いたり、こんな自分を変えたい思う。
しかし、人はそうそうは変われない。
うすうす感づいている人もいるかもしれないが、みなさんの数倍生きた経験(自分自身もだし、多くの人を見てきて)からも、それは間違いない。
だから、変えよう = 汚れを落とそう、などと思わなくていいのだ。できないのだから。
~ 「変わる」ためには、自分を「捨てる」必要は全然ありません。「変わる」ためには「増やす」のです。
今までの自分になかった「考え方」を増やすだけで、変わっていけるのです、今までの自分を否定しなくていいのです。
今までの自分を否定すると、自己肯定感が低くなります。
そうなると、新しい考え方を増やすことに抵抗感が生まれます。
変われない人も、新しい考え方には抵抗感がありません。
変われない人にとって、抵抗感があるのは、今までの自分を捨てることなのです。
しかし、そうしなくてもいいのです。
「自分の好きなところ」も、「好きじゃないところ」も宝物です。
とっておいたほうが、むしろいいのです。
心のなかは、家と違って、スペースは無限にあります。
捨てなくていいので、新しい考え方を、どんどん取り込んでいけばいいのです。
(中谷彰宏「幸福感が湧いてくる『育自』の工夫」灯台6月号)~
ちょっとづつ「足し」ていくことなのだろう。
急に変わろうとしたり一気にやろうとしたりせず、「もう少しだけがんばってみよう」を繰り返していけばいい。
明日からの健闘を祈る。