水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

語彙力アップ 黒崎政男「ネットが崩す公私の境」

2021年09月29日 | 国語のお勉強(評論)
語彙力アップ 黒崎政男「ネットが崩す公私の境」
 空欄に漢字・読み方・意味・対義語etcを記入しなさい

1 ~屋(~や)…… ~を商売にする人・家。~する人を( 見下 して)呼ぶ時。
2 ~なるもの…… ~であるもの・~( とかいう )もの。~を見下して言う時。
 ☆ ~たるもの…… ~である者・~であるならば(~としての 規範 を言う時)。
3( 事態 )じたい……よくない状況、なりゆき。
4( 腐敗 )ふはい ☆ 腐る( くさ る)・敗れる( やぶ れる)
5( 啓蒙 )けいもう……道理に蒙い( くら い)頭を、啓く( ひら く)。
6( 教化 )きょうか……特定の考えを( 教え込む ) ☆ 教育……教え育てる
7 揶揄( やゆ )……( からかう )こと。
8 全身( 全霊 )ぜんしんぜんれい……身( 身体 )と霊( 精神 )の全てで
9( 権威 )けんい……authority ☆( 権力 )……power
10 メディア……( 媒体 )、なかだちとなるもの
 マスメディア……( 大衆 的)メディア・マルチメディア……( 複合 的)メディア
 ・パーソナルメディア……( 個人 的)メディア
11( 変容 )へんよう…… 容( かたち )を変える
12 被る( こうむ る) ☆ 帽子を被る( かぶ る)・法被( はっぴ )を着る
13( 享受 )きょうじゅ ←→( 提供 )
14( 消失 )しょうしつ ←→( 出現 )
15( 崩壊 )ほうかい 崩れる( くず れる)・壊れる( こわ れる)
16 目下のところ( もっか のところ)……( 現時点 で)・さしあたり・すぐ近く
17 ~をきわめる……「~」=「主に( 悪い )状態」がこのうえない
 ☆ 混迷を極める・凄惨を極める・多忙を極める・猖獗( しょうけつ )を極める
18 泣き寝入り……不本意ながら( あきらめる )こと
19 せざるを( 得(え) )ない…… しないわけにはいかない ☆ やむを( 得 )ない
20( 告発 )こくはつ ☆ 告げる( つ げる)・発く( あば く)
21( 論拠 )ろんきょ……議論の拠( よりどころ )
22( 証拠 )しょうこ……事実認定の( 拠(よりどころ) )
23( 匿名 )とくめい……本名を匿す( かく す)
24 誹謗( 中傷 )ひぼうちゅうしょう
 ☆ 誹る(そしる)・謗る(そしる)・中てる( あ てる)・傷む( いた む)
25( 形態 )けいたい ☆ メディアの( 形(けい)態(たい) )・スマホの( 形(けい)体(たい) )
26( 制約 )せいやく ←→( 自由 )
27( 検索 )けんさく ☆ 検べる( しら べる)・索める( もと める)
28( 有用 性)ゆうようせい……どれくらい( 役に立つ )かの度合い
29( 関与 )☆ 関わる( かか わる)・与る( あずか る)
30( 淘汰 )とうた……よいものと悪いものを( より分ける )
31( 思考 )しこう……考え thinking   32( 思念 )しねん……思い thoughts
33( 吟味 )ぎんみ…… 物事を( 念入り )に調べること
34( 短絡 )たんらく……深く考えずに二つの物事を結びつけること
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マネ

2021年09月27日 | 学年だよりなど
1学年だより「マネ」


 大谷選手(今朝も残念!)が書いた目標記入用紙(マンダラチャート式)を、紹介したことがある(№10・11)。同じようなものを書いてみた人はいるだろうか。
 大谷選手と全く同じ目標を立て、同じくらい努力したとする。ほぼ間違いなく言えるのは、その結果大谷選手と同じになれる人はいない。マドン監督が言うように、次に同じレベルの人が生まれるのは100年後だ。
 誰も大谷選手にはなれないが、彼の努力の仕方をまねすることはできる。
 目標を細分化することで具体化し、それを紙に書いて視覚化することで、迷わずにやるべきことをこなしていける。
 結果はマネできないが、過程はいくらでもマネできる。


~ サッカーができない人は、ボールばかり見てしまいます。
 一流のサッカー選手はボールを見ていません。
 全体がどうなっているかを見ていれば、ボールがどこにあるかが大体わかります。
 弓を習いに来た人で、的ばかり見る人はセンスがありません。
 的に当たったかどうかはどちらでもいいのです。
 それより、弓を射ている人を見てマネします。
 的を見ても、的に当てることをマネすることはできません。
 ボウリングも同じです。
 本当にボウリングが好きな人は、ボウラーの投げ方を見ます。
 倒れるピンの本数や動きは見ていません。
「こうやって投げるのか」とフォームを見て、結果を見ないことが、習う時に大切なことです。
 結果をマネしようと思ってもできません。
 結果より、「あの人は何をしてうまくいっているのか」という原因に注目します。
 うまくいくためにしていた仕込みのところをマネすればいいのです
               (中谷彰宏『20代をどう生きるか』リベラル社) ~
 

 世の中には、ありとあらゆる分野において、たくさんの「お手本」があふれている。
 ネットの時代になり、そのお手本の映像が簡単に手に入るようにもなった。
 情報があふれていながら、そこから何も学ぼうとしないとしたら、それは自分を変えようとしていないことになる。
 逆に、「なんで自分は○○になれないのだろう」と悩むのも間違っているだろう。
 それはキミが○○ではないからだ。結果にはなれない。私達は大谷選手ではない。藤井棋士ではない。でも○○をマネて頑張ることはできる。その結果、違った何ものかになれる。
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ジャンルを越える(2)

2021年09月24日 | 学年だよりなど
1学年だより「ジャンルを越える(2)」


 大谷選手がもし投手だけをやっていたら、余裕でもっと勝ち星を増やしていただろう……。
 大谷選手がもし打者に専念していたら、ぶっちぎりでホームラン王をとるはずだ……。
 そう考える人は多い。メジャーリーガーも含めて。そうなのかもしれない。一方で本当にそうなのかなとも感じる。二つやっているからこそ、両方に取り組めているからこそ、今年これだけの成績を残しているのではないかと。
 次元は異なるが、「文武両道」したからこそ、勉強も部活動もいい結果になったと言える先輩達をたくさん見てきた。
 もちろん、彼らも片方に専念していたら、もっといい成績をその「片方」であげられたかもしれない。ただ実感としては、専念した場合と、両方やった場合とで、やはり結果は同じくらいではなかったかとも思う。
 たとえば一昨年、野球部で3年の夏までがんばり東大に合格した西山先輩が、「部活動があったからこそ、モチベーションも保てたし、集中力を身につけられた」と言うのは真実だと思うのだ。
 逆に、勉強にしぼった結果、部活動をやっていた頃ほど伸びなくなったという先輩もいた。
「片方に専念すれば、もっとよくなる」という発想自体が、自分の枠を離れられていないということなのかもしれない。
「大谷選手に感謝する」と語るのが、シンシナティ・レッズのマイケル・ロレンゼン選手だ。
 大学時代、外野手と投手両方で活躍していた彼は、2013年に1巡目指名でレッズに入団した。
 ロレンゼンは「投打両方やらせてほしい」と申し出たものの、チームはあくまでも投手として起用したがった。しかし、大谷選手のメジャー移籍を機に、チャンスが与えられるようになる。


~「僕は大谷にとても感謝しているんだ。彼が二刀流という夢を貫いて努力してきたおかげで、道が拓けた。大谷がいなければ、レッズが僕に二刀流のチャンスを与えることはなかっただろう。
……僕は基本的に、投打両方ともやる場合は、どちらかに特化した練習ではなくて、アスリートとしてのトレーニングに重点を置いた方が効率的だと考えている。両方をトレーニングするには時間が足りない、ということもあるけど、そもそもグラウンドでのパフォーマンスは身体能力に任せればいいんだ。大谷は究極のアスリートだから、二刀流をハイレベルで実現しているよね。……怪我したらすぐに『やめたほうがいい。どちらかに集中すればいい』という批判が起きるけど、『ノー、違うよ』と僕は言いたい。大谷は怪我を克服して今年、活躍した。だからこそ大谷は、これから何があっても二刀流を続けていくべきだと思うし、僕もそうありたいと思っている」        (マイケル・ロレンゼン「大谷のおかげで人生が変わった」雑誌Number9/24号) ~


 大谷選手の功績は「野球に興味がなかった人まで関心をもっていることだ」とエンゼルスのマドン監督は言う。「100年にひとりの才能なのです。私は今、67歳ですが、そんな才能を持つ翔平と関われたことが本当に嬉しいです。改めて、ありがとうと彼に言いたいですね」。
 この監督に出会えた運も、大谷翔平選手の実力といえるだろう。
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ジャンルを越える

2021年09月20日 | 学年だよりなど
1学年だより「ジャンルを越える」


 9月19日(日本時間20日)対アスレチックス戦、8回104球を投げて2失点、被安打5本、10奪三振……。残念! 大谷選手の10勝目はならなかった(と書いてたらエンゼルス追いついてる、もっと早く点とってあげてよ)。
 今シーズンの大谷選手は、打者として44ホームラン、投手として9勝、23個の盗塁もある。
 かりにホームラン王も10勝も達成できなかったとしても、「最も価値あるプレーヤー」であることは揺るぎないだろう。それは記録うんぬんではなく、野球というジャンルそのもの枠を揺るがした存在であることだ。
 日本のプロ野球に入団したとき、大谷選手の二刀流挑戦を、多くの人は無理だと言った。
 日本野球の歴史をつくってきた名選手達のほとんどが否定的だった。
「野球をなめるな」と言う人までいた。
 並外れた才能を持ち実績を作ってきた人でさえ、自分の持つ枠を離れることはできないのだ。
 その昔、大谷選手は、「どこを守ってる?」と尋ねられ、その意図を察してこう答えている。


~「ピッチャーと外野手です」 ―─二刀流って言わないんだ。
「僕は使わないですね。誰が言い始めたのかわからないので……僕はそういう表現は使わないです。僕の中ではただ野球を頑張ってるという意識でやってますから、(投手と外野とは)やるべきことは区別して取り組みますけど、(二刀流などと表現して)そういうふうに区別することはないかなと思います」 (石田雄太『大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013-2018』文藝春秋) ~


 高校卒業後、すぐにメジャー入りを希望した大谷選手を、「うちで両方やろう」と口説き落としたのは、日本ハムの栗山英樹監督だ。


~ 「今年はドラフト1位を2人獲れたようなもの。ピッチャーの大谷翔平と、バッターの大谷翔平。どちらもドラフト1位クラスの逸材なんだから、そりゃ、二刀流だってやりたくなるでしょ。みんな、プロ野球では無理だよって言うけど、最初から無理だと言ってたらすべてが無理。簡単にイメージできるのは、野手でレギュラーを獲って、リリーフでマウンドに上がるという二刀流なんだけど、彼の感覚だと、エースで4番なんだよね。確かに、我々の感覚でもバッティングは必ず4番になれるわけだし、あとはエースになれるだけのものをどうやって作っていくかということ。それをこっちも必死で考えていかないとね」(栗山監督の言葉)~


 どんなジャンルでも、そのジャンルそのものを変えるほどの天分をもつ人が現れることがある。
 それに気づいてくれる人と出会えることも、その人の運であり才能と言っていいのかもしれない。
 そしてそれは、そのジャンルの幸運であり、あとに続く人の希望になる。
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推薦書の書き方 補足2 三要素系のフレーズ

2021年09月16日 | 大学入試
①「知識・技能」系
・自分の目標を見据え、とくに英語の学習に力をいれており、英語検定準一級を取得している。
・将来的に社会で生かせる知識を身につけようとする気持ちで、日々の学習に励んでいる。
・計画的に問題を整理して把握する能力をもっている。
・授業で学んだ知識をもとに、より発展的な学習をし、思考を深めようとする姿勢がある。
・論点を整理して、自分のなかに落とし込み、他者の考えやものの見方と比較しながら、自分の考えを高めていくことができる
・既存の枠組みにとらわれることなく、自由な発想で物事をとらえることができる。
・○○には特に意欲的に取り組み、本質まで深く学ぼうとする姿勢がみられた。
・日々の学習において疑問点をノートにまとめ、自分で調べたり、教員に質問したりして、着実に理解し知識を蓄積している。
・単元の内容について、たんに知識として暗記するのではなく、全体の中での位置づけを把握し、深く理解する能力をもっている。
・将来○○を専門的に学ぶ準備として、広い知識を持ち教養を高めることの重要性をよく理解している。

②「思考力/判断力/表現力」系
・既習の項目を十分に理解し、新たな単元・分野を学ぶ際にはそれを応用することができる。
・与えられた課題から問題の本質を見通し、仮説を立てながら論理的に思考する力をもっている。
・文章に書かれた筆者の主張を的確にとらえながらも、無批判に受け入れるのではなく自分の感覚や疑問点とつきあわせることで、より深い理解をしようとする。
・現代社会の授業で学習した格差の問題に興味を持ち、当事者的な意識をもって深く考え、自分の研究課題として意識するようになった。
・数学的思考力にすぐれ、解法を受け身的に学ぶことだけに満足せず、自分で別解を探したり、発展的な問題にとりくんだりしてきた。
・実験の授業においては、意味と目的を的確に把握し、結果を予測しながら計画的に取り組んでいた。
・英語の授業では、目的や場面、状況等に応じて互いの思いを適切に伝え合うにはどうすればいいかを常に意識し、自分のコミュニケーション能力を高めようと努力している。
・与えられた情報を基にして自分なりの考えを作り、積極的に発信していくことで、その考えをよりよいものにしていこうとする姿勢をもっている。
・自分の思いを他人に伝えることの難しさを自覚しながら、あきらめることなく粘り強くコミュニケーションをとろうとする。
・課題の解決には、複合的な視点で考察し、物事の本質を見極めなければならないと考えている。

③「主体性/多様性/協働性」系
・○○という目標をみすえて主体的に日々の学習に取り組んでいる。
・他者の多様な意見を先入観なく受け入れ、考え方の違いそのものに価値を感じることができる。
・意見のくい違いがあるときも、落ち着いて自分の考えを論理的に説明し、教室全体を知的な空間にする役割を果たした。
・学びを通して自己の成長をはかり、社会に貢献できる人材になりたいという希望を抱いている。
・○○のグループ学習を行った際には、メンバー一人一人の意見を尊重しながら協働して取り組み、豊かな成果をあげることができた。
・実験の授業において、班ごとでデータをまとめ分析する際には中心となって意見を集約し、綿密なレポートを作成した。
・自身の能力を発揮するには、日々の地道な努力が必要であることを知っており、生涯を通して学び続けようという強い意志が感じられる生徒である。
・集団の中での自分の役割を明確に判断し、その時々に応じて様々な意見を汲み取りながら、組織や集団をよりよい方向に導こうとする姿勢がある。
・生徒による自主的な運営の比重の高い○○部で、多様な意見をまとめ、集団としての目標を明確にしていく役割を果たした。
・○○部は、とくに個性的なメンバーが集まった代であったが、部長として部員たちの思いを聞くことを第一に考え、ときには意見を戦わせることも厭わず、結果的に強い結びつきをもつ集団を作り上げた。
・集団のメンバーの多様な良さを認め、同時に思いやりを持ちながらも、よくない点はよくないと指摘できるリーダーの資質を持っている。
・状況に応じて自分の感情を統御し、自主的に人間関係を構築していける。
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孤独力(2)

2021年09月16日 | 学年だよりなど
1学年だより「孤独力(2)」


 大人に「今が大事だから」と言われれば、「いつだって大事なんじゃない?」と思ったり、「今しかできないことをやろう」と言われれば「その気になればいつでもできるでしょ?」とみなさんが感じたりすることは、十分理解できる。みなさんの前にいる多くの大人達もそんなふうに感じてきたから。そして、そんなことをエラそうに語る大人をうるせぇなと思ってきた。
 それでも、やはり高校生の「今」の時間と、20年後、30年後の時間とは質が異なるのはまぎれもない事実だろう。成長過程の生物体は、エネルギーにあふれているからだ。
 それが減りはじめたときに、人は若さのもつエネルギーに気づく。
 そして、その減少にまかせて、人としての能力も下がっていく……、通常は。
 しかし、年齢的若さそのものが減っていながら、内面的若さが全く衰えない人がいる。
 身体面でも、30歳、40歳を越えて、20代より運動能力を高めている人がいる。
 新しいものを生み出す力や、チャレンジする姿勢を増しているような人もいる。
 年齢とともに普通に衰えていく人と、そうでない人とでは、何が違うのか。
 「おれも昔は……」と語るオヤジになるか、年齢を重ねても前向きな男になるか。どちらを選ぶのもみんなの自由だが、後者を選びたい人のために、いいことを教えよう。
 齋藤孝氏は言う。今の「エネルギー」を「技」に変えておくのがコツだと。


~ あり余っているかに思えるエネルギーも、実は年々衰えていく。特に、三十代以降を生き切るためには、若いうちにエネルギーを技に変えておくのがコツである。たとえば自転車は、転ぶことも平気な時期に乗り方を覚えておかないとまずやる気がしないだろう。失敗をおそれずに挑戦するには、エネルギーが必要だ。高齢になっても、もちろん新しいことにはチャレンジできる。しかし、そうしている人は、若いうちからチャレンジすることが習慣として身についていることが多い。
 エネルギーのある時期に技を一度身につけておけば、ブランクが多少あってもやり直してすぐにさまざまな活動に応用できる。その技によって社会の中で自分を認めさせていけるのだ。
 そう考えると、ひとりの時間とは基本的に自分を鍛える時間、何かを技に変えていくために費やす時間だと捉えておくべきだと私は思う。実際、孤独のうちに自分自身を鍛えた経験のある人は、いつでもふとした瞬間にその心身の状態を取り出すことができるはずである。 (齋藤孝『孤独のチカラ』新潮社) ~


 一人の時間はいくらでも作れる。教室でも、電車の中でも、瞬時に入り込めばいい。


~ 「電車に乗って2分で本を開いていなかったら衰えた証拠だと言えましょう」森信三先生の言葉 ~


 電車に乗ってすぐに単語集を開くかゲームをするかで、人生はずいぶん変わるのだろう。
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浜の朝日の嘘つきどもと

2021年09月15日 | 演奏会・映画など
 福島県の南相馬市に「朝日座」という映画館がある。
 昔ながらの映画館だ。このへんでいうと川越スカラ座のような。
 あとは……、吉祥寺プラザぐらいかな。
 もう、こういうタイプの映画館は、廃業するか、別の資本が入って大改装するかみたいになっている。
 当然、福島県で営業し続けるのは難しい。
 実際に何年か前に閉館し、いまも建物が残るという「朝日座」を、そのまま舞台にした作品だ。
 映画館の館長? 館主? は、柳家喬太郎師匠が演じる。

 スーパー銭湯に身売りして小屋をたたむことになった館主が、映画のフィルムを燃やしているとこに、東京から若い女が現れる。
 「フィルム燃やしてんじゃねぇよ、じじぃ!」
 「廃館なんかさせない、私が立て直しに来た」と、高畑充希ちゃんは言う。
 喬太郎師匠はおれより二つか三つ年下なのに、すっごい「じじぃ、じじぃ」言われてた。
 そっか、そういう扱いか……としみじみしながら、充希ちゃんになら「じじぃ!」って強くののしってもらいたい気持ちも生まれていた。
 「だいたい、おまえは誰だ、名を名乗れ」と言われた充希ちゃんは、とっさに「ええと、もぎりこ……茂木莉子」とうそをつく。
 浜野あさひが本名で、この名前が彼女の「不幸な」歴史のもとにもなっているのだが。
 あさひが尋ねてきたのは、高校時代の恩師である大久保先生との約束があったからだ。
 大久保先生じゃないか。役名、なんだったっけ? いいかこれで。
 大久保佳代子さんそのままのたたずまいで、本当にこんな高校の先生いそうな感じで演じていた。今年の助演女優賞候補にぜひともあがってほしい。高畑充希ちゃんはあまりに上手すぎて気持ち悪いくらい(いい意味で)。

 あさひは、高校時代に大震災を経験する。そのあとのいろいろで、家族の心も離れ、友達ともうまくいかなくなる。
 ふらふらと屋上に歩いていくあさひを、大久保先生が見かけ、声をかける。
 むりやり自宅につれて帰り、一緒に映画を観る。
 「人間てみんな最後は死ぬんだよね、あわてることないよね」とつぶやく。
 家の事情で東京に転居することになり、あさひは転校するのだが、新しい学校にもなじめずに退学してしまう。
 家出してきたあさひを、大久保はかくまう。そして映画を観る。
 「あたしさ、すぐ男の人を好きになって、つきあうんだけど、すぐふられてしまうのよ」
 そのたび大久保は、映画を観て自分を慰めてきたという。
 そんな先生の影響をうけ、後にあさひは映画の配給会社に勤めることとなった。

 時は流れる。
「もともとやってけなかったんだけど、コロナにダメ押しされたんだよ」
 大震災とコロナ禍という、人の力ではいかんともしがたい二つの大きな災厄を生きる福島の人々を描いた作品ともいえるだろう。
 さらに、大久保先生は、病気というあらがえない運命をかかえることにもなった。
 その知らせを受け、残された日々と少しでも一緒にいたいと、あさひは病室に足を運ぶ。
 そして、大久保が足繁く通った朝日座をつぶさないでほしいという願いを聞く。

 あさひは、映画に救われたというより、映画を愛する大久保先生に救われた。
 だから彼女の愛する映画館を守りたいと思ったのであり、それが亡くなった大久保先生を救う行為なのだろう(まわりくどいか)。
 「本当はなくたって生きていけるもんだけどね。」
 大久保先生は言う。
 たしかに、そのとおりだ。映画がなくても生命の維持はできる。
 でもそれは人として生きていると言えるのか。
 声高にそんな問いかけをする作品ではない。 
 何がムダかという問いかけをつきつめたら、生きることのほとんどはムダになってしまう。
 それなら、できる範囲でいろいろあらがってみるのもいいんじゃない? と背中を押してくれてるようだ。
 映画にかぎらない。
 音楽でも文学でもスポーツでもアイドルでも、人はいろんなムダなものに救われながら生きている。
 タナダユキ監督にはずれなしの原則は揺るぎない。
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推薦書の書き方 補足1

2021年09月14日 | 大学入試
1 大学が知りたいことは、ざっくり次の3点だと考えていいと思います。

① やる気
 その大学・学部・学科で学ぶ「こと」について、強い興味関心をもち、大学でそれを学んでみたいという意欲が感じられるかどうか。学ぶことで将来世のため人のために働きたいという気持ちがあるかどうか。

② 適性
 その「こと」についての適性はどうか。得意な教科は何か、必要な能力をもっているか、基本的な技能があるか、地道にがんばれるか、継続的に学習できるか。

③ 人間性
 4年or6年の大学生活を維持できるか、コミュニケーション能力があるか、前向きに生きていこうとしているか(ふつうに迷惑をかけずに学生生活をすごせるか)。


2 学力の3要素

 今春の入試から、学力の3要素「① 知識・技能、② 思考力・判断力・表現力、③ 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」について記載させるようにとの文科省の指示がありました。
 大学は、それに従って推薦書の書式がつくっています。ただし昨年は、従来型のままの大学も相当数ありました。
 厳密に①・②・③の項目ごとを記載するべきと考える必要はないと思われます。
 まじめに勉強し部活動にも取り組んだ生徒は、上記の要素はふつうにクリアしているからです。
 「必ず3要素について記入すること」との指示がある場合には、それっぽい単語を加えてもらったりはしました。
 「主体的に」「多様な」「協働して」……みたいなのが含まれていれば、まちがいありません。
 現場教員の感覚からすると、一番民間と「協働」できなかったのは文科省だよなぁみたいな思いもありますが、しょうがないですね。

参照 「文科省作成Q&A」より
3-2-4 「学校推薦型選抜」(現行 推薦入試)における評価方法の改善点を教えてください。
 改善点は以下のとおりです。
・調査書等の出願書類だけでなく、
(1)各大学が実施する評価方法等(例:小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)もしくは
(2)「大学入学共通テスト」の少なくともいずれか一つによる評価を必須化することとします。
・推薦書において
(1)本人の学習歴や活動歴を踏まえた「学力の3要素」に関する評価を記載すること、及び
(2)大学が選抜でこれらを活用することのどちらも必須化することとします。
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孤独力

2021年09月13日 | 学年だよりなど
1学年だより「孤独力」


 友達とにこやかに歓談し、その3秒後にすうっと自分の世界に入っていける状態。
 帰りのバスの車内で、その日の自分のプレーを再現し修正している状態。
 電車に乗るとすぐに暗記物にとりかかれる状態。
 夕飯後、おうちの方が食器を洗ってくれてる横で、数学を一問解き始めている状態……。


~ どんな道も自分一人で鍛錬し、技を一つ一つ広げて完成させていくことが大切だ。これは私が空手やテニスに熱中していたころに、よく教わったことだ。というのも、試合形式で練習していると楽しい。勝った負けたで一喜一憂していれば日が暮れる。しかし、ひとりで技を磨く努力もしないと、選手としては先が短い。
 プロ野球選手はフリーバッティングと言って実際にボールを打つ練習もするが、優秀な選手ほど素振りにも熱心だ。素振りは、たとえ周囲に人がいようがいまいが、自分の身体と緻密に向き合う孤独な練習法である。メジャーリーグの松井秀喜選手は、巨人軍にいたころ、当時の長嶋茂雄監督からよく素振りチェックを受けたそうだ。キャンプや遠征先で長嶋監督の部屋に行き、素振りをする。バットが空を切るビュンだのビュッだのという音に、監督が「む」「よし」と目で反応する。そうやって無言で会話していたというエピソードがある。 ~


 授業を受けて、部活動に参加し、一生懸命取り組んでいても、それだけでは成長しない。
 最終的に力をつけるのに必要なのは一人の時間だ。
 社会や大人は、経験の場を用意することはできても、それを自分のものにしていけるかどうかについては、その人自身の責任と言うしかない。
 映画を観る、美術館に行く、スポーツ観戦に行くといった行為も、自分一人でかみしめる時間があってはじめて経験として蓄積される。


~ おもしろいもので、一流の才能を持つ人ほど、ひとりになったときには自分のなすべき世界のことを考えてしまう。つまり、ひとりの時間に考え続けられるかが才能の証でもあるのだ。
 私はもっと多くの人に、孤独に対してそのようなポジティブでクリエイティブなイメージを持ってもらいたい。誰だって人から『ああ、この人は奥が深いな』『輝いているな』と思われるのはうれしいに違いないからだ。 (齋藤孝『孤独のチカラ』新潮社) ~


 休み時間はずっと友達と騒いでいるほうが楽かもしれないが、それが本当にやりたいことだろうか。気持ちが通じ合っているどうしは、会話などしなくても友人でいられる。いつも一緒にいなくても、支え合っていられる。
 逆に自分が確立していないと、一人でいると不安で、ムダにつるむことを求めてしまう。
 孤独力のある人どうしは、お互いの「孤独」の時間を尊重しあえる。
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語彙力アップ 高階秀爾「「間」の感覚」

2021年09月10日 | 国語のお勉強(評論)
語彙力アップ 高階秀爾「「間」の感覚」
空欄に漢字・読み方・意味・対義語etcを記入しなさい


1( 反映 )はんえい……あるものの性質が他にうつること ☆( 影響 )えいきょう
2( 華麗 )かれい……華やかで美しい。←→( 枯淡 )こたん
  ☆( 華美 )かび……華やかで美しい・ぜいたく ←→( 質素 )
3( 儀礼 )ぎれい……セレモニー  ☆( 礼儀 )……マナー
4( 栽培 )さいばい……植物を育てる ←→( 自生 )じせい
5( 投機 )とうき……短期的な( 価格 )変動を利用して利益を得ようとすること。
  ☆( 投資 )とうし……将来的な利益のために今の( 資金 )を投入すること。
6( 動機 )どうき……何かをする元の感情・思い。英( モチーフ )。
7( 遮断 )しゃだん……さえぎり、とめる。
8( 鑑賞 )かんしょう……芸術作品を味わう ☆( 観賞 )……景色や動植物を見る
9( 明瞭 )めいりょう ←→( 曖昧 )あいまい
10 静物画……花・果物・器物など動かないものを描く。←→( 人物 画)・( 風景 画)
11( 輩出 )はいしゅつ……( 人材 )が次々と現れること
12 屏風( びょうぶ ) 13 襖( ふすま ) 
14 燕子花( かきつばた ) 15 百合( ゆり )
16( 対照 )たいしょう……コントラスト 
  ※( 対象 )……オブジェクト ( 対称 )……シンメトリー
17( 眺望 )ちょうぼう……景色を広くみわたすこと
 ☆( 展望 )……景色や世の中・将来などを広くみわたすこと
18 土産物( みやげもの )
19 モニュメント……( 記念碑 )・遺跡・業績
20 菖蒲( しょうぶ )
21 軒下( のきした )……軒(建物の外側まで出ている屋根の部分)の下
 ☆ 庇( ひさし )……窓や玄関に付けられた小屋根
22 切妻型( きりつま 型 )……2方向型の屋根。
 ☆ 寄棟型( よせむね 型 )・入母屋型( いりもや 型 )
23( 覆 う )おおう ☆ 覆す( くつがえ す)
24( 由来 )ゆらい……もともとの起源、そこからの経過。
25( 遮蔽 )しゃへい ☆ 遮る( さえぎ る)・蔽う( おお う)
26( 媒介 )ばいかい……なかだちとなること。☆ 媒体……英( メディア )
27( 荘厳 )そうごん ☆ 荘か( おごそ か)・厳か( おごそ か)
28( 障害 )しょうがい ☆ 障る( さわ る)
29 偶然 ←→( 必然 )
30( 倫理 )りんり……英( モラル )・道徳
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