下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
ミステリ・競馬・ピアノ・スポーツなどがメイン記事です。

我孫子武丸『殺戮にいたる病』

2007-05-22 23:59:59 | 
避けていた作品なんですが、怖いもの見たさで買ってしまい、読んでしまいました。
途中で猛烈な拒絶反応が出て、リタイアしようと思った強烈な作品。

「真実の愛」を得るために女性を殺し続ける稔。
息子の行動に不信感を抱き、苦悩する雅子。
犯人を突き止めようとする老いた元刑事・樋口と被害者の妹・かおる。
3者の視点によっておぞましい猟奇的連続殺人事件が語られていく。
語りが終わったとき、読者は自分の下に口を開けた落とし穴に気づくだろう・・・

それにしても。ああ、思い出しても寒気、いや吐き気。
かなり読み飛ばしてしまった部分はあるんですけど、無意識に読んじゃうから、ね。
この作品は、サイコスリラーという顔を持った「本格」なんでしょうけど、
ここまでグロくする必要があったのだろうかと疑問です。
確実に読者を減らしているような・・・いや、そっち系が好きな人が読むから増える??
『メビウスの殺人』を読んで気になった作品だったので買ってしまったけど、
そうじゃなかったら金輪際読まなかったです(断言)

作品のプロットは「本格」としては素晴らしいものがあったと思うんですけど、
もっと違う形で表現して欲しかった・・・
きっとミステリを読む人は、こういう衝撃が大好きだと思うんで。
でも、こういう作品世界が好きな人は少数派だし(と信じたい)、
ううう。支離滅裂な文章になってます(涙)

殺人のモチーフになっているのは岡村孝子さんの歌なんですけど、
これって・・・いいの? いや、ファンは怒るでしょう、絶対。

結論。怖いもの見たさもたいがいにしないといけないと反省。
宣言。もうこの手の(痛い&気持ち悪い)作品は読まないぞ~。

でも、私の趣味に合わなかっただけですので。
かなり気持ち悪い描写もOKというミステリファンには、お薦めします。
それだけ・・・プロットが、いいんですよ(涙)
思わず伏線(ちょっとは気づいてた)を読み返したくなるくらいに。


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
viviandpianoさんが (読書日和)
2007-05-23 12:10:50
不快感を示すのは珍しいですね。

それほどまでにグロテスクな作品なのですね…

猟奇殺人と聞くとぞっとします。

殺人ミステリーは薬師寺涼子くらいがちょうど良いのかも。

私にとってはですが…

世の中にはグロテスクなのが好きな人もいるのでしょうね。

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えええ! (あかね)
2007-05-23 16:33:59
確かにタイトルからも
恐ろしさ。。。って感じてましたが
マジですか。。。!不快感か~
8の殺人0の殺人メビウスの殺人。。。のイメージのまま読んじゃうと、大変なことになりそうですね

これは、わたしも、読めないかもデス(涙)
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読書日和さんへ (viviandpiano)
2007-05-23 22:52:21
それはもう・・・ちょっと許容範囲を超えましたから(涙)
まあ、感覚の問題だと思うんですけど、肌に合わなかったです。
ミステリの評価サイトがあって、見てみたんですが、
やっぱり賛否両論でした。
賛=この系好きな人・・・いるんですね(^^;

もうこの路線には足を踏み入れないことにします。
とは言っても、結構刺激的なミステリもあるんですけど。
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あかねさんへ (viviandpiano)
2007-05-23 22:55:35
読まないほうがいいですよ!!
無理して読む必要は、全くないです(断言)
気分悪くなるだけだと・・・

映画やゲームにはR-15とかあるじゃないですか。
小説には無いんだろうか??
これは、ちょっとヤバイと思いますけど・・・

綾辻ホラーも、やめておきます(^^;
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禁断の果実 (江守森江)
2009-12-16 06:18:31
かパンドラか・・・・
探偵Xで刺激されて読んじゃいました。
サイコホラーに見せかけグロい描写で隠蔽して・・・・グロさに不感症なので大技を察してニヤニヤ読んで楽しめちゃいました。
ホラーやグロに不感症なのも時には長所ですね(^_^)v
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江守森江さんへ (viviandpiano)
2009-12-17 02:43:38
よ、読んだのですね!?
結構スゴかったでしょう・・・
私はあの描写、ちょっと耐えられませんでした。
でも、大丈夫な人なら、
あのトリックは心地よかったのでは??

私は、グロ系、年々駄目になってます(^^;
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読了。 ()
2010-06-02 02:16:24
私は半分ぐらい読んだ時点で、犯人は●●だと気付きましたよ。

最後はやっぱりなぁ、と思いましたが、我孫子武丸=鈴木哲さんただ者ではないですね。

作者は私の同郷の人です。
親近感を持ちました。


この人物すり替えのトリックは綾辻作品にありましたね。

それより、性・セックスetc、このおどろおどろしい闇の世界をミステリ作品にしょうとした挑戦は賞賛に値します。

村山由佳さんの作品にも「天使の卵」と「ダブルファンタジー」があるように、人間をもっと深くちゃんと考えようとする作者の姿勢を感じました。


桐野夏生の「グロテスク」は女性にしか書けない作品だと思いますが、この「殺伐にいたる病」は男性にしか書けない作品だと思います。

ともかく「性」は深い問題です。尽々、今更ながら思います。
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誤解ないように ()
2010-06-02 02:17:08
私はどっちか言うとグロテスクな作品は嫌いです。

が、人間を深く考えると、そんな所にいっちゃうな、ということです。

特にミステリは必ず殺人があって、犯人は誰か?ですよね。

その殺人には動機があって、その動機はお金とか、名誉とか、復讐とか、ばかりでなくこのような「性」の問題があって、それもミステリになる、ということです。

確かに吐き気のする作品でした。
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満さんへ (viviandpiano)
2010-06-02 02:38:33
申し訳ありません。
事後報告になってしまいますが、
コメントの「犯人は・・・だと」のところ、
伏字にさせていただきました。
未読の人が読んでしまったら、悲しいと思いますので、
ネタバレは、無しの方向で。
(1部の記事は、ネタバレと銘打って書いてますけど)

この作品、猟奇的性犯罪が見事に煙幕になってますね。
このプロット、もっと万人に読めるネタで書いて欲しかったけど、
この作品だからこそ・・・というのはあると思います。

我孫子先生は、理論派だと思うので、
結構計算づくで、これを書いたのかも。
コメディータッチの作品もあるのし、
作風の幅の広い作家だと思います♪

「新本格」というネームで出た作家たちは、
犯人当ての楽しみをまず根底において作品を作ったのが、
初期のころの傾向だと思いますが、
そのうち、やっぱり「書くこと」の奥が広がって、
こういうところまで行き着いたのかな~とも思います。
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Viviさんへ ()
2010-06-02 08:38:37
なるほど、次読む人のために犯人を伏せているんですね!

失礼しましたm(__)m
気をつけます。
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