下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
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東野圭吾『11文字の殺人』

2011-06-19 16:09:34 | 
なかなか本を読めなかった日々ですが、
(ホッとするので、既読本ばかり読み返してました^^;)
とりあえず、読みやすそうだった東野作品から再スタートです。


「あたし」は推理作家。
と言ってもベストセラーを出すわけでもなく、書き続けているだけ。
そんな「あたし」の恋人が、何者かに殺された。
フリーライターの彼は最後にあったとき、「狙われている」と言っていたのだった。
その言葉を照明するかのように、「あたし」は引き取った彼の遺品が盗まれた。
それは、彼の手がけていた仕事の資料の一部だった。
「あたし」は編集者・冬子の協力を得て、事件を調べ始めるが・・・


1年前に起こった海難事故が、事件の背景にあることがわかるわけですが、
それを調べていくうちに、どんどん人が殺されていくし、
また主人公にも危険が及びそうになるサスペンスに満ちた作品です。

しかし、主人公からして、どうも「緊迫感」がないのですよね。
登場人物がみんな「あっさりしている」というか、
非常に状況への順応力が高いというか、諦めが早いというか、
だから、多少無理のある展開でも、サクサクと進んでいきます(^^;

普通だったらもっと大騒ぎするだろうとか、
私だったら絶対こういう行動はしないとか、突っ込みながら読んでましたが、
事件の真相については、明かされる前に見当はついていました。
それは推理ではなく、この展開ならこの人が犯人だろうという、
全くかわいげのない読み方なわけですけれども(笑)

しかし、そこで終わらないのが東野作品のパワーですよね。
普通だったら犯人が分かってハイおしまいの部分で、
見事に読みごたえのある展開に持っていくところがスゴイ。
この余韻だけで、作品レベルが上がってる気がします。
まさに絶妙。

展開や動機に強引なところがあるのは否めないけど、
案外、人間ってそういう面もあるのかも・・・と思ったりもして。
最近の実際の事件とか見てると、ほら、そんな感じですよね?

でも、だからこそ本格ミステリは必要かも。
一生懸命考えて、納得できる、腑に落ちる世界があるからこそ、
秩序を信じて、安心して生きられるような気もします。

などと堅苦しいことを言ってないで、本を読まなきゃですね☆


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わ~い (あかね)
2011-06-21 18:24:28
ミステリの感想ありがとです
この作品~
先日ドラマで放送されてましたね
私も随分昔に原作を読んだのですが、あんまりハマれず(笑)記憶に残っていなかったのでドラマ版を確認してしまいました

今弟が東野作品にハマってるので、私も色々未読作を追ってみようかなあ
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あかねさんへ (viviandpiano)
2011-07-18 19:13:10
お返事大変遅くなりました(^^;
ごめんなさい~・・・

ドラマの方は、端折られている部分も多いので、
私はやっぱり原作を先に読みたいと思います。
次も東野作品読もうと思っていたのですが、
森先生も気になって、そちらに手が・・・
また近々感想を書きますね☆
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