下手の横好き日記

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綾辻行人『黒猫館の殺人』読了

2006-02-10 23:51:24 | 
やっぱり、どうしても読んじゃいますよね・・・もう仕方ないです。

さて、今回はもう綾辻氏の策略の全てを見破ってしまいました。
最初のプロローグと手記のその1の部分を読んだ時点で。
(屋敷見取り図も見ましたけど)
フェアな構成と伏線が、親切過ぎたかもしれません。

今回ほど、犯人も動機もどうでもいいなと思った作品はないでしょう。
中心トリックだけで、お腹いっぱい状態ですね♪
ネタバレになるのでこれ以上は書きませんけど。

ところで、作中でジュリアン・ニコロディという建築家が紹介されます。
(中村青司に影響を与えたかもしれないという設定です)
ネットで検索してみたけど、やはり実在人物ではなさそうです。
と言うことは、その建築家についての記述も綾辻氏の創作なのでしょうが、
その中で、その建築家の近代的合理主義への憎悪についてのくだりがあります。
その建築家自身はその憎悪に自覚なく、「役立たずの家」ばかりを
積み木遊び感覚で建てているのではないかという記述でした。

思うに、彼のスタンスこそが綾辻行人そのものではないのかな、と。
本格の居場所を奪っている近代社会への嫌悪。
近代的視点から見れば「役立たず」な現実味のない本格ミステリへの傾倒。
役に立たなくても、現実的でなくても、面白ければいいじゃないか・・・
そんな綾辻氏の心の声が聞こえそうな部分でした。

これもまた、深読みでしかないですけど(^^;
中村青司もまた、作者の個性の1つの表出なのかもしれませんね。
そして、それに魅かれていく鹿谷門実も同じく・・・

いよいよ「暗黒館の殺人」が待っています。(まだ買ってないけど)
文庫化には、あと2年くらいはかかるでしょうから、
やっぱりノベルズ版を買うしかないですよね。
でも、忙しい間は止めておこう・・・体壊しそうですしね(笑)


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