チョット前に買ったものの、仕事やら旅行やらで読んでなかった本。
分厚いですけど気合入れて詠んでみました。
いわゆる「雪の山荘」というか、そのまんま、雪で閉じ込められた館での連続殺人なんですね。
色んなモチーフは古今東西の本格もののテイストたっぷりなんですが、
じゃあこの作品が本格かというと、ちょっと違う気もします。
(本格の定義やら、各人の捉え方にもよると思いますが)
『十角館の殺人』から始まる館シリーズは、作者の本格への傾倒を通り越して、
綾辻氏の作風の変遷のままにテイストを変えていますが、
その過渡期?に作られたこの作品にも、作風の揺らぎというか苦悶が見えますね。
思うに「本格」という枷(敢えてそう書きますけど)を愛する部分と、
その呪縛から逃れようとする部分と、せめぎあってるというような。
綾辻氏の作品を読んでいると、本当に個としての作品だけではなく、
作者の変遷に、ついつい思いを至らせてしまいます。
その点、綾辻氏は自己の状況が作品に如実に反映されるという極めて真面目な作家と言えるでしょう。
それだけ、作品に真剣に取り組んでいると言っても差し支えないかと。
寡作である理由の1つかも知れませんね。
実はまだ『暗黒館』も『びっくり館』も読んでないので偉そうなことは言えないのですが(^^;
何だか読むのが怖いような、そんな心境になってるわけです。
まずは発表済みの未読の作品群を読んでからじゃないと、
綾辻氏の志向、作品の意図は分からないんじゃないかと思ったり。
で、手始めがこの『霧越邸殺人事件』です。
名作の誉れ高い作品なので、前々から読んでみたいと思ってたんですよね。
読後の感想・・・非常に面白い作品でした。完成度は高いですね。
『水車館』の最後の辺りの持つ雰囲気というか、その辺りが結晶してます。
そして、綾辻氏は作品を支配する(世界を作る)ことに成功してます。完璧に。
叙述の細やかさ、巧みさが際立っていて、
もう正直「見取り図」はいらないな~と思いますね。(無ければ寂しいんでしょうが)
トリックや犯人については、何も言いません。
犯人を当てられたかについては、まあ、当たったと言えるでしょう。
ここまで来ると「囁き」シリーズを読まないと何も語れない気がしてきました。
綾辻氏のもう1つの車輪とも言える作品群ですからね。
それを知らないと車軸がどう回っているのか、どこへ向かってるのか分からないかも。
ジャンル的に苦手な気もしますけど、まずは『緋色の囁き』から・・・
と言いつつ、買ってあるのは有栖川有栖氏の『月光ゲーム』(^^;
もう1人の新本格の担い手のデビュー作だそうで、ハマったらまた寝不足の日々が・・・
分厚いですけど気合入れて詠んでみました。
いわゆる「雪の山荘」というか、そのまんま、雪で閉じ込められた館での連続殺人なんですね。
色んなモチーフは古今東西の本格もののテイストたっぷりなんですが、
じゃあこの作品が本格かというと、ちょっと違う気もします。
(本格の定義やら、各人の捉え方にもよると思いますが)
『十角館の殺人』から始まる館シリーズは、作者の本格への傾倒を通り越して、
綾辻氏の作風の変遷のままにテイストを変えていますが、
その過渡期?に作られたこの作品にも、作風の揺らぎというか苦悶が見えますね。
思うに「本格」という枷(敢えてそう書きますけど)を愛する部分と、
その呪縛から逃れようとする部分と、せめぎあってるというような。
綾辻氏の作品を読んでいると、本当に個としての作品だけではなく、
作者の変遷に、ついつい思いを至らせてしまいます。
その点、綾辻氏は自己の状況が作品に如実に反映されるという極めて真面目な作家と言えるでしょう。
それだけ、作品に真剣に取り組んでいると言っても差し支えないかと。
寡作である理由の1つかも知れませんね。
実はまだ『暗黒館』も『びっくり館』も読んでないので偉そうなことは言えないのですが(^^;
何だか読むのが怖いような、そんな心境になってるわけです。
まずは発表済みの未読の作品群を読んでからじゃないと、
綾辻氏の志向、作品の意図は分からないんじゃないかと思ったり。
で、手始めがこの『霧越邸殺人事件』です。
名作の誉れ高い作品なので、前々から読んでみたいと思ってたんですよね。
読後の感想・・・非常に面白い作品でした。完成度は高いですね。
『水車館』の最後の辺りの持つ雰囲気というか、その辺りが結晶してます。
そして、綾辻氏は作品を支配する(世界を作る)ことに成功してます。完璧に。
叙述の細やかさ、巧みさが際立っていて、
もう正直「見取り図」はいらないな~と思いますね。(無ければ寂しいんでしょうが)
トリックや犯人については、何も言いません。
犯人を当てられたかについては、まあ、当たったと言えるでしょう。
ここまで来ると「囁き」シリーズを読まないと何も語れない気がしてきました。
綾辻氏のもう1つの車輪とも言える作品群ですからね。
それを知らないと車軸がどう回っているのか、どこへ向かってるのか分からないかも。
ジャンル的に苦手な気もしますけど、まずは『緋色の囁き』から・・・
と言いつつ、買ってあるのは有栖川有栖氏の『月光ゲーム』(^^;
もう1人の新本格の担い手のデビュー作だそうで、ハマったらまた寝不足の日々が・・・