先日の短編が良かったので、
シリーズ外の短編集を読んでみました。
個性派揃いの7編&ボーナストラックが収められています。
☆「重ねて二つ」
ホテルの密室状態の部屋で、女の上半身と男の下半身が発見される・・・
これはいきなり凄い死体が出現です(^^;
同じ時期に発表された島田荘司氏の『眩暈』を思い出しました。
☆「懐中電灯」
競艇場で知り合った男と現金輸送を襲うことになった片桐。
ある計画を胸に完全犯罪を成し遂げたはずだったのだが・・・
これは伏線もあって、なるほど!と思わされました☆
☆「黒のマリア」
美術商の事務所の中に発生した3重の密室と殺人事件。
それは、この部屋にあった不吉な絵のせいだったのか・・・?
ちょっとオカルト風味の作品ですが、TV番組のノベライズだそうです。
有栖川氏の「切り裂きジャックを待ちながら」と同じ時の企画のようですね。
☆「トランスミッション」
「あなたのお子さんを預かっています・・・」という脅迫電話がかかってきた。
だが、かける相手を間違えている犯人は一方的に電話を切ってしまい・・・
以前に「誘拐」のアンソロジーで読んだのですが、再読も楽しめました。
☆「シャドウ プレイ」
推理作家の羽島は、いつも夜中、就寝中の「僕」に電話をかけてくる。
この日の羽島の話題はドッペルゲンガーで・・・
終わり方の余韻や捩れたプロットなど、個人的にはかなり好きです☆
☆「ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?」
7つもの錠前がつけられた密室で殺人が起こり、犯人は煙のように消えていた・・・
ロスマクのリュウ・アーチャーを主人公に据えた異色作。
これは「密室」のアンソロジーで読みましたが、再読してもやっぱり許せません(^^;
☆「カット・アウト」
アメリカのネヴァダ州でひっそりと死んだ画家・桐生。
ある事件のせいで15年も絶交していた篠田は、桐生の甥に会いたいと言われ・・・
ポロック論を中心に美術論が延々と展開しますが、結末は非常にドラマチックな佳作です。
☆「……GALLONS OF RUBBING ALCOHOL FLOW THROUGH THE STRIP」
編集者の辛辣な批判を思い出し、ひとりバーのカウンターで酒を飲む法月綸太郎。
そして彼は駆け出しの役者だという工藤俊哉と出会う・・・
実は長編のオープニングとして書き始めた部分なのだそうですが、
永久に未完成になる空気が満載の、しかし雰囲気のある文章です。
悩める法月氏の揺れが、多種多彩な作品群を生み出している・・・そんな短編集です。
そんな悩まなくってもいいから面白い本格ミステリを書いて下さい!と、
法月氏に安易に言ってはいけないことが分かった作品群でした。
シリーズ外の短編集を読んでみました。
個性派揃いの7編&ボーナストラックが収められています。
☆「重ねて二つ」
ホテルの密室状態の部屋で、女の上半身と男の下半身が発見される・・・
これはいきなり凄い死体が出現です(^^;
同じ時期に発表された島田荘司氏の『眩暈』を思い出しました。
☆「懐中電灯」
競艇場で知り合った男と現金輸送を襲うことになった片桐。
ある計画を胸に完全犯罪を成し遂げたはずだったのだが・・・
これは伏線もあって、なるほど!と思わされました☆
☆「黒のマリア」
美術商の事務所の中に発生した3重の密室と殺人事件。
それは、この部屋にあった不吉な絵のせいだったのか・・・?
ちょっとオカルト風味の作品ですが、TV番組のノベライズだそうです。
有栖川氏の「切り裂きジャックを待ちながら」と同じ時の企画のようですね。
☆「トランスミッション」
「あなたのお子さんを預かっています・・・」という脅迫電話がかかってきた。
だが、かける相手を間違えている犯人は一方的に電話を切ってしまい・・・
以前に「誘拐」のアンソロジーで読んだのですが、再読も楽しめました。
☆「シャドウ プレイ」
推理作家の羽島は、いつも夜中、就寝中の「僕」に電話をかけてくる。
この日の羽島の話題はドッペルゲンガーで・・・
終わり方の余韻や捩れたプロットなど、個人的にはかなり好きです☆
☆「ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?」
7つもの錠前がつけられた密室で殺人が起こり、犯人は煙のように消えていた・・・
ロスマクのリュウ・アーチャーを主人公に据えた異色作。
これは「密室」のアンソロジーで読みましたが、再読してもやっぱり許せません(^^;
☆「カット・アウト」
アメリカのネヴァダ州でひっそりと死んだ画家・桐生。
ある事件のせいで15年も絶交していた篠田は、桐生の甥に会いたいと言われ・・・
ポロック論を中心に美術論が延々と展開しますが、結末は非常にドラマチックな佳作です。
☆「……GALLONS OF RUBBING ALCOHOL FLOW THROUGH THE STRIP」
編集者の辛辣な批判を思い出し、ひとりバーのカウンターで酒を飲む法月綸太郎。
そして彼は駆け出しの役者だという工藤俊哉と出会う・・・
実は長編のオープニングとして書き始めた部分なのだそうですが、
永久に未完成になる空気が満載の、しかし雰囲気のある文章です。
悩める法月氏の揺れが、多種多彩な作品群を生み出している・・・そんな短編集です。
そんな悩まなくってもいいから面白い本格ミステリを書いて下さい!と、
法月氏に安易に言ってはいけないことが分かった作品群でした。