下手の横好き日記

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麻耶雄嵩『名探偵 木更津悠也』

2015-02-08 00:05:43 | 
またまた久しぶりに読んだ麻耶作品。
久しぶりの読書記事に、この作者を選ぶのもどうかと思いますが・・・

連作短編なので非常に読みやすく、
あの初期の作品群は何だったのかと思うほど。
しかし、その世界観はやっぱり一癖ありまして(^^;


☆「白幽霊」
 ある夜、「白幽霊」が出ると噂される通りの近くを通りがかった男。
 彼が目撃したのは、大きな邸宅の2階の部屋でカーテンをハサミで切り取る影。
 その戸梶邸の部屋で戸梶産業の社長が刺殺体で発見された。
 容疑を受けた関係者が香月のコネで木更津に事件解決を依頼してくる。
 アリバイを主張する家族達の証言の裏に「名探偵」木更津が挑む!
 
 『翼ある闇』でも思ったけれど、香月おそるべし・・・
 伏線は、結構親切でした。

☆「禁区」
 高校の文芸部の5人は「白幽霊」の正体を確かめに行くことにする。
 半年前に行方不明になった友人・夏苗かもしれないと思ったのだ。
 だが、それは違った・・・そして呪われた、と思った。
 そして文芸部の部室で殺人が起こってしまう・・・

 こ、これは想像したら怖い(涙)
 でも、これも伏線は丁寧だったですね。

☆「交換殺人」
 酔ったはずみで交換殺人を約束してしまったという男。
 妻を殺してもらう代わりに、ある男の殺人を約束したという。
 ところが、その相手が自分でない誰かに殺されてしまう。
 このままでは、妻の身が危ないと木更津に依頼が来るのだが・・・

 これはやられたな~、注意深く読んでたはずなのに。
 しかし、とんでもない犯人でした。

☆「時間外返却」
 山中で発見された死体は1年前に行方不明になった女子大生だった。
 彼女の父から依頼を受けた木更津は、彼女の周辺を調査し始めるが・・・

 何というか、色々衝撃的な話でした。
 木更津は気づいてるんですね・・・


ということで「白幽霊」がらみの物語たちなんですけど、
何と言っても面白いのは、「名探偵」木更津と「助手」の香月の関係。
「名探偵」という存在に強い思い入れを持つ香月が、
木更津の捜査の進展に一喜一憂する姿、その解決を心待ちにする姿、
こういうワトソン役の設定は興味深いですね・・・ちょい黒いですが(^^;

ファン・香月のために「名探偵」であろうと頑張っている木更津?
「名探偵」って不自由なものだな~・・・


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