下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
ミステリ・競馬・ピアノ・スポーツなどがメイン記事です。

島田荘司『アトポス』

2008-02-29 23:59:59 | 
久しぶりに読んだ御手洗シリーズなのですが・・・分厚い!(^^;
文庫本で970ページくらいあります。


売れっ子ホラー作家が書いたルーマニアの吸血鬼と怖れられたエリザベートの物語。
その物語で生み出されたのは、赤く血に爛れた顔に頭髪のない頭を持つ怪物であった。
ところが、その怪物が現実に現れ、作家の首を切り落とし、5人の赤ん坊を次々と誘拐する。
そして、見つかった赤ん坊の死体は首の後ろの肉が切り取られ、血を抜き取られていたのだった。
その怪物は、エリザベートが乗り移った姿なのか??と街は震撼する。
やがて事件の被害者は、全て松崎レオナ主演でクランクイン寸前の映画『サロメ』の関係者だと判明。
事件の渦中でエキセントリックな言動を繰り返すレオナ。
ロス警察の疑惑を一身に浴びたまま、レオナはロケ地である死海へ向かう。
だが、そこでも陰惨な事件は起こってしまった・・・果たしてレオナが狂気の犯人なのか!?


長かった~、とにかく。そして、ちょっと痛い話でした。
中世のエリザベートの物語とロスが舞台の部分などを合わせて「長い前奏」としていますが、
これ+プロローグの段階で、既に390ページを越えます!!
それから舞台が死海に移って、とんでもない事件がさんざん起こった後、
やっと探偵・御手洗が登場するのが753ページ目(^^;

しかし、舞台となるモスクのような建物は迷路だし、
死海に浮かぶ巨大なセットやギリシャ神殿のような建物など、
舞台設定のすごさや話の展開に、ぐんぐん引き込まれていきます。
まさか、本当にレオナが犯人のわけはないけど、どう決着をつけるのか??
この罪深い作品のせいで、またほぼ徹夜してしまいました(眠っ)

そして、トリックは・・・やっぱり島田氏の力技でしたね~(^^;
そんな気がしてましたけど、本当にそうだったとは・・・
あの長い長い前半に、色んな伏線やミスリードも入ってるわけで。
それをたったの1日で見破ってしまう御手洗の頭脳の切れには、もはや呆然です。

さて。そんなミステリ本編のことは置いておいて。
今回はレオナの心情を色々考えてみました。
彼女は気の強い、自意識過剰な、わがままな、しかも美しい女性で、スターです。
なのに、不眠症だったり、薬物依存だったり、弱い面も持っているわけですね。
この極端な2面性と不連続性ゆえに、なかなか共感できないキャラでもあります。
そのレオナが、今回ものすごく演じたかったという「サロメ」に取り組みます。
彼女はこの役を取られまいとして、ライバル女優に脅迫状を送ったりもしたのです。

レオナが特に演じたかったのは、シーン140と言われる場面。
サロメがエレベーターで上がってくるヨハネの首と対面するクライマックスです。
自分の愛を受け入れず、ただ一度のキスさえ拒んだヨハネの首を手にし、激しく口づける。
それは、レオナの愛を受け入れない御手洗への想いでもあるのでしょう。
そう言えば『水晶のピラミッド』で、御手洗から抱きつくことすら拒まれ、
彼の足もとに泣き崩れたレオナは、サロメと通じるものがありましたね。

この役を演じて、レオナはその思いを昇華することができるのでしょうか??

微妙な感じ

2008-02-28 19:51:31 | ピアノ
ランゲの「花の歌」にず~っと取り組んでいるのですが、
2月の忙しさ&体調不良にかまけて、全然はかどっていませんでした。
一番最後の8小節が難関で、右、左、それぞれがたどたどしい上に、
なかなか左右が上手く合わない状況が続いているのです。

でも、このままだと煮詰まってきそうな感じなので、
一応「譜読み終了!」ということにしておいて、
部分練習の一環にその部分の練習を持って行くのでもいいかな~と思ったり。

譜読みが終わったら、ペダル付けもできるわけで。
どうしようかな・・・
よ~し。ちょっと自分に甘くなって、次の段階に進んでしまうことにします。
部分練習してたら、そのうち弾けるようになるだろう・・・という楽観思考で♪

ということで。
練習しないといけない部分はたくさんあり、
しかもスピードアップもしていかないといけないのですが、
ちょっとだけ前進した気分になりました☆←欺瞞かなw

二日酔い

2008-02-27 21:30:23 | 日常
実は今朝はグロッキー状態でした・・・タイトルどおり二日酔いで(^^;

今日は午後からの仕事だったというのもあって、
昨夜仕事が終わってから、お疲れ様会(仕事の山を越えたので)をやったのです。
その時に、食べ物を食べずに飲んでばかりいたのが災いしたのかな~。
やっぱりある程度胃袋に食べ物を入れて飲むというのは鉄則でしたね(後悔)

寝る時には何も不都合はなかったのに、(ブログもちゃんと更新したし)
朝起きたら「ぅわぁ~」という感じで、気分が悪くて死にそうでした。
しかし、胃腸を回復させないといけないと思い、
胃腸薬を飲んで、大根おろしで少量のご飯を食べました。
それが効いたのか、仕事に行く頃には復活していましたけど。

それにしても、二日酔いには滅多にならないので、この感覚を忘れていました(笑)
う~ん、やっぱり最悪な気分だよな~。
気をつけて飲まねば!と心に言い聞かせたできごとでした。

折原一『猿島館の殺人』

2008-02-26 23:59:59 | 
折原氏のパロディ・ミステリにして「館」シリーズ!(笑)


東京湾に浮かぶ孤島、猿島。小さな無人島である。
軍事拠点として使われていたこの島は終戦まで一般人に解放されておらず、
現在は、東京湾唯一の自然島として、日帰りレジャースポットとなっているのだ。
雑誌社のライター・葉山虹子は取材のためこの島を訪れるが、
不運が重なり、帰りの連絡船の最終便に乗り遅れてしまう。
冬場の連絡船は土日祝のみの運航で、なんと次の週末まで来ない。
島をさ迷う虹子は暗闇で怪しい男に出くわし、逃げるうちに古い館に迷い込む。
それは無人島のはずの猿島にひっそりと住む猿谷家の館だった。
そこに暮らすのは、当主の藤吉郎を筆頭に、一癖も二癖もありそうな面々9人。
やがて真夜中。鍵のかかった書斎で藤吉郎が頭を殴られて倒れているのが発見される。
死の間際の彼の言葉は「○○(あえて伏せ字w)が殺した・・・」だった!


ということで、クローズドサークル「孤島もの」ですね。
でも、やっぱりパロディなので重苦しさはないんですけど(^^;
古典作品を色々と下敷きにして書かれているみたいですね。
ポーの『モルグ街の殺人』を楽しんで読みたい方は、そっちを読んでからにして下さい。
他にもクリスティやクイーンの作品を引いてるし、横溝作品の有名な台詞も使ってます(^^;
まあ、ある程度「古典」に触れたことがある読者ならわかる、という感じなのでしょうか。

トリックは・・・まあ、いわゆるバカミスなんでしょうか?(^^;
あんまり真面目に読んではいけないのかもしれませんね(笑)
途中に「どくしゃへの挑戦」が入っているのですが、
種明かしされた時は、怒るより吹き出してしまいました。

さて、特筆すべきは、この「猿島」は実在の島だということ。(調べました)
関東の方には、結構有名な島なのでしょうか?
地方に住む私は全然知らず、折原氏が創造した島だとばかり思っていました。
作品には地図も載っているのですが、これも本物とまったく同じです。
冬場の平日は連絡船がないということまで事実でした!
(本当に最終便に乗り遅れたらヤバイな~w)
また、作品中にこの島にまつわる薀蓄が色々書かれてますが、それも事実。
もちろん、猿島館は無いと思いますが(笑)

折原氏の軽妙な文章は、こういう軽いパロディにピッタリかも。
葉山虹子が出てくる作品としては『鬼面村の殺人』が最初だということなので、
また見かけたら、そちらも読んでみたいと思います。

道路工事

2008-02-25 23:59:59 | 日常
この時期(年度末)になると、あちこちで道路工事をしていたりします。
毎年毎年、よくまあ工事のネタが減らないものだと感心しつつ(^^;
走りにくいな~とわがままな文句も感じつつ。

今も、通勤路が工事中です。
結構交通量が多いところなので、普通の時間には工事してないのですが、
夜9時を過ぎると始まるのですね。
帰宅時間がそれを過ぎると(過ぎますけどw)
なかなかに面倒な雰囲気に(^^;
走るレーンの制限もあるし、曲がれない道も出てきたりして。
警備員の人たちの誘導に従って走るわけだけど、
いつも寒いのに大変だな~と思いますね。

この工事で、事故の無い走りやすい道になってくれればいいけど、
毎年同じような場所を掘り返すのはやめて欲しいな~(^^;
まあ、予算の余った分でちょこちょこやってると思うので、
仕方のない面もあるのかもしれないけど。

フェブラリーステークス 結果

2008-02-24 17:47:03 | 
今年最初のG1だったのに、忙しさのあまり全然検討できず、
恒例(なのかな?)の予想はしませんでしたが、
今回の結果は次の通り。

1着 ヴァーミリアン
2着 ブルーコンコルド
3着 ワイルドワンダー
4着 ロングプライド
5着 リミットレスビッド

ということで、ヴァーミリアン強かったですね~。
いきなりの前走取り消しで、いきなりだったけど問題なし。
しかもドバイに向けて仕上げてるから、今回はまだ8分目でしょうに・・・
距離的にはスピードのある差し馬だから大丈夫だと思ってましたけど、
それにしても、いい感じで伸びてきましたよね☆

2着のブルーコンコルドは昨年も2着でしたし、
このやっぱりダート界では実力派だと思いました。

ところで。
京都記念のウオッカ。6着と言うことで残念でした。
レース見られなかったのですが、どんな感じだったのかな?
ドバイ参戦は変わらないと思いますので、
ヴァーミリアン共々、頑張ってもらいたいところです。

そして。
昨日京都の新馬戦で圧勝したカジノドライヴ。
元々外国産馬で、兄弟がアメリカのベルモントS勝ち馬という超良血です。
次からはアメリカへ遠征ということで、
アメリカの3冠を狙いに行くみたいですね。
う~ん。スケールが違うなぁ(^^;

戻ってきた♪

2008-02-23 21:06:32 | 日常
午前中、車の修理が無事に終わったという連絡があり、
昼休みに合わせて職場に持ってきてもらいました。

久しぶりに見る愛車は、何事もなかったかのような姿。
やっぱり、プロってすごいな~(喜)
どんな風に直していくのか、見てみたい気もしますね☆
塗装も、表面がこすれたようになってたのに、
どこに傷があったのか全く分からない仕上がり。
ついでに前のバンパーがこすれていたのもペイントしてくれてました。
(これは、自分でこすったのですが^^;)

帰宅するとき、慣れた車に戻って安心快適でした。
最新車もいいけど、まだまだ頑張れ私の車。
「走行距離のびてませんね~。もっと一杯乗って買い換えて下さいね」
とはディーラーの人の言葉。
・・・その期待には、なかなか応えられないかも(笑)

ピーク

2008-02-22 23:59:59 | 日常
いよいよ仕事の忙しさのピークに差し掛かっています。
明日も仕事ですけど、ここを乗り越えれば・・・
日曜日も午前はバタバタしてますので、午後からが一息つけます。
長かったな~・・・
まあ、来週も残務処理が残っているし、
またまた別の仕事も始まりますし、あんまりのんびりはできませんね(^^;

しかし、困ったのが「肩こり」です。
それはもう、鬼のように肩から背中にかけてガチガチ。
こんなに肩こったのは、本当に久しぶりです。
必然、お風呂の時間が長くなりますね~。
無臭シップのお世話にもなりました。

今のシップ、すごいですよ!
本当に無臭は、臭いが全然しません。
多分、ハッカじゃない成分を使っているのでしょうけど。
でも・・・やっぱりあのス~って臭いがする方が効き目ある気もします(^^;

ともあれ、何とか乗り切りたい超繁忙期!!

貫井徳郎『プリズム』

2008-02-21 23:59:59 | 
『慟哭』の作者、貫井氏が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作・・・だそうです。
どれどれ、どのくらい問題作なのかな?と思いながら読んでみました。


小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。
現場に落ちていたアンティーク時計で頭部を殴られたと思われる。
窓はガラス切りを使って破られており、被害者が食べたチョコには睡眠薬が。
チョコレートの送り主が判明し、事件はスピード解決かと思われたのだが・・・
一体彼女になにが起こったのか。
4つの章にわたり、彼女の周囲の4人の人間がそれぞれ事件を推理する。


これは、スゴイ作品でした。やられた~っという感じ。
またまた物議をかもしそうな構成なのですが、
こういうミステリも、あってもいいのかも、と思いました。
ネタバレしてしまってはいけないので、多くを語れないのですが・・・

4つの章が、それぞれ独立したような感じで書かれていて、
それぞれの探偵役の1人称で書かれた連作小説のような感じなのです。
そして・・・ああ、言えない(涙)

題名のプリズムというのが、本当にぴったりだと思いました。
プリズムで屈折した光。
本当の色はどれだったのでしょうね・・・
他人から見た自分というものを考えさせられた作品でした。

坂口安吾『不連続殺人事件』

2008-02-20 23:59:59 | 
坂口安吾氏のミステリの、いえ探偵小説の代表作です。
角川文庫で読みましたが、解説が高木彬光氏だというのもびっくりでした。
この作品は、高木氏の傑作『刺青殺人事件』をおさえて、
第2回探偵作家クラブ賞(今の日本推理作家協会賞)を受賞したのです。
興味津々で読み始めました。


作家・矢代は、詩人・歌川一馬の懇願を受けて、山間の歌川家の館に向かう。
歌川家は酒造業を営む資産家で、一馬はその跡取りなのだが、
1年前の継母の死にまつわる脅迫状が届いたと言うのだ。
ところが、館には予定外の来客たちが待ち受けていた。
作家、弁護士、画家、劇作家、女優・・・一筋縄ではいかない奇人・変人たち。
何者かが一馬の名前を使って招待したらしいのである。
渦巻く愛憎に絡み取られた複雑な人間関係。
やがて、それは8つもの殺人事件に発展していく・・・


いやはや(死語♪)・・・大変な作品でした。
読み始めて20ページ余りで、主要登場人物が20人以上。
しかも「登場人物紹介」が無いので、名前と立場を理解するために、
私は自分で登場人物一覧表を作りながら読みました(^^;

なんせ、今風に言えば「元カレ」「元カノ」のオンパレードで、
よくもまあ、こういう交友関係が成り立つものだと感心しました。
それも最初から変わり者だらけの設定なので、まあいいのですが、
こういう人たちがひとつの場所で暮らして何か起きないわけが無いですね。
しかも、財産とか絡んできますし・・・

担当警察官のあだ名がユーモアあって笑えました。
何でも勘繰って犯人を見つけ出す「カングリ警部」
その部下で、どんな手口でも嗅ぎ分けて犯人を捜す「八丁鼻」
同じく、単純な事件を複雑怪奇に考えすぎる「読ミスギ」
同じく、男どもを鼻であしらう美人婦人警官で時々頭に犯人がピンとくる「アタピン」
個性的ですね~(笑)

で。坂口氏渾身のトリックは、やっぱり当時としては衝撃だったのかな。
ただ・・・ロジカルなことは認めますが、
ハチャメチャな人物たちだけに、いきなりそこで常識を出されても・・・とは思います。
でもまあ、私の予想は当たってましたけど☆

文体は、やっぱり固いな~っと思いました。
横溝作品や高木作品に比べると、「小説」という感じがしないですね。
本当にパズルという感じで、もろに「犯人当て」です。
あと、やはり昔の作品だけあって差別用語っぽいのも多くて、
気分的に滑らかに読めなかったかも。

古典的名作ではありますが、
ま、特に今の時代に無理して読まなくてもいいかな、と思いました(^^;