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ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

京都府立図書館を見学

2019-04-18 02:09:32 | 建物(京大以外の京都府の)
2019年4月17日、京都府立図書館の見学会に行ってきました。

府立図書館では、毎月1回水曜日に午後2時から40分程度「館内見学会」を開催しています。事前申し込みは不要で、2階ナレッジベースに集合すると、職員が案内・説明してくれます。問い合わせ先:京都府立図書館企画総務部企画調整課(075-762-4655)
(2020年3月18日は新型コロナウイルス拡大防止のため中止)


1873(明治6)年に前身である「集書院」が三条高倉西に開設され、1898(明治31)年に京都御苑内博覧会協会東館85坪を借り受け、「京都府立図書館」が開設されました。

1909(明治42)年に現在の左京区岡崎の地に「京都府立京都図書館」が蔵書5万冊で開館しました。設計は武田五一氏です。

2001(平成13)年に、これまでの館の正面外観を保存したまま、後方に近代的なビルを建て増して新図書館ができました。






中央の階段下に入口があります。

館内は、1階閲覧室に日本文学や京都関係資料などが2万冊、地下閲覧室に人文・社会・自然科学系の図書や参考図書、雑誌が8万冊、開架で配置されています。地下1・2階の閉架書庫の中には約110万冊の本が収められています。


中でも驚いたのは、オートメーションで図書を出納できる「自動化書庫」で、高さ20メートルの空間に最大40万冊の図書が1万個のコンテナに分けて収められています。図書の書誌番号をバーコードで読み込むと、機械が自動的に取りに行き、その本を含んだコンテナごと取り出してくる仕組みになっています。

他に、市町村支援作業室もあり、京都府内の市町村立図書館や学校への貸出作業などを行っています。週2回連絡協力車がこれらの館との間を走って、本の貸し借りをしています。

府立図書館の開館時間は、火曜~金曜は9時30分~19時、土日・祝日は9時30分~17時。休館日は月曜日と第4木曜日、年末年始です。

壊される京都商工会議所ビル

2018-12-14 01:58:43 | 建物(京大以外の京都府の)
京都商工会議所ビルは2019年3月5日から四条室町の京都経済センタービルに移転し(現在地での業務は3月1日午後5時まで)、跡地にはホテルが建てられるそうです。

2018年12月12日~15日に京商ビル閉館記念イベントがあり、内部が公開されていたので、見学してきました。


烏丸丸太町交差点から南へ下がった烏丸通りの西側に面してあるビルです。
右隣に見える屋上に大きな石の塊を乗せた不思議な建物、金光教のビルも合わせてホテルになるそうです。






1階に入っている喫茶店、ワールドコーヒー京都商工会議所店は2月28日で閉店となりました。



現在の商工会議所ビルは3代目で、1964(昭和39)年の竣工。設計は富家宏泰氏(武田五一氏の孫弟子)。



裏側から見たところ。



京都の商工会議所は明治15年10月に設立。これは1914(大正3)年6月に竣工された二代目の建物。設計は武田五一氏でした。



現代の建物に入ったところの階段室。



そこには第二代の建物にあったホールの大理石の柱が移築されています。現ビル建築に際して武田五一氏への敬意を表して残されたものです。



3階にある特別応接室。



その部屋にも二代目ビルにあった暖炉が移築されています。



会頭室。



特別役員室。



チェンバーサロン。記者会見等が行われます。
3階には他に役員室、会議室、議員クラブがあります。



館内の装備や装飾品には、京都の伝統産業の製品や寄贈された書画が飾られています。
これは西陣織の扉。



ドアの取っ手も清水焼でできています。


記念イベント中、3階では「明治150年京商のキセキ展」が展示されていました。

一階の喫茶店は高さ7mの吹き抜けになっていて、中央の床には十二支を象った大理石のモザイクが嵌め込まれています。



酉の部分。
この十二支モザイクだけでも新しいビルに移築してもらえるといいのになあ。



天井の照明。電球色の柔らかい光が星座を表わしているようでした。



お茶を飲みながら目を楽しませてくれる中庭は、作庭家重森三玲が作ったものです。



次に商工会議所が入る京都経済センタービルです。


赤れんが博物館

2018-09-27 21:39:41 | 建物(京大以外の京都府の)
「浮島丸殉難の碑」を訪れた後、舞鶴中心部に戻り、昼食を摂った後、「赤れんが博物館」に行きました。

赤れんが博物館の建物は、明治36年(1903)に旧舞鶴海軍の魚雷の倉庫として建設されました。鉄骨とれんがを組み合わせた建築物としては、日本に今もある建物として最も古いものの中に入るといわれています。



舞鶴港のジオラマで赤れんが倉庫群が表わされています。左端にあるのが当館。他にもレンガ倉庫がたくさんあります。



展示室。
世界のれんがの歴史、日本のれんがのあゆみ、ホフマン窯コーナー、舞鶴市とれんが等の展示があります。



魚雷庫だった頃の様子がミニチュアで表わされていました。


赤れんが博物館
開館:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:年末年始(12月29日〜1月1日)
入館料:300円(2020年4月から400円)



開化堂カフェ

2018-07-29 00:45:56 | 建物(京大以外の京都府の)
2018年7月28日に「開化堂カフェ」に行ってきました。

「開化堂カフェ」は明治8年創業の手作り茶筒のメーカー開化堂が運営するカフェです。

場所 京都市下京区住吉町(河原町通)352 河原町通七条上ル東側
開店時間 10:30–19:00
休店 木曜日、第一水曜日(夏季休業、年末年始休業有)

建物は元は市電の車庫兼事務所だったもので、登録有形文化財になっています。レトロな内装の中に食器や家具など随所にこだわりがつまっています。






店内や二階展示室に開化堂製の茶筒が並べられています。銅、ブリキ、真鍮製の丸鑵で、美しい絹に似た手触りと光沢が特徴。ふたを茶筒の口に合わせると自然にすーっとしまる精密な職人技でできています。
茶筒製造・販売の開化堂本店は河原町通りを少し北に上がった河原町六条東入ルにあります。




メニューはコーヒー(東京中川ワニ店の豆)、紅茶、日本茶、ビール、カクテル、ソフトドリンク、スープ等の飲み物と、チーズトースト、バタートースト、チーズケーキ(那須高原)、「あんバタ」はバタートーストにあんを載せたもの、もなか等があります。
もなかをいただきました。あんは中村製餡所製の特別のもので、おいしかったです。


京都市会会議場を見学

2018-06-17 01:33:08 | 建物(京大以外の京都府の)
政令指定都市で一番古い議場である京都市会議場、2019年度から始まる改修を前に、2018年6月14日~16日と7月30日~8月1日に一般公開されていたので、6月16日に見学に行ってきました。

議場は市役所本庁舎とともに建築家武田五一が設計し、1927(昭和2)年に完成しました。




工事中の本庁舎の周りに塀がめぐらされ、完成後の予想図などが書かれていました。



表入口側。



裏側突き出た部分の上部に市会会議場があります。



正面玄関内の階段。







市会会議場。



二階は傍聴席になっています。その手摺部には歴代議長の写真が並べられています。



見学者も議員席に座れました。



天井のステンドグラス。



正面アーチ部に細かい装飾が付けられています。







その前の議長席。会議の開催を知らせる鈴と、決定を告げる木槌が置いてありました。



壁は装飾布製でした。









換気口の装飾もおしゃれ。


市役所本庁舎の改修工事は2017年5月に着工され、2021年夏に完成する予定です。
耐震改修、バリアフリー化等はやむを得ませんが、この風格のある市役所の外観と歴史的意匠を壊さないでほしいものです。


京都学・歴彩館

2018-02-13 23:34:54 | 建物(京大以外の京都府の)
2018年2月某日 京都学・歴彩館に行ってみました。

京都に関する資料の総合的な収集、保存、公開を50年以上にわたって担ってきた京都府立総合資料館が、近くに建て替えられ、新たに、京都の歴史・文化に関する研究支援や学習・交流の機能を加えて、2017年4月28日に「京都府立京都学・歴彩館」として開館しました。

京都市左京区下鴨半木町1-29
【休館日】祝日、第2水曜日、年末年始


噂に聞いた通り、ガラス越しの光が書棚の本に当たって図書館としてはまずいのではないかと思いました。しかも、建物の構造が複雑に入り組んでいて、どの書棚にもふんだんに光が当たるようになっていて、「書庫の奥深い場所」がどこにもない、とは。トホホ・・・。



図書館としての機能の他に、いろいろな企画や講演、学習会、展示会も開かれています。
2017年12月16日~2018年3月13日には「京の四季風景展」が開催されていました。これは京都府が画家達に依頼して100点の京都府内の風景を描いてもらって府の所蔵としたものを展示していました。元は京都府知事蜷川虎三氏が始め、何年か後にも再度新しい風景100点が描かれています。たくさんの画家たちの手によって、京都各地の有名無名の風物が美しい絵となって残されていて、貴重な財産です。


今気になるのは、元の府立総合資料館の建物がそのまま残されているのが、壊されてしまうのではないか、有効に活用される方法はないのかということです。府民の財産を今京で流行りのホテルなんぞの儲けの道具に使わせないで、府民のために使えるようにしてもらいたいものです。

京都女子大学建学記念館(錦華殿)と「京都・馬町空襲展」

2018-01-24 00:09:33 | 建物(京大以外の京都府の)
2018年1月23日、京都女子大学に行ってきました。

京都駅、四条河原町と京都女子大学を巡回する「プリンセス・ライン」という赤い車体のバスが走っています。これは京都女子大学と附属幼小中高校に通う生徒の足になっているとともに、誰でも乗ることのできるバスになっています。このバスに乗って終点で降りた所のすぐ側に建学記念館(錦華殿)があります。



円形のバルコニーが特徴のこの建物は、1898(明治31)年、西本願寺第22代門主・大谷光瑞師と籌子裏方の新居として、本願寺百華苑内に建てられました。フランス様式の木造洋館です。
女子高等教育の必要性を痛感していた籌子裏方は、光瑞門主の妹、九條武子と、この「錦華殿」において女子大学設立構想をふくらませました。そして、1910(明治43)年、仏教婦人会の援助を受けた私塾「文中女学校」は、「京都高等女学校」として新たな歴史を刻むことになり、京都女子大学の前身である「京都女子高等専門学校」へと繋がりました。

「錦華殿」は1920(大正9)年に京都女子学園に移築されましたが、1981(昭和56)年、老朽化のため残念ながら解体されてしまいました。この消失を憂いた同窓生によって「錦華殿」の復興計画が進められ、建築資金の寄付を受けて、2000(平成12)に再建(復元)されました。再建にあたっては、出来る限り忠実に再現するため、解体時に保存した手すりや装飾部材などを積極的に再利用し、カーテン、天井クロスなどは、原型に近い風合いと色彩を再現しています。また、耐震性・耐火性に配慮し、鉄筋コンクリート造としました。



西側の正面玄関。



東側にも入口があります。



2階 バルコニー。



1階 玄関ホール。



1階 




建学記念館(錦華殿)は学内者に向けて、日曜・祝日を含め、毎日午前10時から午後4時まで開館しています。ただし、木曜日及び夏期、冬期、春期休み期間中は休館日です。
一般に向けては、不定期ですが、大学が所蔵する貴重書などの特別展が開催されており、その期間中に見学することができます。



錦華殿のすぐ西に大学の図書館があります。2017年に新築された現代的な建物です。



その地下にあるギャラリーで、2018年1月9日~27日、「京都・馬町空襲の被害地図と写真・パネル展」が開催されていました。



1945年1月16日午後11時20分ごろ、米軍B29が京都市東山区馬町付近に爆弾を投下しました。死者34人、負傷者56人、全焼・全壊31戸、半壊112戸、当時の修道国民学校(元修道小学校、元東山小学校、現在の東山総合支援学校)や京都女子専門学校(現・京都女子大)などが大きな被害を受けました。
空襲の記憶を風化させないために活動している「馬町空襲を語り継ぐ会」は こちら。



京都女子大学文学部坂口満宏教授のゼミの3回生が、新発見になった写真と従来から知られていた写真などを考察し、撮られた場所を推定、それらから写真付きの被害地図を作成、展示されていました。

東山総合支援学校校門横に馬町空襲の記念碑が建てられています。

旧三井家下鴨別邸

2016-11-30 02:57:29 | 建物(京大以外の京都府の)
2016年10月1日から公開された旧三井家下鴨別邸、11月19日~12月4日には特別に公開されていたので、見に行ってきました。


通常の公開では1階とお庭だけですが、特別公開期間には3階とその上の望楼まで上がることができるので、この期間は大勢の人が来ていて、行列ができる盛況でした。
先ず門に入るまでに行列して20分程待ち、受付を通ってから庭に設定されたテントの椅子で待って、お家の中に入ってからも玄関で待ち、1階の部屋で待ち、2階の部屋で椅子に座って待ち、そしてやっと望楼に上ることができました。望楼の中は狭いので、10名ずつしか上ることができないのです。



建物は下鴨神社の南側、一の鳥居のすぐ横、京都家庭裁判所の南にあります。この地には1909(明治42)年に三井家の祖霊社が遷座され、その参拝の際の休憩所とするため、1925(大正14)年に建築されたのが現在の旧邸で、元は木屋町三条上るにあった三井家の明治期の別邸が主屋として移築されました。
1949(昭和24)年には国に譲渡され、1951年以降京都家庭裁判所の所長宿舎として2007年まで使用されていました。2011年に重要文化財に指定されています。



望楼からの眺めは大文字山をはじめ、東山連峰を眺望することができますが、その前に高い建物もぼつぼつ建てられてきているので、一部眺めを遮られるところもありました。



辺りに生えているニレ科の大木は糺の森の原始から残る木がそのまま残されていて、このすぐ北側に作られているマンション敷地では次々と切り倒されているのは残念至極です。






2階から見下ろしたひょうたん池です。泉川の水を引き入れています。
別棟の茶室は非公開でしたが、1868(慶応8)年の建築だということがわかっています。
原在正(はら ざいせい)筆の孔雀牡丹図杉戸絵や、朝ドラ「あさが来た」の主人公、三井家のお嬢さん関連の展示もありました。

この特別公開の期間にはものすごくたくさんの人が押し寄せたので、建物にとってはさぞやダメージだったことだろうと思われます。次回の特別公開は未定だそうですが、通常の公開は水曜日と年末の休館日以外はずっと行われているので、見学することができます。1月1日~3日はお正月のおもてなしもあるそうです。


京都市役所

2016-10-13 00:36:02 | 建物(京大以外の京都府の)


京都市役所本庁舎です。




1927(昭和2)年竣工。RC造 地上4階、地下1階建て。設計は武田五一と中野進一で、古風堂々とした威厳に満ちたたてものです。




正面玄関を入ったところ。




さらに正面に左右両側に別れた階段があります。
京都市民でありながら、これ以上奥に入ったことがありません。市民としての用事は区役所で済むし、市役所の機能は西庁舎・北庁舎とたくさんの別棟に分けられているので、なかなかこの本庁舎の中に入ることがないのです。




この建物も耐震改修が予定されているので、もしかしたら命名権が売られて「京都市チャラチャラ役所」なんてことになるかもしれません。

カトリック高野教会

2016-04-12 22:53:50 | 建物(京大以外の京都府の)
高野橋西詰の北大路通り南側にカトリック高野教会があります。











西側から見たところ。




北側にきゃしゃな小塔があり、




東側に入口があります。




門の横に番小屋?があり、




庭にマリア像。




その奥に司祭館もあります。




信者でもないので、聖堂の中に入るのは憚られて、ちらっとだけ中を覗いて見ました。


この教会は、1938(昭和13)年にメリノール宣教会によって創立され、1940(昭和15)年に聖堂が建立されました。

近くにこんなに素敵な建物があるのをすっかり見逃していました。

国立京都国際会館

2016-04-03 01:13:38 | 建物(京大以外の京都府の)
3月29日(火)と30日(水)に京都国際会議場の一般公開があったので、見学に行って来ました。


「国立京都国際会館創立50周年記念<桜・さくらスペシャルデイズ2016>~春の庭園特別開放ライトアップ~」となっていますが、建物の中も1階は自由に見ることができました。
建物の外観はこれまでもよく見てきましたが、中をじっくり見られるのは滅多にない機会です。




エントランス。
しかし、自転車を停める場所が近くになく、だいぶ離れた地下鉄駅近くの駐車場で150円出して停めるしかなかったのには、弱りました。




長い導入回廊の天井が高く、両側から覆いかぶさる屋根状のトップが明かりとりになっているのもユニークです。




柱や壁が交差して組み立てられていて、欄干状の手摺りに日本風の趣が込められています。




メインホール(大会議室)の正面。
国内唯一の国連方式国際会議場。4階まで吹き抜けの高い天井、舞台背面のオブジェは20種類のアルミ鋳物で照明演出に役立ち、天井にある銀天板は「大空の下で人は集い、話し合う」をコンセプトにして、雲と星と空のイメージを表わしています。
1997年にCOP3京都会議の会場となり、京都議定書が採択されたのがここです。




メインホールの後部は高く登り階段になっていて、全部で2000人を収容できるようになっています。




建物中央から庭園に出て行けるように開かれた入口があり、南面に大きな人工の池と回遊式庭園が広がっています。





池を越えて振り返ると、建物が大きな船が池に浮かんでいるように見えます。








建物があまりに大きくてなかなか一画面に収まりません。




1964(昭和39)年1月24日に工事を開始、1966(昭和41)年3月20日に全ての工事が完成し、5月21日に開館しました。設計は大谷幸夫氏。




インテリア・デザインは 剣持勇氏です。




池の東方に桜がたくさん植えられている丘があり、この期間夜はライトアップされていますが、この日は桜はまだあまり開いていませんでした。








敷地の西南隅にあるお茶室「宝松庵」。
時々お茶会が催されているようです。




人工池と展望台の先、国際会館の敷地の外には江戸時代からある宝ヶ池が広がっています。
この池は農業灌漑用に造られたものですが、今では一周道路で散歩やジョギングで楽しむ人達がたくさんいます。
国際会議がある時や、夏の夜には時々、花火が打ち上げられ、この池の周辺で鑑賞することもできます。

京都市考古資料館(旧西陣織物館)

2015-05-11 02:07:41 | 建物(京大以外の京都府の)
今出川通り堀川西にある京都市考古資料館の建物は、元は西陣織物館として1914(大正3)年に竣工し、西陣織を広く紹介するために展示・販売する施設として、多くの入場者が訪れました。1976(昭和51)年に堀川通り今出川下ルに現在の西陣織会館が建てられた後は、跡地を京都市が買い取り、建物を改修して京都市考古資料館として利用しています。


明治の建物の特徴だった装飾性がなくなり、すっきりとした箱型の外観で、日本におけるモダニズム建築の先駆と言われています。

設計は京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)教授だった本野精吾です。






2015年2月14日(土)~6月21日(日)(月曜日は休館)、「京都市考古資料館と建築家 本野精吾 ~竣工100年を記念して~」展が開催されています。

その中で、3階にある元の貴賓室が日を限定して公開されています。
今後の公開予定日は、5月24日、6月7日・21日(いずれも日曜日)の13:00~16:00です。



1階の中央は吹き抜け階段に通じるホール、左部分は事務スペース、右部分は特別展示コーナーで、現在は「京都市考古資料館と建築家本野精吾」展の展示中です。
 


2階は通常展示スペースで、京都市で発掘された考古資料がたくさん並んでいます。



広々とした階段を上がって3階に行くと、



中央に元の貴賓室があります。






本野精吾が設計した椅子、物入れ、棚が置かれています。



シンプルな装飾です。



部屋の中に2ヶ所暖炉があります。



壁には、竹に千鳥と蝶々が遊ぶ西陣織の模様が取り入れられています。、



壁の下貼り板は組木で模様が描かれています。



床にも組木模様があり、シンプルな中にもモダンなデザインが織り込まれています。



本野精吾の設計した建物はあまりたくさんはありませんが、
本野精吾邸(1924年、京都市北区)も前に見に行ったことがあります。


京都市考古資料館では以前、「ひょうげた器」展もあり、織部やら志野やらのおもしろい陶器を見せてもらいました。

将軍塚の青龍殿

2014-11-17 00:50:14 | 建物(京大以外の京都府の)
ここ1年程の間、東山のなだらかな稜線の上に1箇所だけ建設中の建物らしきものが突き出ていて、何だろうと不思議に思っていたのですが、将軍塚青龍殿が建設されていたのでした。



1914(大正3)年に大正天皇の即位を記念して京都市内北野天満宮前に建立された総ヒノキ造りの「大日本武徳会京都支部道場」で、あやうく壊されそうになっていたのを青蓮院が買い取り、東山山上の将軍塚に移築再建したものです。
2014年10月に落慶し、中に青蓮院から移された国宝青不動が特別公開されています。

公開日:10月8日~12月23日
拝観時間は9:00~21:30(受付は21:00まで)で、17:00~21:30は夜間ライトアップされています。
拝観料:1,000円(青蓮院門跡との共通券は1,300円、夜間ライトアップは1,500円)

将軍塚に登るには蹴上三条通りから坂道をドライブしなければなりませんが、この期間だけ東山神宮道の青蓮院門跡から30分毎に片道100円のシャトルバスが運行されています。











内部は道場の時のまま、中央に広い板敷空間があり、周りを一段高くなった畳が取り巻いている造りになっています。





高い位置に明りとりの窓があります。





堂々とした木造建築です。




青龍殿の裏側に突き出している部分が増築され、そこに青不動が安置されています。
その外側に広い舞台があって、はるかに京都市街や比叡山他の山々を見渡すことができます。



吉田山と金戒光明寺あたり。




鴨川三角州も見えます。中央の緑が下鴨神社の森です。





青龍殿の横に将軍塚があります。
桓武天皇がこの山上から眺めて、都の場所にふさわしいと決め、都の鎮護のために高さ2.5m程の将軍像を土で作り、甲冑を着せ、鉄の弓矢・太刀を持たせ塚に埋めさせたので、この地を「将軍塚」と呼ぶようになったということです。




将軍塚の横を通って行くと、昔からある展望台もあり、そこからも青龍殿と新たに作られた日本庭園が見えます。




11月16日、山の下の方より少し早く紅葉が進んでいました。