ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

2016年祇園祭後祭宵々山

2016-07-23 02:39:13 | ぶらり都めぐり
今年は後祭も当日見に行けなかったので、宵々山で会所や屏風祭を巡ってきました。

三条通り室町西入ルにある休み山の鷹山でも大勢の人達がお囃子を演奏していて、山再興の意気込みが感じられました。
左側に並ぶ鉦の演奏をしているのは、小中学生くらいの若い人達ばかりで、将来が楽しみです。



新町通り三条下ルの八幡山。



八幡山の会所。



左甚五郎作と言われる鳩の木像(右側の一対)。



尾形光琳の百花図屏風。八幡山保存会の所蔵品ですが、町内の奥井商店の玄関に飾らせてもらっています。
落款によれば天明二年(1782)、円山応挙が人の求めに応じて尾形光琳の屏風絵を写したものだそうです。



(有)千梅の屏風も八幡山の所蔵品です。




大日(おおくさ)家ではいつもお琴が飾られています。



新町通り六角下ルの北観音山。



野田家(新町通り六角下ル)の源平合戦図屏風。右は「鵯越の坂落し」、左は「屋島の戦い」。



吉田家。
ヒオウギの生け花も豪勢です。



藤井絞さんは前祭の宵山でも見せていただいた屏風飾りを後祭でもご披露下さって、太っ腹。



新町通り蛸薬師下ルの南観音山。



蛸薬師通りを東に入って、橋弁慶山。



橋弁慶山の会所一階には五条の橋があり、


二階には弁慶と牛若丸が飾られています。



室町通り山本仁商店の「曽我物語図屏風」。右は富士巻狩、左は夜討の図。



室町通り蛸薬師上ルの鯉山。
ここの会所にもベルギー製タペストリー等お宝が溢れていますが、今年はパスして、



四条通りを越えて新町通りを南下、一昨年から再興された大船鉾。船の舳先を飾る龍頭が今年新調されました。






鉾の周りを囲む柵に「埒(らち)の中は入らないでください」と書いてありました。ふーーん、「埒」ってこれのことなんだ。「埒」とは本来は囲いや仕切りのことで、「埒があかない」とは、囲いが開けられなくて物事が進まないことなんだって。一つ賢くなりました。

前祭の宵々山と違って、後祭では夜店もなく、歩行者天国もなく、人出も多くなくて歩きやすく、それに今年は夜になると涼しさが増して、汗をかくこともなく、のんびりたっぷりと宵々山の情緒を味わうことができました。


本日7月31日、八坂神社境内の疫神社夏越祭(なごしさい)で、祇園祭の1ヶ月にわたる全ての行事がおしまいとなります。


ロームシアター京都会館をウォッチング

2016-07-18 01:24:57 | これでいいのか京都(京都会館)
西本智実指揮の演奏会を聴きに行くついでに、改築されてロームシアター京都と変名されてしまった京都会館の中をウォッチングしてきました。

先ず、外観のウォッチングは4月桜の咲く頃に行ったものです。

南面の二条通り側から見た外観は一見元の建物の様相とあまり変わりがありません。



正面入口も変わらず。



東側から見ると、一階は民営書店とカフェが道に張り出してオープンカフェにし、二階はレストランがテラス席まで出していて、元の会議室が無くなってしまいました。



正面入口東側の書店への入口部分。



中庭から東山を見通した景観。左に見えるのは京都市美術館別館。東側にあった公園の樹木がたくさん切られてスカスカになってしまいました。


ここまでのところはまだ元の建物の風情が残されていますが、

この第一ホール上に積み上がられた塔の景観だけはなんともいただけません。
横のラインで構成されていた京都会館の外観はすっかり傷つけられてしまいました。



全然異物の感じがする四角い箱を乗せただけ。せめてもっと目立たない色にできなかったのでしょうか。



中庭からの眺め。


昔の姿はこちらです。



さて、いよいよ中に入って見ると、

一階入ったところにあったロビーホールは半分以下に減らされてこんな狭い通路になってしまいました。
画面奥の冷泉通り方面にも出口ができて通り抜けができるようになったのはいいのですが、鑑賞の前後に聴衆がたむろして交流したり余韻にふける場所はなくなってしまいました。



二階ロビーに機械式改札口があって、ここから奥がメインホールの有料エリアとなっています。



ここのロビーも狭いです。



メインホールの中は、一階は後方から前方に向かって段を降りて行って席につくようになっていて、両サイドの入口がないので、階段の上がり降りで大変、しかもトイレは一方の側にしかついていないので、行って帰ってくるまでには相当の距離を歩かねばなりません。



後部座席は2階から4階まであり、それぞれ急な階段で積み上げられていて、見上げ見下ろすと断崖絶壁のようで、恐ろしくなります。
あの高い塔屋はこの観客席を作るためのタワーだったのでしょうか。



舞台は本格的オペラができるようにするとかいうのが建て替えの口実でしたが、とてもそんな風には見えませんでした。この日は合唱の人が大勢舞台に上がるので、前から5列目までの客席をつぶして舞台を延長していましたが、それでも狭い感じを受けました。

ル・コルビュジエの弟子前川國男が建てたモダニズム建築の傑作・京都会館、こんなにいじられた上に、変な名前まで付けられてしまって、残念無念というしかありません。文化都市京都の名前が泣いています。

せめてもの慰めは、塔以外の部分の外観がほぼ守られたことで、建物の保存を求める声を合わせて訴え続けてきた成果でしょう。

ヴェルディのレクイエムを聴く

2016-07-18 00:53:11 | 西本智実

7月17日(日)京都会館(ロームシアター京都)でヴェルディ「レクイエム」を聴きました。

プログラム:ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲
      ヴェルディ「レクイエム」

指揮:西本智実 
演奏:京都市交響楽団 
<ソプラノ>石橋栄実<メゾ・ソプラノ>福原寿美枝<テノール>小餅谷哲男<バス・バリトン>三原剛
合唱はこの演奏会のために結成された約280名の市民参加による合唱団が行いました。

15:00の開演から最後まで休憩時間無しの演奏でした。

ロームシアター京都のオープニング記念事業の一つで、 京都ミューズ(旧京都労音)の例会です。

2016年祇園祭前祭宵々山

2016-07-16 02:07:13 | ぶらり都めぐり
青春18春の旅の途中でぴったり筆が止まったままですが、今年も祇園祭の季節になったので、宵々山の方にすっ飛んで行ってまいりました。

新町通りを御池通りから下って行くと、初めのうちは後祭の山鉾が多く、鉾建てもまだで町は静かです。


新町通り蛸薬師上ルにある藤井絞さんの屏風飾りです。
北観音山のミニチュアを真ん中に、両側に屏風が立てられています。
左の屏風は、作者不明「浜松に鶴の図」。その奥は、三宅鳳白(ほうはく)絵「壬生狂言図」。




右の屏風は、「四季花鳥図」。



新町通り錦小路下ルの放下鉾の会所に上がりました。




会所の二階から、鉾の上でお囃子が演奏されているのを聞きました。上の方にお囃子の人達の背中が見えます。
この鉾では女人は鉾の上には上がれません。




鉾の天井に飾られる幕が壁に吊り下げられて展示されていました。四年前に新調された綴れ織りで、真ん中の穴が真柱の通るところです。
前に生けられているのは祇園祭の花、ヒオウギです。




見送りの皆川泰蔵作「バクダッド」。




朝鮮の織物。




稚児人形の「三光丸」君、御簾に隠れていますが、きれいなお顔をしていました。




巡行の時はこの冠を頭につけます。




四条通りに出てきて、平岡旗製造さんの屏風飾りは洛中洛外図のよう。




四条西洞院上ルの蟷螂山。
巡行の時には御所車の上のカマキリがからくりで動きます。



蟷螂山の会所飾りは色鮮やか。








四条傘鉾のお囃子の演奏を聞きました。








月鉾。




函谷鉾(かんこぼこ)もお囃子が始まっていました。

この日は秋のようなさわやかで涼しい夜で、蒸し暑いいつもの宵山とは全然違って、楽々と鉾巡りをすることができました。
それでも、四条通りやその近くの室町通り、新町通りはぎっしりの人出で、歩きにくいことは例年の通り。