4月1日(木)~5月22日(土)、烏丸北大路の
大谷大学博物館で開催されていた春季企画展「大谷大学のあゆみ 赤レンガの学舎(まなびや)」を最後の日になってやっと見に行きました。
大谷大学は元は東京巣鴨の「真宗大学」と京都の高倉寮が合併されて、1911(明治44)年に高倉魚棚の仮校舎で「真宗大谷大学」として開校しました。
その後、この北区小山上総町の地に1913(大正2)年に赤レンガの建物が建てられて移転、1922(大正11)年に「大谷大学」と改称されました。
この展示会では設立当初からの大学の歴史をたどると共に、大正2年に建てられた赤レンガの建物群(本館、図書館、講堂、寄宿舎等)の設計図、棟札、当時の写真等が並べられていました。
そして、見終わった後に、その建物の中で今も残っている旧本館(尋源館)を廻りからぐるっと見ることができました。
1912(明治45)年起工、1913(大正2)年完成したレンガ造り2階建てのルネサンス様式、赤レンガに白御影石のラインが入っています。当初は両側に翼の長い建物でしたが、昭和56年に改築されて端を切り取られ、他の新しい建物群の間に埋もれるように残されています。
国の登録有形文化財に指定されています。
東側の端部分。
西側の端。
そして中央を裏側から見たところ。
中央屋根の上に塔があります。時計台でも鐘楼でもなく、見晴台のようなものだったのでしょうか。
向かいの建物のガラスに写った塔の姿。
中央玄関前の車寄せの天井模様、京大文学部陳列館のによく似ています。
玄関からこっそり中を覗いてみると、なかなか見事な内部です。
ここに大学が移ってきた当時、市電の終点は烏丸今出川で、そこから北は一面の田畑だったため、大学専用の道路が作られ、大学の入口は南側から入るようになっていました。田圃の中に大きな西洋建築が建ち並んだ様はきっと目を引いたことでしょう。
また、紫明通りに沿って疏水が流れていたので、それを跨いで「尋源橋」が架けられました。その橋の遺構が今は大学内に移されて保存されています。
大谷大学の歴史に触れられておもしろい展示会でした。
大谷大学博物館は10;00~17:00(入館は16:30まで)
休館日は日・月曜日
入館料200円
今後の予定 6月8日~8月8日 インド仏像の流れと仏教美術の伝播-畠中光享コレクション-(仮)
9月7日~9月25日 写(うつし)の文化(仮)
10月13日~11月28日 親鸞聖人展(仮)
12月14日~2011年2月19日 京都を学ぶ 京の寺内町(仮)
と、企画展が続きます。