テルミンの彼方へ
宇宙とシェアする楽の音
 



今年の夏は、大槌と石巻に行きました。

大槌、昨年行った時は、丁度盛り土の工事が終わりかけの頃で、盛り土の上に、線のかかってない電柱だけが林立していて不思議な光景でした。今年は、随分と家が建ち、あちこちで家の新築工事、電柱にも電線が張られていました。

 

6年待って、やっと家が建てられる様になったものの、もうそんな体力は残っておらず、いっそこのまま仮設住宅でいい、と言い出す人あり、あのペンペン草の区域とか、6年も経ってしまってはもう戻ってこないよ、みたいな話もあり、そんな中で、案内してくださったガイドの方は、ひたすら前向き。宮沢賢治の碑を新しく建てて、宮沢賢治サミットみたいな事を企画してみたり、明るい話題が多く、話していると、こちらも元気になってきます。この前向きのモチベーションを保つのには、よほどタフでないとなあ、とほとほと感心します。

今回は、ぷらさんの車で行ったので、大槌から石巻を通って帰ってくるのは、海沿いをずっと走りました。

 

 
 
 

行けども行けども土木工事。瓦礫の頃を知らないので、家が建っていた様子は想像するしかありませんが、段々と気が重くなってくる風景でした。延々と続く瓦礫。。。よりはマシなのかもしれませんが、震災から、もう6年半経つのに。本当に大変な被害だったんだなあ、と、何年経っても、思います。瓦礫の片付いたあと、盛り土や堤防の工事が、こんなにも時間かかってしまうと、だんだん、それが、本当に自分の望みだったのかどうかも分からなくなってくる中で、工事だけは続く。地震や津波の被害の所の土木工事は、それでもいつかは終わって家が建つんだろう。悲しいのは、津波の被害を受けてないのに、放置されている家や田畑、牧場。緑が広がってる。。と思っても、そこは、かつての実り豊かな田んぼではないし、牧場では、半ば朽ちかけた柵だけが野ざらしになっている。道には、放射線の空間線量計がいまだにびっくりする様な数値を表示して立っている。車で行ってみると、今まで多少高めですね、という数字だったのが、突然、相転移を起こした様に数値がガクンと上がる。ホットスポットという言葉もありますが、ここに何かが降って撤去されないまま、まだここにあるんだろう、と思う様な。サービスエリアに貼ってある「事故の場合」の注意書きは、下の方に、「放射線量についての留意点」が書かれている。勿論、ここは通過するだけで、人は住んでいない地域なので、工事の車もなく、一見牧歌的な風景が広がっています。

東北の方は、人のつながりが密で、情の厚い方が多い。そんな大変な中で歓待してくださったり、ガイドで案内をしてくださりながら、ガイド料は今回はいいです、とか(そんな訳にもいかないので、規定の料金を受け取って頂きましたけれども)沢山の方にお世話になりました。ありがとうございました。ガイドさんは、震災直後にボランティアに来てらした福岡の女の子の結婚式に、先日、お招ばれで行ってきたそうです。暗い話題も多い中で、こんな話に出会うとホッとします。大槌では家が建ち始め、気仙沼は活気があり、石巻ではお祭りと出会えたのも、嬉しかったです。花火も見れたし、美味しい海の幸、ご馳走になり、沢山の笑顔に出会う事が出来ました。



写真は、はまぎくホテルのロビーでの演奏の写真です。このホテルは、震災前は浪板観光ホテル、という名前で営業していましたが、津波の被害に遇い、営業を停止。その時に、以前天皇陛下がお泊まりになった時に苗を差し上げた、はまぎくの花が皇居に咲いている映像を偶然見て、それがきっかけとなって、「はまぎくホテル」という名前で再開する事になった、という事です。はまぎくの花言葉は「逆境に立ち向かう花のように」 

宿泊の部屋からは海の音が聞こえ、露天風呂では、海と朝日を眺めながら入浴できる、という素敵なホテルです^^ 従業員の方も、演奏会の翌日、テルミンの話題で話しかけてきてくれたり(もっと近くで聞いてくれたらいいのに~と言うと、みなさん、いえいえ、と後ずさってしまう、わたし、何が悪いのかしら。)

槌音プロジェクトさんにお世話になりました。ありがとうございます。

槌音プロジェクトは、大槌に音楽ホールを、という趣旨で活動していらっしゃいます。音楽ホールとは言ってもバシっとしたクラシックのホールではなく、音楽や郷土芸能と気軽に触れ合い誰かに会える、コミニュティー施設のイメージだと言う事です。ぷらイム募金箱の中身は昨年は槌音プロジェクトさんの支援にさせて頂きました。大槌に音楽ホールを。いつか、夢が実現します様に。東京でもたまにチャリティコンサートをなさっています。

槌音プロジェクト 
http://tsuchioto.com/project

車を運転する人は三谷さんだけなので、行きだけで13時間かかりました。三谷さんヘトヘト。ご飯をあげないとならないので一緒に連れていったポチもヘトヘト。お疲れ様でした。帰りは石巻で泊まったので、2日がかりで帰ってきた事になります。

石巻で泊まった夜は、なんと、石巻のお祭り! 

 

屋台が立ち並んだ光景、最近はあまり縁がないので、嬉しいです。



川の向こうに浮かぶのは、石ノ森萬画館。宮城県出身の石ノ森章太郎の記念館です。町中にも、サイボーグ009とか、あちこちにいます。

 



頂いた海の幸、ウニの他、お刺身やら、唐揚げになったのはメヒカリ。いずれも美味しうございました。

今、石巻・牡鹿地区あたりでは、「アート」「音楽」「食」を楽しむことのできる新しい総合芸術祭 「Reborn-Art Festival(RAF)」が開催中です。石巻日日こども新聞の記者も、そのフェスティバルに参加して、何やら作品を作っている様です。その様子を取材して、こども新聞の号外を作り、また、出来た作品を東京に展示する為に持っていく為の費用として、クラウドファンドが立ち上がりました。石巻の子ども達の元気の応援に、ご協力ください。
https://greenfunding.jp/lab/projects/1957

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