フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



 3月下旬となり、4月~3月サイクルで動いている学校にとっては、もうすっかり年度末です。そして、大学の卒業式は中学、高校よりも遅いことが多く、私が勤める中央大学の(文系)卒業式は明後日25日(月)です。
 今年度もいろいろなことがありました。2017年11月から私が学部長と法人の理事になったため、昨年度は途中から、今年度は年間通じて、まったく時間の余裕がない日が続きました。その意味で、私が指導する学生の皆さんには迷惑をかけたところもありましたが、なんとか無事に卒業式の日を迎えられそうです。
 今年度のゼミ(学部3、4年生合同演習)の履修者は、3年生21人、4年生21人でした。あいかわらず人数が多かったのですが、おかげで、学生同士が「学び合う」という関係を持てたと感じています。その4年生の取り組んだ卒業論文のタイトルは下記の通り。これだけヴァラエティに富んだ課題に取り組んだ学生たちが一緒に学んでいるので、お互いの研究を参考にしたり、刺激を受け取りということがありました。そういう場を持てたことは、教員にとっても幸せなことでした。

【伝統的な日本文学のテーマ】
大沼健太郎 『パノラマ島奇談』論
引間哲生 宮沢賢治論 農業背景を中心に
山内美沙季 宮沢賢治論
橋本龍一郎 『風立ちぬ』にみる病が恋にあたえる効果論
笠本詩織 「金閣寺」論 ―金閣という幻想の構造―

【現代文学・ライトノベル】
柴原夏美 少女小説論
佐坂春奈 あさのあつこ『バッテリー』論
野中颯太 伊坂幸太郎論 ~叙述トリックによる作品世界の変容~
石原健太郎 小川洋子『博士の愛した数式』論
菊地夏帆 角田光代の転換点ー『エコノミカル・パレス』、『空中庭園』を経て『対岸の彼女』までー
馮楽施 有川浩『レインツリーの国』論―—「障碍者の物語」
三浦葵 有川浩 キャラクター類似論
成田大基 伏瀬「転生したらスライムだった件」論   

【国語教育】
田嶋大樹 夏目漱石『こころ』教科書掲載の意義論

【漫画・映画・ドラマ・演劇】
渡辺陽太 少年漫画における「裏切り」行為の効果研究
髙野啓太 機動警察パトレイバー the movie論
中村里乃 朝ドラ「ひよっこ」論
岡野春香 坂元裕二論
野田遥香 「ロールシャッハ」論

【その他】
隠塚智輝 ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文論
谷川汀 キャッチコピー法則論

 それぞれの卒業論文に取り組んだ経験が、卒業生のこれからの人生にきっと役立つことでしょう。皆さんのこれからの活躍に期待しています。


※このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。



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