フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



(写真は南アフリカ大会のメイン会場・サッカーシティ)

 サッカーの日本代表チームが、ウズベキスタンを1対0で破り、ワールドカップ南アフリカ大会の出場権を獲得しました。これで4大会(1998フランス、2002日韓、2006ドイツ、2010南アフリカ)連続の出場となります。
          
 4大会連続ということで、今の若いサッカーファンには、日本代表がワールドカップに出場するのが当たり前のように感じられるかもしれません。しかし、私のように50歳を越えたサッカーファンには、むしろワールドカップ出場など叶わない夢のようだった、その前の年月の方がはるかに長く感じられます。
 日本が初めてワールドカップ出場権を獲得したのは1997年11月16日。その頃、アジアの出場権はわずかに3か国にしか与えられていませんでした。日本は上位2か国に入ることができず、最後のワールドカップ切符をかけて、マレーシアのジョホールバルでイランと対戦。この試合を劇的なVゴールで勝利して、日本は初めてのワールドカップ出場を決めたのでした。
 しかし、このときまでに日本は数え切れないほどワールドカップ予選の厚い壁に跳ね返されてきました。その頃の日本には、ワールドカップなどは遠い遠い夢のような存在だったのです。
 フランス大会より前にワールドカップにもっとも近づいたのが、その4年前の1993年の最終予選。いわゆる「ドーハの悲劇」と呼ばれた大会です。10月28日のイラン戦で、あとわずかの時間を守りきればワールドカップ・アメリカ大会に出場できるはずだった日本代表ですが、そのロスタイムに失点して、日本初のワールドカップ出場権が指の間からすり抜けていってしまいしました。そのときテレビで見ていた私は、衝撃で抜け殻のようになってしまったことを記憶しています。
          
 考えてみると、日本のワールドカップ出場権が決まる重要な試合は、ここ数大会いつも海外でおこなわれてきました。94年アメリカ大会を逃した「ドーハの悲劇」はカタール、98年フランス大会出場を決めた試合はマレーシアのジョホールバル、02年日韓大会は開催国なので予選はありませんでしたが、06年ドイツ大会出場を決めた試合はタイのバンコク(無観客試合)、そして今回の10年南アフリカ大会を決めた試合はウズベキスタンのタシケントでおこなわれました。その意味では、日本はまだ日本国内でワールドカップを出場を決めたことがありません。
 実は今回は、最終予選の次の試合(横浜国際競技場でおこなわれるカタール戦)のチケットを持っていたので、もしかしたら日本がワールドカップを初めて国内で決定する歴史的な試合の目撃者になれるのではないかと期待していたのですが、それは残念ながら実現しませんでした。これはまた今後の大会に期待したいと思います。
 ちなみに、オリンピックの方の出場決定試合は、前々回のアテネ大会も前回の北京大会も、日本国内で出場を決めており、私のその両方の試合を実際に見に行っていました(プチ自慢!)。オリンピック決定試合は2回も見られたので、生きている間に1度はワールドカップ決定試合もこの目で見てみたいものです。
 今日の試合も課題はいろいろ残りますが、今日のところはワールドカップ出場を決めた喜びに浸り、本大会への課題についてはいずれあらためて書いてみたいと思います。
           



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