フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



 首都圏にある一つの健康ランドが閉館することになりました。私は、新型コロナウイルスの影響が出てから後は行っていませんが、以前によく行っていたので、とても残念です。
 私がこの健康ランドに行くときは、毎回宿泊して2、3日滞在していました。のんびりしに行くのではなく、ノートPCを持ってまとめて仕事をしに行っていました。「庶民的」を絵に描いたような、まったくおしゃれさのない施設でしたが、その健康ランドでは大浴場がほぼ1日じゅう開いていましたし、建物内にはレストランもバーも漫画コーナーもスポーツジムもありました。ですので、そこにいる間の私の生活としては、「仕事→運動→仕事→大浴場→仕事→食事→仕事→大浴場→仕事→睡眠」といった感じでした。本当は仕事抜きで滞在できればもっとよかったのですが、それはできませんでした。それでも仕事の合間にいつでも運動や入浴ができるのは、それはそれで幸せなことでした。
 昔の文豪は、湯河原や修善寺の旅館にこもって小説を書きました。私は文豪ではないので、それよりは10段階くらい庶民的な施設になりますが、仕事をしに健康ランドにこもることは、わりとよくあることでした。そういう施設がなくなってしまうことはとても残念です。
 そこがなくなっても他があるじゃないかと思われるかもしれませんが、いくら調べても同様な場所はないようです。お台場の大江戸温泉物語のような少しおしゃれな若者向きの施設になるか、ホテルの併設のない仮眠スペース程度の健康ランドか、あるいはビジネスホテルに共同浴場が付いているような場所しかないようです。
 気に入った場所がなくなるのはとても悲しいことです。そういえば、「気に入った場所がなくなる」ということについても書きたくなり、忘れられない多くの場所が数多く頭に浮かんできましたが、それはまた別の機会に譲りたいと思います。

※このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )