考えるための道具箱

Thinking tool box

ストレス解消BLOG。

2005-01-19 00:27:51 | ◎読
年末から、仕事でタフな状況がずっと続いており、かなりイラついているので、ついつい本を買ってしまう。積読どころか、買ったことすら忘れないよう、最新刊のラインアップも含めメモしておこう。

『世界文学を読みほどく スタンダールからピンチョンまで』
(池澤夏樹、新潮選書)
------------------------
「読みほどく」ってのがいいじゃない。池澤夏樹っていう人は、小説については、『マシアスギリの失脚』以外は、まったくだめだけど、読解については、さずがに幼少のみぎりから鍛えられただけあって、なかなかに深いところがある。たとえば、『読書癖』『ブッキッシュな世界像』『海図と航海日誌 』などまさに指針となるような書評、作者評をおこなっているわけだ。さすがに、『百年の孤独』年表などは、読むのが面倒くさくなるが、対象への慈愛が感じられて好ましい。今回の『世界文学を読みほどく』は、これまで彼が上記のような本を通じて考えを深めてきた世界文学の大家、大作について語った京大での講義をまとめたもの。ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、メルヴィル『白鯨』、フォークナー『アブサロム、アブサロム!』、マルケス『百年の孤独』、ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』ほか10の作品が語られている。例よって『百年の孤独』読み解き支援キットなどもついているのでこれまでの焼き直し感はいなめないが、自分の作品『静かな大地』なども解読しているので、面白そうではある。

『性交と恋愛にまつわるいくつかの物語』
(高橋源一郎、朝日新聞社)
------------------------
よくわかないんですね。小説トリッパーに連載されていたものらしい。彼はほんとにあちこちで連載しているから、今後は、同時多発的に(←こんな小説もありましたね)単行本がでてくるだろう。トリッパーなんてまったく買う気もおこらないので、本書に集められた掌編のことは一切知らないが、『もてない孤独な男と女がアダルトヴィデオの現場で出会う。その愛の行方は? お子さまランチのようなセックスから究極の深い経験へ。性愛の喜びと試練にみちた、堂々のエッチ「暗黒恋愛」小説集。』ということなので、『あ・だ・る・と』の続編のようなものか。あれ?『唯物論者の恋』は、どっかで読んだっけ?おかしいな、トリッパーなんて買うはずもないのに。

『煙か土か食い物』
(舞城王太郎、講談社文庫)
------------------------
前回も書きましたけど、そうとう嫉妬していますね。なんか『ファウスト』も買っちゃいそう。東浩紀も連載しているみたいだし。

『実録・外道の条件』
(町田康、角川文庫)
------------------------
もちろん『パンク侍、斬られて候』の影響です。『耳そぎ饅頭』も講談社文庫に入ったので、愉しみ愉しみ。

『東京ファイティングキッズ』
(内田 樹  平川 克美、柏書房)
------------------------
遅ればせながら。ずっと逡巡していて、その理由は、あまりマクロ的な話とか倫理的な話を語られてもなあ、と勘違いしていたわけで、『東京ファイティングキッズ2』があまりにもぼくにとって重要なテーマを扱っていたため即買い、でした。平川さんの→『反戦略的ビジネスのすすめ』の原点というところでしょうか。最近、平川、内田、平川、内田…こればかりですね。ちょっと盲信するのを戒めたほうがいいかも。

『ニーチェと悪循環』
(ピエール・クロソウスキー、ちくま学芸文庫)
------------------------
なんでこんなの買うんでしょうね。じつはニーチェ好きなんですよ。今年のテーマをニーチェか、ヘーゲルか、引き続き現象学にするのか、これを決めるためにも。でも読み終わるころには今年が終わってしまうかもしれない。まあ、永劫回帰について、なんらかの答えが得られるかもしれない、と思いつつ。

『フェルディドゥルケ』
(ゴンブロービッチ、平凡社ライブラリー)
------------------------
ゴンブロービッチって人にはなんだか会いたくないね。とっても偏屈なおっさんのようだ。もっとも青二才であるわけだから、価値観は凝縮していないかもしれない。じつは、少し「不服従」って発想がいいんじゃないか、と思いはじめてもいる。脱構築とか反論とかしても、どうせ聞く耳もってくれないんなら、って感じでしょうか。まあ、「不服従」というより「やりすごし」といったレベルでしかありませんが。

『文学界 2月号』
(文藝春秋)
------------------------
もちろん、こちらもお忘れなく。『文学界』を選んだ理由は (1)1月号でいろいろ連載が始まったためその勢い---高橋、内田、小谷野 (2)映画特集---蓮實、阿部、金井 (3)筒井康隆の連載(『大いなる助走』の21世紀版といわれたらねえ。→で実際、面白いです。久しぶりに筒井康隆という感じでしょうか) (4)川上弘美の新連載 (3)渡部直己の『文学の徴候』評(はっきり言ってこれはようわからん。言っちゃっていいですか…。文章下手すぎって。)………なんだか、ものすごく充実していますね。


以上。早く2月になんないかなあ。でもいま2月の案件の準備してたりするから、結局、忙しいままかも。神さま。


------------------------
↑ああ、書いてすっきりした。
↓さあ、仕事、仕事。みなさまは、
↓本と読書のblogランキングサイトへ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿